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はちゃめちゃな異世界帰還〜実の姉が迎えに来たので本来の世界へ戻ります〜 【旧:Reminiszenz】  作者: 龍運
第3章:国外逃亡編

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第47話:国外での夜

 荷馬車はゆっくりと城門へ近付いていった。

 木箱の隙間に身を潜めているケントたちは、ただ息を潜めることしかできなかった。 やがて――

「止まれ!」

 騎士の鋭い声が響き、馬車が停止した。

「身分証の提示を」

「ああ」

 ゴリアスは面倒臭そうに答えて、しばらくして書類を確認する音が聞こえ始めた。

「確かに問題ありません」

 騎士はそう言ったものの、そのまま荷台へ視線を向けた。

「荷物も確認させてもらいます」

「正式な依頼品なのですが……」

「現在は特別警戒中です」

 そう言って騎士は荷台へ乗り込んできた。 木箱が動かされる音が響くたびに、ケントたちは思わず身体を強張らせた。

 そして、騎士はさらに奥を見ようとした。

「そこも確認する」

 その瞬間だった、

「おい」

 低く重い声が響き、騎士の動きが止まる。 その声の主はゴリアスであり、先程までの雰囲気は消えていた。

「この依頼は商会がギルドへ正式に依頼した運搬任務だ。それをここまで疑うってことは、ギルドと商会の両方を疑ってるってことになるが……」

 騎士の額から汗が流れて、周囲の兵士たちも顔を見合わせていた。

 冒険者ギルドと大商会どちらも下手に問題を起こせば責任問題になることを理解していた騎士は

「い、いえ……そのようなつもりでは……」

 と慌てて首を振っていた

「ならどういうつもりだ?」

「そ、それは……」

 騎士は言葉に詰まり、やがて騎士は観念したように一歩下がった。

「失礼しました!通してよし!」

 その言葉と共に城門が開かれ始めた。

「最初からそうしろ」

 そして荷馬車は再び動き始めて、ガラガラと車輪を鳴らしながら城門を通過した。

 しばらく進み続けて、城壁が小さく見えるほど離れたところで、ようやくケントたちは安堵の息を吐いた。

「通れた……」

「マジで見つかったと思った……」

 ケントは力が抜けたように背中を木箱へ預けて声を発することができなかった。

 そんな三人の様子を見ながら、荷台の前方で手綱を握っていたゴリアスはニヤリと笑った。

「だから言っただろ。任せとけってな」

 こうして三人は王国を脱出することに成功したのだった。

 その後しばらく街道を進み続けていたが、途中で進む方向が異なったため、ゴリアスたちとは別れることとなった。

「ここから先はお前たちだけだな」

「本当にありがとうございました」

「助かりましたわ」

「世話になったな」

 三人はゴリアスに礼を言って頭を下げたのだった。

「気にするな。困った時はお互い様だ。また会うことがあったら元気な顔を見せろよ!」

「うん!」

 そして荷馬車は再び動き出し、やがて街道の先へと消えていった。

 三人はしばらくその背中を見送っていたが、やがて目的地へ向けて歩き始めたのだった。

 数時間ほど歩き続けた頃だった。

「あ、川だ」

 ケントが前方を指差したところには澄んだ川が流れていた。

「今日はこの辺りにしますか?」

「そうだな。暗くなってから探すよりマシだ」

 三人は川から少し離れた平坦な場所を選び、野営の準備を始めた。

 火を起こして簡単な食事を作って食べた後、荷物を整理した。

 やがて空は赤く染まり、空が暗くなり始めていた。

 三人は焚き火の周りへ腰を下ろした。

 しばらくは他愛のない話をしていたが、不意にフローラが真剣な表情になった。

「お二人に提案がありますわ」

「提案?」

「何だ?」

 フローラは焚き火の炎を見つめながら静かに口を開いた。

「これから先の旅は、おそらく今まで以上に危険になります」

 その言葉を聞いて二人も自然と表情を引き締めた。

「だからこそ、お互いのことをもっと知っておくべきだと思いますの」

「もっと知る?」

 ケントが首を傾げると、フローラは小さく頷いた。

「ええ。誰が何をできるのかをはっきりと把握しておくことは重要です」

「まぁ、それは確かにそうだな」

「ですから、お互いのステータスを全て見せ合いませんこと?」

「俺は別に構わねぇぞ」

「僕も賛成かな」

 その返事を聞いてフローラは微笑んだ。

「なら決まりですね」

 三人はそれぞれ自分のステータスを表示しようと

「ステータスオープン」

と声を発した。

「じゃあ、まずは私から見せますわ」

 そう言ったフローラはステータスを隼人とケントに見せた。


 ⦅パラメーター⦆

 レベル23

 体力:2,450/2,450

 物理的攻撃力:1,080

 物理的防御力:1,800

 魔力的攻撃力:3,000

 魔力的防御力:3,000

 魔力:3,000/3,000

 運:2,047

 速度:1,600

 ステータス平均:2,300

 ⦅スキル⦆

