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「❤️彼女の妹 彼女の親友 Ⅰ」黒のストッキング姿の長身美少女の彼女の妹が突然部屋に上がり込んだ夜。机の下で絡みつく白い脚、迫るゴスロリ。  作者: ⚓フランク ✥ ロイド⚓
第4章 彼女の姉 彼女のママ

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第9話 最後のミネソタ事件

《《2026年12月22日》》

《《凜花と彩花》》


 マリーたちの調査で、いろいろなことが凜花にもわかってきた。


 姉ちゃんの起こしたミネアポリスの中学の暴行事件の概要、それに関わってきた人たち。メアリー、ミシェル……。


 しかし、これだけだろうか?姉ちゃんが、9ヶ月前の四月、渡米する時、悠馬の部屋で語ったこと。マリーさんたちの調査。これで全てだろうか?と凜花は思った。


(遥は、羽田で、「……昨日の話だけで、メンタルがタフなお姉さんが変わるはずがないわ」と言ったわ。何かあるのよ!ミネアポリスに居たミシェルも、メアリーも、ポール巡査という人も、パパもママも知らない何かがあるのよ!……今、NYにいる人間で、その話を聞き出せるのは、妹の私だけ……)


 凜花は、一人で決心して彩花に電話した。


「彩花姉ちゃん!」

「あら、凜花、しばらくぶりに話すわね。みんな元気?東京は寒い?日本のクリスマスは……」※彩花は凜花がNYに居ることを知らない。


 凜花が彩花の言葉を遮った。

「姉ちゃん、私はあなたと話したい」

「え?次の帰国予定は、来年で……」

「今、私はNYにいるの……会って!今日、会って!」

「え?なぜ、凜花がここに居るのよ……」

「私は……私たちは調べたのよ。ミシェルにも話を聞いたわ」

「……ミシェルと会ったの?」

「ええ。姉ちゃん、ミネアポリスで何が有ったの?中学の事件だけじゃないでしょ?何があって、姉ちゃんはこうなっちゃったの?事件のせい?メアリーという人のせい?私は、わかんない。でも、姉ちゃん、妹の私にだけなら話せるでしょ?ミシェルも、メアリーも、ポール巡査という人も、パパもママも誰も知らないことを」


(凜花が一人でそんなことをできるわけがない……今、凜花は『私たちは調べた』と言った。私とメアリーに関して、誰かが調査?……財団に報告しないと……)


 彩花は、真一を食事したレストランを凜花に教えた。夕方会うと言った。


 凜花は、マリーに送ってもらった。「凜花、一人で大丈夫?レストランの外で、見張ってる?」とマリー。

「……ホテルに一人で帰れるかどうかわかんないから……マリー、待っててください」

「ラジャー」


 彩花は、マディソンアベニューのレストランで凜花に会った。


 凜花は、真理子たち六人と一緒に来て、探偵事務所がいろいろ調査したことを彩花に喋った。ミシェルに会って、話を聞いたことも喋った。ナノ・ピコの話もした。非常に、不用意に。


 彩花は驚いた。対策を考えないと。

 しかし、凜花は執拗に、ミネアポリスの話をする。


 彩花は、意を決して、凜花に2018年12月8日の夜起こったことを話しだした。


(凜花が誰かに言うこともないだろう。たとえ、パパにさえも……だから、彼女には知っておいてもらう。私が背負ったものを彼女にも背負わせよう)


「凜花、あなたの言う通り、ミネアポリスで起こった出来事は、中学校のミシェルの事件だけじゃないの。その後、翌日の真夜中に起こったことの方が私に強く影響したのよ。あなたはそれを知りたいの?あなたは、それを知ったら……」

「姉ちゃん、話して!」

「いいわよ。覚悟なさい……それは、ミシェルの事件の後、ママに連れられて、家に帰った後の出来事……」


《《2018年12月8日 夜》》


 ミネアポリス署から放免されて、私はママに連れられて自宅に帰った。ママは、ミッシェルの件で衝撃を受けていたけど、不思議と私はなんとも思っていなかった。残念だったのは、豚野郎二人の陰茎を阿部定みたいに抉ってやれなかったことだけだった。


「彩花、今日は早く寝ましょうね……鎮静剤を飲む?」とママが心配顔で私の顔を覗き込む。要らないわ、と思ったが、ママが飲ませたがっているのがわかったから、鎮静剤を飲んだ。


 でも、眠れなかった。あのクソ豚野郎!白人と黒人のチビどもの顔が目に浮かぶ。恐怖におののくミシェル。映画じゃないんだから、ミシェルも二人の股ぐらを蹴飛ばせばよかったんだ。強い男子をか弱い女子、強姦される女子。定型的だわ。あの二人、去勢されればいいのに。


 いろいろ考えていたら、12時を過ぎていた。外から物音がした。雨樋の縦管を伝って昇ってくるような?


