64話 説明の前に…
「「「「「・・・は??????・・・」」」」」
「「「「「・・・はぁ~~~っ!!!!!?????」」」」」
僕達の帰還の挨拶の途中から、理解が追いつかず、フリーズしていた今世と前世の家族親戚、身内一同が今日この時1番大きな声をあげたのだった、この様子を見た僕達は、
僕&ソル((あぁ、これは、説明が大変だなぁ・・・))
と、2人して顔を見合わせ、苦笑いするしかなかった・・・
“異次元航行型、移動神域、[神の玉座]“内の一角に、招待された人々の驚きの声が響き渡った時、途中からただの傍観者と化してしまった三神獣のやり取り・・・・
天華(『やはり皆さん驚きますよね・・・私達も少しフライング気味に主神様や天照様達から教えて貰ったばかりですから、今でもまだ現実味を感じません・・・』)
夜月(『だな、しかし、本当にアトリーとソルが“最高神様“の神子様だったとは・・・信じられない気持ちの方が強いが、どこかで少し納得する自分がいる、アトリーとソルの成長具合は規格外すぎたからな・・・』)
天華(『確かに・・・』)
ジュール(『・・・アトリー達が元?神様だったのはわかったけど、なんで今は人間?になってるんだろう???』)
天華&夜月(『『確かに・・・』』)
と、言うやり取りがなされている間に、驚きを出し切った人達が乱れた息を整え落ち着いて来ていた。
サフィアスおじ様「・・ふぅ~・・・説明、していただけるのでしょうか?」
1番に息を整え終わって、今の状況の説明を求めて来たのは、一国の国王をしているサフィアスおじ様だった。
(流石、伊達に国王様してないよね!( ^∀^))
リュウお母様「そうだね。じゃあ、2人とも、改めて自己紹介をしたらどうかな?」
僕&ソル「「はい、では改めて、僕達は、ここに座す、全ての神々が崇めし、全てを司る神、“最高神、リュウ・テオス・ディメンシオン“の第9と10番目の子として生まれた双子神、・・・」」
ソル「第9子、この神域の“太陽とすべての生命の成長と育成、守護などを司る神、ソルガディア“と」
「第10子、彼方に見えている巨大樹、“生命の樹や世界樹と呼ばれる樹と生命、循環などを司る“女神““、ユグドラスフィア“と申します」
と、サフィアスおじ様の要請に対し、お母様は快く答え、まずは自己紹介からと言う事になり、僕とソルはその場で立ち上がり、皆んなの方を向き、声を揃えてそう挨拶をすると、僕達がそれぞれ自分の自己紹介を始めた瞬間、これまで、周囲は目の前にある森以外はただただ、草原が広がっているだけだった風景に、新たに森の奥に雲を突き抜けるほど大きな樹木と、僕達を煌々と照らす太陽出現し、そこを起点として一気に周囲に自然と一体化したような様々なデザインの建造物や地形が現れ、一気に周囲は色づき賑わい、生命の息遣いが聞こえてくる様になった。
僕&ソル「「皆様、以後お見知り置きください」」 ぺこりっ
ジェムシードサイド「「「「「んん??えっ!!??」」」」」
サフィアスおじ様「ちょ、ちょっと、待ってください。聞き間違えたようです。アトリー、いや、ユグドラスフィア様?が“女神“と聞こえましたが・・・」
「サフィアスおじ様、聞き間違えでは無いですよ?ふふっ、僕はこちらの世界で生を受ける前は、女性として、こちらの、勇者候補の“花村 仁“の“おば“をしてましたから」
大半の人達は周囲の変化に驚いたが、それより僕の自己紹介でスルーできない名称の確認をとってきたサフィアスおじ様に、僕は笑顔であっさり今まで隠し通してきた前世の正体をバラした。
ジェムシードサイド「「「「「・・・はぁっ!!??」」」」」 地球サイド「「「「「あー・・・」」」」」
「うふふっ」
