3.ステータス確認
翌朝、俺たちは、最初に召喚された大広間に呼び出された。
なぜここに俺たちが呼ばれているのか……
それは今日、これから待ちに待った異世界恒例イベント『ステータス確認』が行われるからだ!!
この大広間、召喚されたときはいきなりのことで混乱していて、しっかりまわりを見ていなかったが、今見てみると、きらびやかな装飾や大きな絵画などがある。
これほど豪華で目立っているのに、気づいていなかったなんて……てか、みんなよりは落ち着いていた自信がある俺がこれなら、みんなは……?
まわりを見ると、みんなは、ここはどこだと言うような目で周りを見回していた。
「国王陛下がご入室されます」
扉のそばにいたメイド2人が言った。
身長の2,3倍ある扉がゆっくりと開き、モルドたちが入ってきた。
今日は左隣にきれいな緑色の目をした金髪の女の人がいる。おそらく后なんだろう。
なんでわかったかって?そういうのがテンプレだからだよ。アタク舐めんな。
右隣には金色の鎧を身に着けた、見るからに強そうで、灰色の瞳で銀髪の兵士を連れている。
この人は騎士団長だな。テンプレ的に。
国王が壇上へ上がり、口を開いた。
「皆さん大変お待たせしました。皆さんの訓練の監督になる騎士団長の自己紹介をしてから、皆さんに自身のステータス確認を行ってもらいます」
「お前たちの稽古をつけることになった、騎士団長のソバルトだ。これからよろしくな。早速だがお前たちのステータスを確認をするぞ」
俺たちの手元には、いつの間にか青色の丸い大きな宝石が埋め込まれた腕輪が配られていた。
「その腕輪をはめて、青い宝石にむかって『ステータスオープン』と唱えれば自分のステータスが見れるぞ。腕輪の大きさは勝手に調節されるから大きくてもち問題ないぞ。小さかったら俺が取り替えるから言ってくれ。」
みんな自分に配られた腕輪をはめ、「ステータスオープン」と言っている。俺も腕輪をはめて、「ステータスオープン」と唱える。
まあ、こういうときにオタクの俺がやばいチートスキルを持っているのはお約束だよな。
ゴクリとつばを飲み込み、ステータス画面を凝視するとそこには……
======================================真條カケル 16歳 男 レベル1
職業 重力使い
筋力 1
体力 5
魔力 4
敏捷 8
魔抵抗 2
幸運 10
スキル 重力操作、言語適応
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と表示された……よし!なんか職業は強そうなの来た!
でも、なんか数字がおかしくないですか?筋力1?なんだか、めちゃくちゃ、ものすごく、平均以下な身体能力な感じがするんですが?
「よし。全員確認し終わったか?では、職業について詳しく説明しよう。まず職業は、ざっくり3種類ある。『戦士系』、『魔法系』、『生産職』だ。他にも勇者などの『特別職』などもあるが、数が少ないためここでは説明を省こう。この世界で最も多いのは生産職だ。その次に戦士系、次が魔法系だ。戦士系や魔法系でもその中の一般職の人ならたくさんいるが、レア職の人は、場合によっては100万人に一人というぐらい珍しい職もある。」
そのように、ソバルトが話しているとき、俺に話しかけてくる4人グループがいた。いつも教室でコソコソ言っている男子だ。いや、それだと、たくさんいるな……。話を戻そう。
「おい真條、お前のステータス見せろよw」
グループのうちの一人がそう言い、表示中のステータスを覗き込もうとしてきた。
「えっ、ちょっ……」
と、抵抗するも、筋力が自分の数倍もある相手に勝てるはずもなく、強引にステータスを見られてしまった。まだそれだけじゃ終わらない。なんと大きな声で
「お前、身体能力、全然高くねえじゃん。なんで勇者の同士がこんなによわいんだ〜?」
「重力使いって明らかに魔法系の名前なのに魔法4?戦士系の俺ですら魔法40あるぞw」
などと言われる。まわりからもクスクスと笑い声が聞こえてくる。その雰囲気を詩葉や凛華は気分悪そうに眉間にシワを寄せている。
そんな悪い空気が続いていたところ、みんなのステータスを見て回っていたソバルトが声を上げた。
「おお!これはスゴイさすが勇者様だ!」
どうやら龍輝のステータスを見て驚いたらしい。
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天道龍輝 16歳 男 レベル1
職業 勇者
筋力 200
体力 200
魔力 200
敏捷 200
魔抵抗 200
幸運 200
スキル 全属性適応、全属性耐性、属性複合攻撃、複合魔法、魔力探知、超加速、剛腕、剣技、未来予知、起死回生、気配察知、気配隠蔽、魔力探知
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「スキルは複数持っている人が多いが、3,4個が普通、多くても7,8個なのにこんなにもスキルを持っているとは。羨ましくてしょうがない!しかも身体能力が常人の20倍とは……!お前たちは鍛えがいがありそうだな」
「あはは〜ありがとうございます」
ねえ、今聞き捨てならないこと言ったよね。俺への死刑宣告したよね!?身体能力200が常人の20倍?俺、全部平均以下じゃねえかよ……終わったわ。
「おお!先生もすごいですね!」
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板倉直也 27歳 男 レベル1
職業 呪術師
筋力 100
体力 100
魔力 100
敏捷 100
魔抵抗 100
幸運 100
スキル 剣技、体術、呪術払い、物理耐性、真実の目、剛力
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俺へのダメージがどんどん増えていく。龍輝もチートだったが、先生もかなりチートだ。
まあ、でも俺には最後の希望の重力操作が残ってるし?だから俺も大丈夫だ、よね?
「話が変わるが、戦うと決めたお前たちはこれから俺達から訓練を受けてもらう。その時の参考にするから、自分のステータスを俺に見せてくれ。記録をする。」
みんな話しながら、ぞろぞろとソバルトの前に列をつくる。俺も列に入る。
俺がソバルトにステータスを見せると、ソバルトは大きく目を見開いたあと、目をこすりステータスを見る。数値が変わるはずもなく、ただ呆然とステータスを見つめる彼と、沈黙の時間が続いた。しばらくして、ようやくソバルトが口を開く。
「ええと……身体能力は、鍛えることで伸ばすことができるから訓練すれば自然と上がるはずだ……えっと、それでだな……重力使いについてお前は今、めちゃくちゃ強いスキルかもって思っているんだろうが、そのスキルは触った相手の重さを10%増減させるスキルなんだ……ステータス画面のスキルをタッチしてみろ」
彼に言われた通り重力操作にタッチすると
【固有スキル:重力操作(Lv.1)】
【効果:対象の重さを10%増減させる。射程:接触のみ】
ああ、終わった……
「10%……? 10kgの荷物が11kgになるだけかよ」 誰かが吹き出した。
「ゴミスキル確定だな」「オタクの分際で重力とかカッコつけてそれかよ」
うるせぇ……自分でもわかってるわ。
「ええと、だからな……」
言葉をつまらせる彼に
「大丈夫です。」
と、とても生きているものが出せる声ではない声で、返事をし、一人で、用意された自室に向かう。
結局俺は、この世界に来てもお荷物のままなのか……
自室に入り、部屋の隅にうずくまり、まるで魂が抜けたかのように、上を向いて口を開ける。
あとで龍輝や詩葉、そしてあの4人組までもが様子を見に来てくれたが、カケルは、まる1日部屋から出てこなかったのだった。
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