66話 双子神
「そうですね。あ、ちょうどいい機会ですから、前世での家族を紹介しますね」
で、始まった自己紹介、まずは前世での母親である“皐月母さん“から始まり、その後は長女の“亜実子姉さん“家族へと、前世の兄弟の年齢順に各家族を紹介していき、そのままソルの前世での家族の紹介をすると、今世のソルの家族は少し複雑そうな表情をしていた。
(まぁ、ソルはこれまで、前世の記憶は一切無い状態で普通、とはい言い難いが、子供として暮らして来ていたからな、やっぱり少し思うところもあるんだろうなぁ・・・(*´Д`*))
そんな事を思いつつも、次はジェムシードサイドの家族の紹介もしていき、今の1番の目的である子供達をどうにか仲良くさせて、この場から離す様に誘導する作戦を進めた・・・・
「・・・と、これでコチラの、今世の僕やソルの家族や親戚は全員紹介したかな?あ、最後に、今世の友人達とお世話をしてくれる仲が良い使用人達も紹介するね♪」
と、広場の後ろの方に肩身が狭そうに座っているイネオス達やイネオスのご両親達、それと、いつの間にか気配を消して、“サスナ“達と協力して、ジェムシードサイドの王族や貴族達のお世話をしれっとこなしていた、それぞれの専属使用人達の紹介に移り、一人一人紹介していくと皆んな凄く緊張した様子で前世の家族達に挨拶していく。
そして、一通り紹介が済み、互いに疑問や質問などをし合う時間を設けると、
母様「あ、あの、アトリーの前世?のお母様にお聞きしたいのですが、以前のアトリー、咲子さん?はどんなお子さんでしたか?」
母さん「うーん、そうですねぇ、活発的で何でもこなすけど、他人との人間関係では不器用な面がありましたかねぇ。でも、何故か子供や動物には大人気でしてね。よく懐いていましたかね?あ、私の事は皐月で構いませんよ」
母様「そうなんですね。今とそんなに変わりませんわ、器用で何でもできるのはやはり、皐月さん?の教えがあったからでしょうか?あ、私の事はシリーとお呼びください」
母さん「いえ、いえ、私が教えた事なんてお裁縫と少しの料理ぐらいなもんですよ、シリーさん。
あの子は、自分が興味を持ったことは自分で何でも調べて実践してたので、人に教えてもらう事なんて、身近にいた祖父母から少々の医学と歌、日本舞踊、絵画や細工などの芸術?あとは喧嘩の仕方?ぐらいですよ。あの子の趣味は多岐に渡ってましたので、どこで誰に習って来たかなんて把握できないくらい多かったですし、特に家庭菜園に至っては完全独学で、毎年夏になると兄弟やご近所さんにおっそわけ出来るぐらいの実りがありましたかねぇ。
それに、あの子の作る野菜は美味しくて人気でしたし、あの子が自分で作った美味しい野菜で、ご飯も作ってくれるのでそれはそれは美味しかったですよ」
母様「まぁ、それは知りませんでしたわ。アトリーがお料理がうまいのは知ってましたが、お野菜を1から作っていたなんて・・・皐月さんからお聞きする咲子さん?のお話は、新たな発見もありますが、やはり今のアトリーに通ずるものが沢山ございますね。
今思うと、教えた事のない歌を良く歌ってましたが、前から歌を歌のが好きだったんですね。それにアトリーが仁さんの送還の儀に舞っていた舞や、精霊達の祝福の儀式の時の舞は、その“ニホンブヨウ“?と言う、踊りから来たものだったのですね・・・」
母さん「あぁ、仁の送還の儀?の時の舞は私も見ましたが、あれは“日本舞踊“では無いですよ。多分、ゲーム、物語が伴うおもちゃ?であってるのかしら?その中で出てきた舞と歌ですから、もう一つ言われていた精霊の祝福の儀式?と言うのはどんな物か分かりませんが、“日本舞踊“に興味があるのなら、今度アトリー君に見せてもらったら良いですよ。また違った美しさがありますから、歌もそちらの国とはまた違ったテンポの歌もありますし」
母様「あら、それは良い考えですわ♪」チラッ
「うっ、機会がありましたら・・・」
母様「楽しみに待ってますね♪」