“ジェムシードサイド“にいる両親や兄妹など全員が、周囲の変化の驚きより、僕の正体と性別、二重の意味の方で凄く驚いているのとは対照的に、僕の前世を元々知っていた一部を除く“地球サイド“の前世の母親、兄妹、親戚一同は、気まずげに周辺の変化を利用して少し視線を逸らし、“ここであっさりバラしちゃうんだ~“と言う感じの反応をしていた。その両方の反応を見て笑う僕に、ソルが眉を顰めて、
ソル「アトリー、いや、咲子、またお前は・・・」
と、嗜めて来たので、
「いいじゃない、サプライズよ、サプライズ♪・・・それよりいいの?ソル、いや“陽介“?「「「「「!!??」」」」」あなたのご両親や兄弟に挨拶しなくて・・・」
と、軽い感じであしらい、僕がソルの前世のお隣さんで、前世でも同じ日に生まれて、母親同士が病室までお隣同士で、家族付き合いがある幼馴染だった時の名前、“神上 陽介“の名前を出すと、今度は両サイドの人達が一緒に驚き、特に、何も分からないうちにここに連れて来られて、これまで蚊帳の外だった“陽介“の家族が驚きで固まっていた。
ソル「それは、ここに至るまでの説明をした後だ。いきなり話を飛ばすなよ。お前の悪い癖だぞ?咲子」
「はーい、ごめんなさい。ふふっ」
ソル「全く反省してない・・・」
僕がソルの前世もバラして、挨拶に行かなくていいのか?と言うと、ソルはむすっとした表情で、順序というものがあるだろう、と、真面目にお説教してきた。でも、僕はそれほど悪いことをしたと思ってないので、また軽い感じで適当に謝っていると、ソルは僕をジト目で睨んでくる。
「「「「「・・・・」」」」」
そして、そんな前世での名前で軽いやり取りをする僕達の様子を、複雑そうな表情で見ている両サイドの人達。その様子を見かねたお母様が、
お母様「ほらほら、2人とも、じゃれてないで、続き、続き」
と、続きを催促して来たので、
僕&ソル「「あ、はい」」
と、僕も遊びすぎたと思って少し反省して、仕切り直すために、早速、僕達は念話で相談し始めた。
(どうする?ソル?どっちが説明する?)
ソル(いや、その前にどこから説明する?)
(あー、その問題もあったかぁ・・・でも、1から説明するにしても、この僕達のこれまでの出来事を小さな子供達に聞かせるのはなぁ・・・だってかなり重いじゃん?)
ソル(それは確かに聞かれるのはマズいな、これまでの話について来れてない小さな子供達もいるが、そこそこ話が理解できてきてる子供達、特に中学生とか小学生の子供達の方が多い、地球の咲子の甥姪が問題か・・・)
(そうなんだよねぇ、それにこっちの従兄弟、マディや甥姪達にも聞かせるのはちょっと・・・どうにかそこら辺の年齢層の子供達を、今からの説明に参加させない様にできないかなぁ・・・)
ソル(そうだなぁ~・・・うーん・・・)
子供達が聞くと教育的にかなりよろしく無い話になることが確定しているので、高校生以下の子供達には極力聞かれたく無いというのが僕達の考えなのだが、今からでも、この場から引き離すことができないものか、と、2人で悩んでいると、
お母様(それなら、その子供達だけ、“神域内の公園“で遊ばせたらどう?((っ!!))子守は“サスナ“や“グラナ“に任せておけばいいよ)
急に僕達の念話の回線にお母様が乱入してきて、僕達の悩みの解決法を提案してきた。
*ちなみに“サスナ“と“グラナ“は僕達や仁達をここに案内してきた“使いの神“の事だよ!
(び、びっくりしたぁー、驚かさないでくださいよお母様・・・ん?“公園“?って今言いました?(うん、言ったね?)えっ、いつの間に“公園“なんて作ったんです?昔ありましたっけ??)
お母様(いや?たった今創った♪)
僕&ソル((えっ!!??今創った!!??))
