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もっとすんごいのが現れた!

兎族の続きです。

「それでね、私はクーン精霊王国で獣人達を支配し統治しているの」


「そ、そうで御座いましたか。どうりでその様な高貴なオーラを身に纏っていらしゃるのですね」


「チッ!」


ニコロは先程と大違いだ。完全に服従してお伺いを立てていた。しかしどこからか舌打ちの音がした。


「シャルロッテ、あなたの口から状況を話してくれない?」


「畏まりましたアーリー様」


後ろで控えていたシャルロッテが前に進み出てきた。そこで初めてニコロは気が付いたようだった・・。


「シャルロッテが服従しているだと、信じられん(小声」


「おお、シャルロッテではないか、だが何故大人しい、凶暴で知られている君が」


「ニコロ族長、私は絶対的な強さと思っていました、獣人族の中で一番だと思っていました。ですがアーリー様の配下と戦い世の中が広いと改めて痛感したのです」


「ああ、俺も今日それを実感して痛感したよ」


強さが全てのこの国に入り込んだクーン女王とその配下達の圧倒的な実力に敬服している2人。しかしアーリーは何か別な違和感を感じていたようだった・・。


「あれれ、憎悪が渦巻く意識が、怒りを振りまいて歩いているわね」


ニコロは平伏し白旗を上げていたが、それとは違う物凄い憎悪を感じ、アーリーは辺りを見渡すのだった・・。


「スペン、君も出てきてアーリー様に挨拶するんだ」


「猫や人間に頭など下げられるか!」


何処からともなく声だけが聞こえてきた。先程から感じる不都合や、舌打ち、つぶやきの主であろう。そしてミーシャもジャガーは警戒するが先程とは桁違いに気配がわからないのか、四方八方に目を配らせていた・・・。


「彼は桁違いに気配を消せるのね、そっか隠れんぼなのね」


「ふ、ふざけるな。俺は最強のレプス族だ!」


「スペン、いいから姿を表すんだ。この方は獣人の女王様なのだ」


「ふん!俺を倒してからそういう口を利くんだな!」


「ミーシャ、右よ」


「ニャ!」


アーリーの右側に立っていたミーシャは、返事と同時に横蹴りを入れると、ズンと低い音が響いた。


「グハッ!クッソまだまだ!」


不意打ちを喰らったスペンは一旦距離を取り、相手を変えジャガーに攻撃を仕掛けるのだった。


「ジャガー、左後ろよ」


返事もせずに今度は電撃スタンを発射!バリバリと音がすると、ギャーと悲鳴が上がり、プスプスと燻る焦げ臭さを残しながら逃げ回るスペンの姿を捉えた。


「ほれ!アロー」


アーリーの手先が青く光ると、無数の小さな矢がスペン目掛けて飛んでいく。


「わわわ、クッソ!」


「ほれ!」


スペンは慌てながらアローを避け一旦踏みとどまるが、曲打ちアローはクイッと方向を変えお尻にブスブスと突き刺さった!


「ギャー、痛い、痛い!」


「きゃはは、おもしろーい(笑」


「アーリー遊んでいるのか(笑」


「アーネスト様、きっと戦意喪失を狙っているはずです(笑」


「そうニャ!降参するまで続くニャ〜(笑」


アーリーにとって全く敵ではないスペンを力でねじ伏のは簡単だ。だがこの状況を見てもなお反抗する奴は、ひたすら心が折れるまで非殺攻撃を繰り返し、本心から降伏させないと後々面倒なのだ。


