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5.魔物の住処

「訓練終了!お疲れ様!全員ゆっくり休めよ」


4人組事件から3日後、故意に怪我をさせられたり、罵倒されたりすることはないが、陰口が

絶えない日々を送っている。


今日も素振りと走り込みを重点的に訓練をし、疲れた体を休ませようと思って個室に向かおうとした。


その時だった。


「おっと、言いそびれるところだった。みんな集まってくれ」


とソバルトが言った。歩いていた人も、友達同士で喋っていた人も足を止め、俺と同様にソバルトの方へ向かう。


「よし全員集まったな。今から大事な話をする」


ソバルトからの大事な話なんて初めてなので一瞬騒がしくなるが、すぐに静かになる。


「お前たちには明日、大迷宮『深淵の古城』に言ってもらう」


まわりがざわつく。


この世界には4種類『魔物の住み家』と呼ばれる場所がある。


それは、ダンジョン、迷宮、難関ダンジョン、大迷宮だ。


詳しく説明しよう。


まずは、魔物についてからだ。


魔物とは、森などの、人があまり立ち寄らないような場所や、ダンジョンなどの『魔物の住み家』と呼ばれる場所に生息している。


魔物は本能のまま人を襲い、強さによってランク分けされている。


最低がFランクで、最高がSランクだ。


魔物の発生や生態についてなどはよくわかっていないが、知性のある魔物もいるようだ。


では、お待ちかねの『魔物の住み家』について説明しよう。


まずはダンジョンからだ。


ダンジョンとは、この世界に数え切れないほどある、そして、唯一、一般人の立ち入りが許可されている魔物の住み家


F〜Dランクの魔物が生息している。


階層数は10階層〜15階層程度で下の階に行けば行くほど強力な魔物が出る。


次に、迷宮について説明しよう。


迷宮はダンジョンと同じく、10〜15階層ほどの構造で、F〜Dランクの魔物が出てくるが、中がダンジョンよりも複雑で落とし穴などの物理的トラップがある。


その代わり、ランダムで宝箱が出現し、その中にはレアなポーションや武器なんかが入っていることもあるらしい。


ここには騎士団や冒険者ギルドに登録している人じゃないと入ることができない。


冒険者ギルドへの登録は誰でもできるが登録したばかりの頃はF級からしか始めることができない。


依頼をこなすごとにランクは上がるらしい。


ちなみにここに入場することが許可されるのはE級からだ。


次に説明するのは、難関ダンジョンだ。


難関ダンジョンは、その名の通り、ダンジョンの難しいバージョンだ。


この世界に、30個程度しかないらしい。


難関ダンジョンは、20階層以上からなり、出てくる魔物はCランク以上の魔物だ。


ただ、ダンジョンと同じく、迷うことのないシンプルな構造で、トラップも何も無い。


ここに入るにはC級以上が必要だ。


最後に説明するのは、カケルたちが行く大迷宮だ。


大迷宮は世界にたった10個しかない。


ただ、大迷宮は他の魔物の住み家とは比べ物にならないほど凶悪だ。


大迷宮は、100階層からなると言われていて、誰も最下層に到達したことがない。


1〜10階層ぐらいまでなら、F〜Cランク程度の魔物が出てきて、トラップもそこまで凶悪なものではないが、11階層から、格段に迷いやすくなり、トラップも、知らない場所に転移させられるものや、下がマグマの落とし穴、他にも、魔法が飛んでくるトラップもある。


出てくる魔物もBランク上位の魔物となり、最下層では何が待ち構えているのかわからない。


迷宮や、難関ダンジョンは、中級者向けの『魔物の住み家』だが、大迷宮は、『魔物の住み家』としての格が違う。


そんなところに明日行くと言われたのだ。


正直、生きた心地がしない。


ソバルトが口を開き、まわりが静かになる。


「まぁ、明日、深淵の古城へ行くと言ったが、迷宮に潜るのは、明々後日だ。それまでは、迷宮付近の宿に泊まって、武器や食料を近くの広場で買わないといけないからな。」


「団長、質問です。」


例の四人組の頭の、佐竹大河さたけたいがが手を上げた。


「大牙か。なんだ?」


「その迷宮に団長は来るんですよね?それ以外の騎士団の人たちは来るんですか?」


「私は行くが、城や、王都の見回りがあるから、団員20名ほどしか連れていけないな。副団長にも残ってもらう」


「そうなんですね……」


「なに!心配する必要はない。日頃の訓練の成果がどれくらいあるのかを見るだけだ。しかも、召喚者であるお前たちは強い。そう簡単に死ぬことはないだろう」


「ありがとうございます。自信がつきました。頑張ります。」


「おう!頼りにしてるぞ!他に質問はあるか?——ないみたいだな。じゃあ、明日は早いし、今日はゆっくり休むように。解散」


そう言ってソバルトは去っていった。


みんな不安そうな顔をしている。


その雰囲気を変えるように、龍輝が口をひらいた。


「みんな、さっき騎士団長が言っていたように俺達は強いし、訓練もしてきた。だから、絶対大丈夫だ。みんなにもしものことがあっても俺が必ず守る。だから、自信を持とう!」


この龍輝の声がけで、暗い空気がいっきに変わり、みんな「おう!行くぞ!」「俺達ならできる!」などと言っている。


たったこれだけの言葉で人をこれだけ変えてしまうんだ。本当に龍輝はすごい!


と思いつつ、何もできない弱い自分にため息を付きながら自分の部屋に戻る。


本当に俺は何もできない。でも、生き残るには、頑張らないと……!


そう思い夜ご飯を食べに俺は食堂へ向かう。


だがカケルはまだ知らなかった。これから迷宮で起こることに……

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