ソル(・・・んっ、う~ん、今の事はいいとして、暇を潰せる“公園“があるんならそれを利用しない手は無いな、あとはどうやってそこに誘導するかだが・・・)
お母様の提案は少し気になる部分はあれど、子供達が退屈させる可能性が減るなら都合がいいとして、その提案に乗る事にしたのはいいが、あとはどうやって子供達をそこに誘導するか、という話になり、母様を加えた僕達はしばし作戦会議を行なって、大体話がまとまったら、すぐに作戦を決行する事に・・・
すると、これまでの会話の流れは“並列思考“のスキルを使って、思考を加速させて行なっていたので、時間にすると数秒の出来事だったが、僕達がしばらく沈黙した事で、先程の話の中で気になった事があった、“地球サイド“の前世のソルの家族の1人である、妹の“神上 茜“がおずおずと言った感じで手を挙げて発言の許可を求めてきた。
茜ちゃん「あ、あの、いいですか?」
お母様「どうぞ?」
茜ちゃん「あ、ありがとうございます。今のお話で私の亡くなった兄の名前が出て来ましたが、その、そちらにいる男性が、私の兄の転生した姿、と言うことは本当でしょうか?」
と、質問の許可をお母様が快く出したので、緊張しながらも自分の気になっていた事を質問してきた。僕達はその質問をこれ幸いと受け取り、子供達をこの場から離れさせるための作戦の足がかりにしようと、笑顔で質問に答えた。
ソル「あぁ、俺の前世は君の兄、“神上 陽介“で間違いない、今はこちらの世界、“ジェムシード“の世界の住人で大国、ウェルセメンテ王国の一貴族、“ソルドア・ノブル・ソンブラ“と言う名前で生きている。まぁ、今、この姿では信じられないだろうが、これならどうだろうか?」 シュワァ・・・
「「「「「!!!???」」」」」
茜ちゃん「お、お兄ちゃん!!やっぱり陽介お兄ちゃんなのね!!それに、咲子お姉ちゃんも!!!」
彼女の質問に答え、確信が持てるように、僕達は今の体に上から幻影魔法で前世での姿を作り出してみせた。
その姿に全員が度合いはあれと驚きの表情をし、質問をした茜ちゃんは随分前に亡くなったはずの大好きな兄の姿を見て、涙を流しながらそう言って喜んだ。
ソル「これで、信じてくれるか?茜、父さん、母さん、暁美姉さん」
茜ちゃん「うん!!信じる!、信じるよ、陽介兄さん!!」
“陽介の母・梓“「よ、陽介、本当に、本当に・・・咲子ちゃんまで・・・」
“陽介の姉・暁美“「て、転生って本当に、あったんだ・・・」
“陽介の父・大地“「陽介、お前、親より先に行くなんて・・・っ咲ちゃんも・・・」
と、僕と2人で前世の姿をとったことから、事実だと確信した陽介家族は嬉しいやら悲しいやら、さまざまな感情を浮かべ、全員が泣きながら前世の姿をした僕達の姿を見てくる。
僕の母・皐月「っ・・・分かってはいたけど、その姿を見ると、本当に、アトリー君が咲子だったって、実感できるわね?陽くんも一緒にいたなんて・・・でも、どこかしっくりきたわ・・・」
「母さん・・・」ギュッ
皐月母さん「!!っ・・・咲子、あんたも死ぬには早すぎよっ・・・」
僕達の前世の姿を見た僕の家族も、同じ様に懐かしみを感じながら、目には涙が溢れ、前世の母である、“母・皐月“は涙を堪えるように声を潤ませながら、そう言って静かに立ち上がり、僕の姿をよく見ようと近づいてきた。
そんな皐月母さんに応えるように、僕の方からも近づいていき、母さんの差し出してきたしわしわになった手をとり、ギュッと握りし締めると、幻影であるとは言え、実態が伴っていると気づいた母さんは、たまらず堪えていた涙が緩んで、泣きながら掴み返した僕の手に顔を近づけながらそう呟いた。
それを皮切りに、“地球サイド“の全員が僕達の周囲に集まり、泣きながら互いの再会を喜んだ。
「母さん、皆んな、色々と聞きたいこともあるだろうけど、一旦、お茶でもして落ち着こう、チビ達は少し退屈だっただろうし、私達の今の家族も紹介したいから・・・ねっ?」
ひとしきり再会を喜びあって、“地球サイド“の大人達は涙で顔がぐちょぐちょになった人達がいるので、仕切り直しとして、一息つくことを提案、その後に、前世と今一つ状況が飲み込めていない“ジェムシードサイド“の今世の家族を紹介すると言う事にした。
(子供達をこの場から引き離すための段取りとはいえ、少し、申し訳ないな・・・)
と、思いながら、前世の家族と困惑気味の今世の家族の両方を見た・・・