「スペンちゃん、早く降参しないともっと酷いことになるわよ〜」


「う、煩い、我らレプス族は負けない!あの忌々しい人間なんて死ねばいいだけだ!」


あくまでも負けるつもりは無いらしい。その強情なスペンは直接アーリーに狙いを定め、フッと気配が無くなると音も立てずに、ナイフを握りしめ背後に近づいていくのだった。


「ふーん、気配を消したつもりなんだ。じゃこれで、スタック!」


「うっ、身体が動かない。なんだこれは・・」


「どうかしら、動けないでしょ!(笑」


「ふ、ふざけるな!」


アーリーは精神魔法を発動しスペンの動きを止めると何もない空間から声だけが聞こえていた。少し経つと混乱し集中力が切れたのか徐々に姿が見え始めた。


「ほんとプライドが高いのか、強情なのか降参しないねアーリー」


「そうね、そうだ!ヴァンあんた戦ってみなさいよ、あなたが先方ね!」


「えー、アーリー無茶振りすんなよ!」


いきなりヴァンフリートに挑戦権を譲るアーリー。言われた本人は嫌がっていたがミーシャからナイフを受けると、トコトコとスペンに近づいていくのだった・・。


「ほれヴァン、魔法解除するよ」


「はーい」


「ふ、ふざけるな!こんな小さな子供と何で戦わなきゃいけないんだ!」


激昂するスペンは小さなヴァンフリートを見ると、流石に戦う訳にはいかないと思ったのかナイフを取り上げようと近づいて行くが、どうにも捕らえることが出来なかった・・・。


「あはは、捕まえられるもんなら捕まえてみろや!」


「・・・クソガキ!」


スペンの動きは早く先回りして捕まえようとして手を伸ばすが、スルリとヴァンフリートは逃げていた。そして走り回り何度も空振りを繰り返していたが、突如立ち止まるとナイフをブンっと振りジョリッと足に生えている毛を剃った!


「ギャ!」


「おお、凄く切れるナイフだわ」


「ああ、俺の体毛を剃りやがって!(怒」


怒ったスペンはヴァンフリートに殴りかかるが、ヒョイと交わしながらナイフを持ち上げるとジョリッと今度は腕の体毛が剃られるのだった。


「きゃはは、ヴァンあなた上手ね」


「おう、任せろ!」


「何でだ、なぜ当たらないんだ・・殺すしかない!」


予言の力を使いこなす子供に好き勝手やられたスペンは、本気で殺そうと決意したが、その意識を読み取ったアーリーがヴァンと選手交代をすることに。


「あなた、本気で子供を殺すつもりなの?それじゃ私と代わりましょう」


「ふん、やられたらやり返すだけだ!殺してやる!」


「さて、終わりにしましょうか!スタン!ホール!グラビティ!」


「うわぁ!、なな、何だこれは」


アーリーは立て続けに魔法を発動。スペンはスタンの弓を受け全身硬直、床が変色すると不気味な仄暗い穴が現れズブズブと沈み始めた。


「何なんだあの力は、アーリー様は神なのか!」


「あのね〜、魔法って言うんだよ〜」


「グワァ〜、た、助けて、助けて!」


放置していたスペンはドンドン沈み、もう首の辺りまで埋まっていた。アーリーは、ニッコリ微笑みながらグラビティを解除すると、目の前に座り耳をクルクル指で絡めて遊び始めるのだった。


「負けを認めなさいよ、そうしたら助けてあ・げ・る!」


「死ね!」


ヴァン「無いわ〜」


「強情ニャ〜」


「うふふ、強情ね!それなら素敵な世界にご案内しましょう」


アーリーがそう言い放つと、スペンはそのままズブズブと沈んでいくのだった。そして1時間が経過・・・。


「ほれ、戻っておいで!」


アーリーが空間を開けるとスペンが這い出てきたが様子が変だった。物凄く怯えていた・・。


「ひゃ〜、ひゃ〜、光だ〜」


「最高でしょ漆黒の世界って!」


「申し訳ございませんでした!!」


スペンは強情に降伏せず埒が明かなかったので、真っ暗で音も光もない漆黒の世界に送り込んで1時間後ほど放置し、元の世界に戻すとアーリーに土下座をして完全降伏するのだった。


