この街の知らない顔
バス停もない。マクドナルドは変わらずある。店に入って「バス停はどこ?」と聞くと「むかしあったね。今は地下鉄だよ。この辺は。」と言われた。
真っ昼間だからまだまだ帰るには時間があるようだ。アンドーチェーンの屋上から街を見てみようと走って駆け込んだら、知らないビルだった。巨大なアンテナがくっついた、ビカビカのビル。公園みたいな場所が屋上にある。
屋上から、この街を眺めた。
なんかすごいものを見てるのかも?
ハガキサイズのタッチ証明書に、もらった記念ボールペンで書き留めていった。
知らないビルはビルの名前がある看板をメモった。
近くの人の洋服もグダグタで面白いからメモった。メモっているうちに街が暗くなり、この街自慢の街路樹が光り始めて、しばらくして消えた。周りを見たら、いつものアンドーチェーンの屋上だった。
なんか怖くなって、催事場に行ったら大恐竜展をやってて安心した。
「君たち、もう閉店時間だけど、親とはぐれたのかい?」
知らないおじさんが話しかけてきた。胸にはアンドーチェーンのバッチがあるから、今までのことを3人で同時にしゃべった。
小泉は「困ったなー。」という顔をしたから、渡した大恐竜展のタッチ証明書を見せた。小泉は「上に行くからついて来なさい。」アンドーチェーンで迷子にさせちゃってゴメンね、と言った。
アンドーチェーンの会議室に着いた。
「子供たちが館内で迷子になりまして。」
「なんか面白い事を言ってます。」
専務はやさしく3人を迎えて、タッチ証明書のメモ書きを眺めた。
「これは君たちが見たんだね。」
「でもホントでしょうか?」と小泉。
「小泉さん、子供たちが言ってることはホントの話だよ。信じてあげよう。ウソを言う理由もない。」
そして続けた。
「これが、マーケティングなんちゃらを語る大人が言ってたら。」
「またまやかしの未来予想で金をせびろうってか!と怒鳴るがな。」と笑った。