と、生まれ変わりに対しての質問が双方から寄せられるとばかり思っていた質疑応答タイムが、いつの間にか僕の前世の思い出掘り返しタイムとなってしまっていて、正直僕は、今、穴があったらすぐにでも飛び込みたい気分だ・・・
父様「多才だと思っていたけど、色々な物に興味を示すところは今と変わらないね。でも、喧嘩の仕方?とは?・・・」
亜実子姉さん「あ、それはぁ・・・」
この後も僕やソルの前世での思い出や、今世での僕達の思い出などを暴露し合う話が続き、話題を変えようと奮闘するも、結局は似たような話題に戻ってくるので、それをずっと聞かされるだけになってしまった僕達のHPは、もはやレッドラインになってしまった・・・
僕&ソル((う、うっ・・・もうそこら辺にしてくれぇ・・・))
息も絶え絶えになっている僕達をよそに、両サイドの話は盛り上がり、話題が僕とソルの関係に切り替わってきた。
父様「咲子さんと、陽介君?は先程お聞きした様に、今世?と同じで生まれた日も同じと言う事でしたけど、2人の間で不思議な現象?もしくは共通点などはありませんでしたか?」
母さん「そうですねぇ・・・うーん、これといって・・・2人は男女の仲と言った雰囲気はなくて、悪友?の様な感じで仲は良かったですが・・・ラトさんが聞きたいのそう言った表面的な物ではないですよね?2人が元々双子だったことから来る何か、見えない繋がり的なやつですものね?」
陽介・父、大地おじさん「うーん、そうですねぇ?私が勘違いかもしれませんが、2人が一緒に何かをしようとしたりする時は、やけに連携が取れていたりしていた様な気がすくらいですかね?」
陽介・母、梓おばさん「そうですね。それぐらいかしら?」
と、すっかり打ち解けて、名前を呼び合う互いの両親達の会話は、今世での僕達との不意義な繋がりに関しての話題となって行き、父様は僕達の不思議な繋がりが元々双子の神である事が理由なのでは?と推測したようだ。
「あー、それに関しては、父様や母さんの推測に近いですよ。僕とソルは元々、一つの神の魂から生まれて来ているので・・・」
皆んな「「「「「ん???」」」」」
「えーっと、簡単に説明、できないな・・・」チラッ
父様達の推測が正しい概ね正しかったので、僕はそれを肯定するためにそう答えたは良いが、皆んなは“どう言う事?“と言った感じで、全く理解ができてない様だった。
その疑問に答えようかとしたが、僕とソルの神としての成り立ちがかなり特殊なので、簡単に説明できるかと言えば、以前にルスじいじとの会話の中でなされた神の成り立ちの中で、ごく稀に特殊な成り立ちの神がいると言う話、それに僕達は該当し、様々な要因から僕達のその特殊な成り立ちを、ここにいる人達に簡単に説明しても良いのものなのか?と考えると、そう簡単に説明はできない、と言う結論に至ったので、説明をしたいいか?と伺いを立てるように、神としての僕達の親であるお母様の方をチラッと見る。
すると、両サイドの家族が自己紹介し出したあたりから完全に他人事のように、まったりお茶しながら傍観していたお母様が、僕が向けた視線に気づき、それに釣られる様に全員の視線が向けられると、だらけていた体を起こし少し考える様子を見せて口を開いた。
お母様「そうだね。この子達は僕の前任の“最高神“だった“大神“の魂を、2つに割って生み出した双子神だから他の神々と違った魂の繋がりがあるんだよ」
と、かなりあっさり、あっけらかんと真実を話したお母様。
全員「「「「「えっ!!!???」」」」」
母様の後ろで同じ様にまったりお茶をしていた神々や僕とソルは、あっさり重要な事実をバラしたお母様に驚き、他の皆んなは僕とソルの神としての成り立ちに驚いたので、全員の驚きの声が揃って広場にこだました。
ソル「は、母上!?い、良いのですか!?」
お母様「えっ?良いも何も、これと言って隠してるわけじゃなかったよ?ただ、貴方達を生んだ時に神界では面倒臭い派閥争いがあったから、あまり公表しなかっただけだから、今はそんな面倒な派閥争いも全て潰し、じゃなかった、解決したから皆んなに説明しても問題ないよ!」 グッ!