「ははは、漆黒の世界に1時間は辛かったらしいな」


「そうよ、普通30分も耐えられないわ」


「そんなにすごい世界なのですか?」


何も知らないユリアが興味があるのか聞いてきた。漆黒の世界の怖さを知らないようだ。


「それじゃ2分だけ体験するユリア?」


「うん!」


そして漆黒の世界に送り込まれたユリアが戻ってくると、プルプルと震え顔面蒼白になっていた。。


「びぇーん、怖いよー、怖かったよ〜、2分って言ったじゃない!」


「アーリーさんは1分で戻したわよユリア」


「へっ、あれで1分・・」


宇宙での行動訓練を行う場合、無反響の真っ暗の部屋で過ごす訓練をするが、鍛えられた兵士ですら数時間でギブアップする。しかしこの漆黒世界はすべての音を吸収するマイナスdbの世界だ、常人なら5分も耐えきれないのだ。ユリアは耐えられないと判断したアーリーは1分で戻したが当人は数十分と感じていたらしい・・。


「まぁ、いい経験になったでしょ(笑」


「もういいです!(オコ」


怖かった反動なのか、笑っているアーリーを見て怒っているのかはわからないが。ユリアは腕を組み、プンプンとご立腹のようだった。


--


「それじゃミーシャ引き続き頼んだわよ」


「分かったニャ!」


「アーリー様、クーンとの違いを嫌というほど知りました。どうか我らをお導き下さい」


「わかった、この国を良くしないとね。けど、ディスティアと争っているあいだは無理かも」


「はい、重々承知しております」


スペンを空間魔法で漆黒の世界に送っているあいだ、ニコロにクーン精霊王国の現状というか、一言でいうと違いを説明すると、自分達の今の姿は野蛮だと知りより良き未来へと導いてくれと頼むのだった。


「ヴァン頼んだから」


「おう、任せろ」


アーリーとアーネストを乗せたハミングバードは、静止軌道で待機している戦艦に戻っていくのだった。


--


「アーネスト、新しい戦艦を見に行かない、もう殆ど完成してる筈なの」


「はっ?」


クーンに到着して早々、アーリーは秘密裏に建造していた戦艦を見に行くと言い出したのだ。


「秘密保持を兼ねて黙って作ってた!」


「あー、だからウラッツェンが最近バタバタしてたのか」


そして旧首都近くのあの造船ドックに向かい、中に入ると見た事の無い戦艦が並んでいた。


「こ、これは、彼のオリジナルなのか」


「そう、ウラッツェンに好きに作らせたの」


アーネストが驚くのも無理は無い。姿を現したファーバー級は凄くシンプルな造形をしていた。長い砲塔の代わりに円盤型の砲台、突起部を極力減らし少し低めの艦橋は後ろに伸びるデザインだ。


「アーリー様!先行して作らせた10隻はいつでも発艦可能です!」


突然訪れたという知らせが届いたのか、ウラッツェンは慌てて走ってくるのだった。


「アーネスト、飛ばしましょ!」


「おお、いいね。ウラッツェン中でスペックの説明頼むね」


「はい、喜んで!」


そして10隻の新型艦はゆっくりとドックから出てくると、テストを行いながら宇宙へと上がっていく。


「この船の特徴はですね・・・」


ウラッツェンの説明によると、円盤型砲台は試作を兼ねて5隻作ったそうだ。何やら技術的には長距離狙撃性能を除けば威力的には変わらず、防弾性能も高いと言われ、要はステルス性能を上げる為に突起を極力減らしたらしい。


「ステルス性能が上がるのか、戦い方が変わりそうだな」


「この砲台をすべてに採用しようかと思ったのですが、予算が足りなくて5隻だけになりました・・」


円盤型砲台は円形であるが故に加工が難しく、壊れた際の修理に時間が掛かるので、5隻の試作艦だけで諦めたそうだ。


「実践に投入して使わないとわからないな」


「取り敢えず隠密行動には長けていますので、上手に使って下さい」


この直線的なステルスデザインは星団戦争で大きな戦果を上げることになるが、後半戦に突入すると対策として電磁ピンガーが開発されそのデザインに意味がなくなり、元の戦艦らしい姿に戻るのだった・・。

宜しければブクマ評価おねがーい!

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