人質外交はまさかの展開に。1
またしてもディスティアに呼ばれる彼女、だがこれは破滅の序曲だった。
ハインツはルッチラとの結婚式に向け一人悩んでいたある日、軍備増強に関して問題が噴き出し、解決策を練るため副総統執務室にはエイナルが来ていた・・・。
「ハインツ副総統、戦艦建造に資金が足りません。それも砲身など武装関連予算です!」
軍部からの突き上げの矛先はハインツに向かっていた。細かな軍備に関しての判断を任されていたのだ。
「あー、エイナル君またその話か、国営企業だとそう簡単に生産数を上げれないんだよ」
「既に100隻以上の船体製造は終わり、砲台と砲身の納期が遅すぎて完成しません。何とかして下さい」
ディスティアでは重要部品の殆どを国営企業が製造しているので、増産するにも議会の承認、予算編成など何かと時間と手間が必要となり直ぐに対応出来ないのだ。
「現在防衛任務に支障が出てるわけじゃないのだろ。それはアーブラハム攻略を行う為の軍備だ。乗務員問題が解決するまでに完成させればいい」
ディスティア帝国軍も軍備拡大に舵を切ることになった。しかし他国と同様乗務員、士官など人員が不足している。空爆に晒され危機感を覚えた愛国者が志願し数は増えたがすぐに使えるわけでは無かった。ハインツはこの事で時間稼ぎをし、その間に武器問題を解決しなければならなかった。
「なるべく急がせて下さい」
「意見として聞きたいのだが、アーヴィンに技術供与して作らせる案はどうだ。君のとしてはどう思う」
「この状況ですと致し方ないですが、生体エネルギー技術に引き続き、武器製造技術も渡すとなると軍事力が拮抗してきます」
「まさか帝国に逆らうことはないだろう、どうした不安なのか?」
「エドガー総統が亡くなり残された第二夫人じゃ抑止力になりません。それとフェデラリーとの関係は微妙ですし」
エイナルが言い淀むには理由があった。フェデラリー共和国は建前上は中立国家だ。関係強化のため大使は送っては来たが完全には信用できていないのだ。
「フェデラリーには軍事的な支援をするつもりはない。現在監視を強めているので問題はない。だがあの元王女か・・・」
「はい、国葬が終わり別荘で大人しくしていますが、このままとどめても何のメリットもありません」
良好な関係が続いているアーヴィン王国は強固な繋がりの為に数十年前に一人の王女を差し出していた。しかしエドガーが急逝し存在が浮いていたのだ。新総統の側に置けるわけでもなく、離籍した彼女は王家に対し影響力がほぼ無く、はっきり言えば利用価値が無いのだ。
「ラケールは結婚したし、奥様は受け入れ反対だし、総統は彼女に一途だからな。そもそも若すぎるよ」
「ええ、流石に10代の王女を候補に上げられても困りますよね・・・」
勿論、アーヴィン王国も危機感を募らせ差し出しては来たものの、王家には適齢期の女性が不在。貴族の娘を無理やり王籍に変えたその王女はまだ15歳の子供だ。総統本人は手出ししないつもりでも、初老の男性に与えれば流石に国民から好色ジジイと言われるのは間違いない。とても頭が痛い問題なのだ。
「全時代的な人質外交は流石に止めないとな。ラケールを呼び出せ能面だが彼女なら問題ないだろ。取り敢えずそれで凌ぐとしよう」
秘書「分かりました」
エイナル「ハインツ副総統、いい判断と思います」
こうしてラケールはハインツに指名され、また親善大使としてディスティアに派遣されるのだった・・・。
秘書「派遣され戦死したアーヴィン軍の手当は如何しましょうか」
「ラケールが残していった宿題か、ユーリーからは請求は来ないんだろ」
「はい」
「無ければいい、向こうがなんとかするだろう」
派遣要請で送られてきたアーヴィン軍兵士の戦死者が数千人を超えていた。しかし手保証金の話はラケールから上がっては来たが、ユーリー自身は黙ったままだったのだ。
秘書「副総統、資源回収の報告がルシンダ司令より上がって来ています」
「なんだ、要約してくれないか」
「現在、予定していた資源確保が終わり・・」
ルシンダの指示のもと、クロウ星団内のとある惑星で資源回収を行っていた。報告ではほぼ掘り尽くし残るは人々が多く住む地域を残すだけになったそうだ。その原住民の取り扱いについて助言を求めてきたらしい。
「たしか人間に近い猿人だっけ?使い物にならない連中だったよな」
「はい、原始時代の人間並と報告にはそう書いてあります」
「邪魔なら排除していいと指示を出せ、資源回収を急がせろ」
「畏まりました」
ハインツは簡単に指示を出したが要は邪魔なら排除、そう生死を問わないという事だ。これがディスティア本来のやり方なのだ。だがあの獣人の星は野蛮だが戦闘力が異常に高く統率が取れているので、資源回収中に被害が出るので棚晒していただけだった。
ーー
「ラケール様お急ぎ下さい」
まだ朝日が斜めにさし明暗が分かれている廊下を、ドレスの端をつまみ上げ小走りでアーヴィン王宮内、謁見の間に急ぎ向かっていたのはラケールだ。
「ユーリー陛下、緊急の呼び出しと聞き急いで参りました次第です」
「ちとな問題が生じておるのだ、君に是非その問題を解決して貰えぬか、あー、そんな難しい事じゃ無いから」