あまりにもあっさりバラしたので、ソルが慌てて確認を取ったが、これまたあっさり、そう答えてグッドポーズをするお母様に僕とソルはガックリ項垂れた・・・
僕&ソル((僕達のこれまでの配慮はなんだったんだ・・・それに、派閥争いを潰したって・・・(*´-`)))
自分達の親の発した言葉に少々気になるところはあったが、気を取り直して、今度は詳しく説明をする事にした。
(まぁ、説明も何も、今、お母様が言ったように他に説明がしようがないんだけどね・・・)
要は、物凄く昔々にお母様の前に“最高神“と呼ばれる“名も忘れらた大神“が存在し、その時の神界ではその“大神“が最も力を持っていたため、長い時間その役目を担っていたのだが、ある時、その役目に飽きた“大神“は、そのお役目を誰かに受け渡し、自分の存在そのものを無くしてしまおうと画策し始めた。
その頃、新たに現世の人間から神として昇格したお母様に目をつけた“大神“が、お母様に無理難題のお役目を押し付け、少しずつ自分の神格や神としての能力を移行させていき、最終的には自身のこれまでの“最高神“として過ごしてきた記憶までもお母様に移して、抜け殻になったその“大神“の身体と、神格をなくし空になった、神になり得る魂だけが残り、完全に“最高神“して成り代わらせられたお母様は、その残った“大神“の身体と魂をそれぞれ真っ二つに割って、当時、お母様が作り上げていた自分の神域のエネルギーの循環と環境の維持のための神として生まれたのが僕達だったと言うことだ・・・
ついでに言うと“大神“の身体や魂の使い道は、まず“大神“の身体は僕達の実体である太陽と巨大な樹木となり、魂は神として新たな役目を与えられて神格が芽生え、再び神の魂となった“神魂“を、僕達の神として自由に動かすことができる人型、“神体“と言うものを、お母様が自ら“神力“で作り、その“神体“にできた“神魂“を埋め込んだ、と言う感じだ。
(まぁ、今した説明は諸説あって、“大神“は元々、人間だった頃のお母様に目を付けていて、自分の後任にするためにわざわざ手を回して神にしたと言う話もあるんだよねぇ(*´ー`*))
と、まずは僕達の神としての成り立ちを説明すると、
皆んな「「「「「・・・・・」」」」」
(まぁ、かなりのショックを受けていたとだけ言っておこうかな・・・)
何はともあれ、そんな成り立ちの僕とソルの間には以前の“最高神“として強力な力を持った“大神“の魂からなっているからか、互いが考えていることはすぐに分かるし、念話のように心の中での会話が可能で、強い妨害に遭わない限り次元を超えた距離でも会話することもできる。
他にも魂の繋がりが強いせいか、それぞれがどこにいようと必ず居場所が把握できて、なんなら、あまり離れすぎると違和感が凄いので、常に一緒にいることが多かった。
それほど強力な“大神“の魂は、地球でも良くある“双子の神秘“という感じの特性を持ったまま、何度も様々な形で生まれ変わったことで徐々に力は失いつつも、その繋がりは今世まで完全に断ち切れる事なく根強く残っていた、いや、むしろ今世は、前世の科学が発展していた世界の地球にいた時より、剣と魔法のファンタジーの世界であるジェムシードに生まれ変わった事で、再びその絆が強くなっていた・・・
僕&ソル((だから、僕達は生まれる時も、死ぬ時も、常に一緒だったんだけどね・・・))
と、これまでの自分達の人生を振り返って少し気分が沈む僕達・・・・