 ・基本魔法Lv.4 ・特殊魔法Lv.2

 ・基本魔法耐性Lv.3 ・特殊魔法耐性Lv.1

 ・基本魔術Lv.5 ・特殊魔術Lv.3

 ・基本魔術耐性Lv.4 ・特殊魔術耐性Lv.2

 ・《重力Lv.1》

 ⦅加護⦆

 なし

 ⦅称号⦆

 なし


「初めてフローラのステータス見たけどやっぱり魔法関係がすげぇな」

「ラザフォード家の教育の賜物です」

「じゃあ次は俺だな」

 そう言って隼人もステータスをフローラとケントに見せたのだった。


 ⦅パラメーター⦆

 レベル25

 体力:2,700/2,700

 物理的攻撃力:4,000

 物理的防御力:4,000

 魔力的攻撃力:980

 魔力的防御力:1,200

 魔力:1,400/1400

 運:2,720

 速度:3,000

 ステータス平均:2,500

 ⦅スキル⦆

 ・一刀流剣術Lv.4 ・体術Lv.5

 ・《鎌鼬Lv.2》

 ⦅加護⦆

 なし

 ⦅称号⦆

 なし


「思った通り、脳筋よりのステータスですね」

「うるせぇ」

 フローラの一言に隼人は即座に反論した。

 そんなやりとりを見て、ケントは思わず苦笑した。

「じゃあ僕も」

 そう言ってケントも二人にステータスを見せた。


 ⦅パラメーター⦆

 レベル29

 体力:32,800/32,800

 物理的攻撃力:29,000

 物理的防御力:28,000

 魔力的攻撃力:29,000

 魔力的防御力:28,000

 魔力量:29,200/29,200

 運:23,000

 速度:25,000

 ステータス平均:28,000

 ⦅スキル⦆

 ・一刀流剣術Lv.13 ・二刀流剣術Lv.10

 ・弓術Lv.7 ・槍術Lv.8 ・体術Lv.14

 ・気配察知Lv.11 ・気配遮断Lv.9

 ・錬金術Lv.13

 ・基本魔法Lv.12 ・特殊魔法Lv.10

 ・基本魔法耐性Lv.11 ・特殊魔法耐性Lv.7

 ・基本魔術Lv.13 ・特殊魔術Lv.10

 ・基本魔術耐性Lv.10 ・特殊魔術耐性Lv.7

 ・《鑑定Lv.1》

 ⦅加護⦆

 ・女神ステラの寵愛の加護

 ・女神セレスの寵愛の加護

 ・女神ティナの寵愛の加護

 ⦅称号⦆

 ・分魂せし者

 ・悠久の魔帝の弟子

 ・断罪の剣聖の弟子

 ・黄金の錬金術師の弟子

 ・暗闇の夜の弟子


「……改めて見るとすげーステータスだな」

「同感ですわ」

「そんなに?」

「そんなにだ」

「そんなにですわ」

 ケントの言葉に隼人とフローラの二人の返事は完全に一致したのだった。

 その後、ステータスの確認を終えた後は、三人は今後の予定について話し合っていた。

 ケントは地図を広げながら目的地を指差した。

「シオン姉さんが教えてくれた場所は、ここからさらに二国くらい越えた先みたいだね」「思ったより遠いですわね」

「まぁ、他種族とあんまり関わろうとしないエルフの国なんだから近いわけねぇよな」

 隼人は苦笑して、ケントつられても小さく笑った。

「ここからは剛吉さんの推察になるけど、そこが僕の父親の故郷なんだと思う」

 ケント自身、自分の両親について知っていることは多くない。

 だからこそ、その場所には何か手掛かりがあるかもしれないと思っていた。

 しばらく沈黙が続いた後、不意に隼人が何かを思い付いたように口を開いた。

「なぁ」

「ん?」

 隼人は少し考えるような顔をしながら言った。

「この際だからケントお前、話し方変えたらどうだ?」

「話し方?」

「おう」

 ケントの疑問に隼人は頷いて答え始めた。

「別に口調までは無理に変えようとしなくてもいいけどさ、一人称くらいは変えた方がいいと思う」

「なんで?」

「話し方で身バレする可能性だってあるだろ」

 その言葉にフローラは納得したように頷いていた。

「ああ、確かにそうですわね」

「だろ?国がどれだけ情報掴んでるか分かんねぇし」

「確かにケントのその特徴的な容姿だと見つかりやすいですね。せめて、話し方を変えないと見つかりやすいですね」

「じゃあ変えてみようかな」

「おう」

「何にしますの?」

 二人が聞いてきて、ケントは少しだけ悩んだ後口を開いた。

「一人称を――俺にしてみる」

「それでいいんじゃねぇか?」

「無難ですわね」

 ケントは少しだけ照れ臭そうな顔をした。

「じゃあ……これからは俺って言うようにするよ」

 ケントは一人称を俺と言ってから少し違和感があった。それを見た隼人が吹き出した。「なんかぎこちねぇな」

「慣れてないですものね」

 フローラも笑いケントは苦笑した。

「そのうち慣れると思う」

「頑張れよ」

「応援していますわ」

 こうして三人は焚き火を囲みながら、少しずつ新しい旅への準備を整えていくのだった。

どうでしたでしょうか?よければブックマークや評価をしてくれると嬉しいです。

また、気になる点やわからないところがあれば感想などで送ってくれると嬉しいです。

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