ラケールは結婚後、外務省を辞めようと思い上司に相談、ディスティアに送る親善大使が決まった段階で辞表を受理すると言われていた。数名の候補者と最終面接を行う準備の最中、王宮から突然緊急の呼び出しが掛かり、謁見用のドレスに着替え急ぎ出頭したのだった。
「要件を仰っていただけませんと判断致しかねます」
「あのな、その判断はいらぬ。また親善大使として行ってくれ。これは勅命だ」
「ユーリー陛下、お言葉ですが先月結婚したばかりなのです」
「良い訳はどうでもいい、勅命と申したぞ!」
「クッ!」
投げやりな態度で勅命と言い放つユーリーの目が泳いでいた。それを見たラケールの脳裏に浮かんだのは、直接ハインツから指名が来て二言返事で何も考えずその役目を押し付けたと邪推したが、実際その通りだった・・。
「適任者がいないのだよ。打診した貴族の娘は若すぎると申してな。此方も困っておるのだ」
「わかりました、その役目は私が引き受けます。但し特別手当として給与とは別に毎月200万頂きます!」
「うぐぐ、わかった。好きに致せ」
腹が立ったラケールは通常の3倍の特別手当を要求した。だがユーリーはこれ以上言い争っても無駄と判断し要求を呑むのだった。
「これにて失礼します」
親善大使として派遣が決まったラケールは表情こそ変えないが、はらわたが煮えくり返る思いで王宮を出るのだった。
「ラケール、昼間から情事ですか!」
「ウフフ、ベルどう色っぽい?」
外務省には戻らずそのまま屋敷に戻ったラケールさん。むしゃくしゃしているのか、いきなりソファーに座るベルナールにまたがり胸を開き強烈なアピールをしていた。彼にうっぷんを晴らしてもらいたいらしい。
「わわわ、い、一旦お下がりします」
周りの目を気にしない大胆なラケールの行動は若い侍女を慌てさせ、下着が見える程にずり上がったスカートを見せて空気を読めと言わんばかりだ。
「レイラ、あっ、思い出した。後で大事なお話があるの」
「わ、わかりました。失礼します」
レイラは現在17歳、濃い青黒い髪を持ち、愛くるしい童顔の彼女はラケールと同じく身長が高くスラッとしている。3年ほど前の時からベルナール専属侍女として働く没落貴族の娘だ。
「あら、見学しないの?」
「えっ!」
「ラケール、それはちょっと・・」
「うふふ、それじゃ後でね」
ラケールは鋭い眼光でレイラを見送った後、ベルナールに深く口付けをして昼間の情事が始まろうとしていた・・。
「嗚呼、あの目線は絶対ベル様との関係を知っているわ・・・」
慌てて隣の控え室に入ると、不安を隠せないのかレイラは机に突っ伏し落胆の表情を浮かべていた。だが少し経つと歓喜の声が漏れ出て嫌でも耳に入ってきた。ラケールはわざと大きな声を上げ彼女にアピールしているのだ。
「ああ、ベル、いいよ、いいよ(大声」
レイラ「・・・(恥」
彼女が待機している部屋は壁一枚挟んで隣の部屋だ。まるで当てつけのような艷やかな声は、ベルを絶対渡さないと聞こえてしまう・・。
「ラケール、声が大きいよ」
「いいのよ、後で確かめるためよ」
「え?、なにそれ」
「いいのよ、楽しみましょう。ねぇもっとちょうだい!」
「嗚呼、ラケール激しいよ」
「・・・ンン、・・ハァ〜(赤」
結構な時間の間、強制的に聞かされている歓喜の声は彼女に興奮を与えるのは必然だ。顔に紅が差し、熱い吐息が漏れ出てきていた。
「いいよ、ベルもっと、もっと、アー、いいよ〜」
レイラ「ンッ、ンン」
昼間の情事は激しさを増し、艶やかな歓喜の声はレイラの性欲を高めるばかりだ。冷静を装っていたが、彼と交わった記憶が蘇ると右手が無意識に秘部に向かって行くのだった。そして数十分後、たっぷり堪能したラケールは満足したのか、優しく柔らかな笑みを浮かべていた。
「ベル良かったよ」
「もう変わり過ぎだよラケール」
「なぁに〜、積極的になったら私のこと嫌いになっちゃった?」
「い、いやそうじゃないよ、凄く素敵だよ」
「うふふ、それじゃレイラの所に行かなきゃ」
服を着たままたっぷりの情事と余韻を味わい、下着を整えるとレイラが待機している部屋に入っていくラケール。
「レイラ、貴女も楽しんだかしら?」
「わわわ」
いきなり待機部屋に現れたラケールを見て驚き慌てて立ち上がるが、気にすること無くレイラの背後に回り密着すると、首筋に光る汗をペロッと舐め耳に熱い吐息を吹きかけた。
「嗚呼、お、おやめ下さい、ラケール様・・・」
「うふふ、身体は正直なのねレ・イ・ラ!」
「嗚呼、そこは、あっ、駄目・・・」
ラケールはレイラのスカートを捲り下腹部に指を滑らし、先程まで快感を呼び込み熱く湿ったその秘部の痕跡を確認するのだった。
「あらあら、随分と一人で楽しんだようねレイラ、この後はベルに火照りを冷まして貰うのかしら」
「・・・・・ま、まさか、そんな事は・・あ、あのお話とは・・」
「単刀直入に聞くけど、ベルとは結婚前からの関係よね〜」
「・・・・」
優しく優雅に話してはいたが、鋭い眼光は早く白状しなさいと語っていた。
この話は少し続きます。
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