 私は、パパの書斎に行った。机の一番上の引き出しから、〔S&W M&P380 Shield EZ〕を取り出した。ミネアポリスに来てすぐに、パパが買ってきた銃だ。女性でも使えると銃砲店で勧められたらしい。


 それをパパが見せたら、ママは押しのけて、見えない所にしまってちょうだいと言った。書斎で私は、パパに使い方を教わった。小さいとは言っても、私の手に余る大きさ。銃身は青とシルバーのツートンだ。


 使い方は簡単だった。グリップ後部を握ると解除され、発射可能になるグリップセーフティで、女性の握力でも解除される。セーフティーボタンとか、逆上したら操作できないじゃん?スライド上部が隆起して弾が入っていることを触感・視覚で確認できるローデッドチャンバーインジケーター。装弾されていた。


 パパとママの寝室は、私の寝室の対角線上にある。音はそっちから聞こえた。窓が静かに開かれる音がした。ちょっと震えた。脚が前に出ない。私の寝室前のコリドーで数分間立ちすくんでしまった。しっかりしろ、彩花!自分を叱咤した。


……音はママの寝室から。何か争う音がする。そっとコリドーを歩いた。寝室のドアのノブを音のしないように回した。


 ベッドを見た。男がズボンを下げて、ママにのしかかっていた。頭に血が上った。足音を忍ばせて、ベッドの男の背後に近寄る。風がカーテンを巻き上げて、月光が差し込んできた。男の顔がハッキリした。


……男は隣家の長男、大学生のピエールだった。クソっ!同じ日にこんなことが起きるの?


 私はS&Wを握りしめた。ピエールの後頭部に狙いをつける。距離は2フィート。はずすわけがない。トリガーを最後まで引ききった。スライドが自動でリコイルする。発射された。次の弾が装填される。


 ピエールが横倒しになった。股間から彼の陰茎がのぞいている。まだ、勃起していた。


「ママ、犯されたの?挿入された?」

「……」ママは返事できない。頷くだけ。

「シャワー室!」と寝室のバスルームを指さした。「シャワーヘッドを外して、アソコに突っ込んで、水流最大にして洗い流すのよ。射精された?」

「……」ママは首を縦に振る。射精されたんだ!困った!

「私は警察に電話する。ママは何も言わない。挿入手前で私が射殺したと言うのよ!わかった!」

「……」ママは首を縦に振る。


 ママがシャワーしている間に私は警察にウソの泣き声で通報した。パニックを起こした中学生。


 ママがシャワー室から出てきた。


「ママ、良いわね?あなたは犯されていない。寸前のところだった。娘が書斎から銃を持ってきた。娘は、パニックになって、思わず銃を握りしめた。事故で、グリップセーフティが解除され、はずみで銃が暴発した。いいわね?わかった?」

「……彩花、なんで、そんな作り話を……」

「強姦だったら面倒でしょ?暴行事件なら簡単。パパも気が楽。隣家の白人の大学生に強姦された日本人の妻ってレッテルをママもパパも貼られたくないでしょ?いいわね?私はこれから泣いてパニックになるから。うまく演技するのよ。それと、英語はたどたどしく、いかにも日本人の英語苦手な奥さんですって話し方をするの」

「……」ママは首を縦に振る。


 10分くらいで警察が来た。


 二階にドタドタ入ってきたのは、ポールだ。泣きわめく私を見て、「お嬢ちゃん、またあんたか?」と言った。


《《メアリーとアヤカ》》


 最初の事件から、わずか十数時間後。


 隣家の長男、ピエールの頭部をパパのスミス&ウェッソンで撃ち抜いた彩花は、再び第5分署の取調室に座っていた。


 廊下ではポールが頭を抱え、署内は「同じ少女が二日連続で、今度は射殺事件を起こした」という異常事態に騒然としていた。

そんな中、取調室の重いドアが開き、一人の女が入ってきた。


 ポールから「イカれた理解者」と称された受付のメアリーだった。


《《メアリーと彩花》》


 メアリーは手に二つの紙コップを持ち、一つを彩花の前に置いた。中身は、署内の安っぽい自動販売機のココアだった。


「ポールは外で死にそうな顔をしてるわよ。……二日続けてなんて、記録更新ね。アヤカ」


 彩花は視線を上げなかった。指先はまだ、銃を撃った際のリコイルの感触を覚えているかのように微かに震えていた。


「……ポール巡査は、私を『パニックを起こした哀れな少女』だと思いたがっている。でも、あなたは違うんでしょ?」


 メアリーは彩花の向かいに座り、楽しそうに目を細めた。


「ええ、違うわ。ポールの背骨を数えるより、今のあなたの頭の中を覗くほうがずっと面白そうだもの。……昨日はナイフで太腿。今日は銃で後頭部。ずいぶんと『進歩』したじゃない?」


「……ナイフは、筋繊維の抵抗が不快だった。銃は、もっと合理的。引き金を引くだけで、視界から不純物が消えるわ」


 彩花の冷徹な言葉に、メアリーは「フフッ」と喉を鳴らして笑った。


「外科医みたいな言い草ね。いい? アヤカ。この街の連中は、あなたを『トラウマを負った被害者』という箱に押し込めて安心しようとする。でも、あなたのその目は、そんな窮屈な場所には収まらない」


 メアリーは身を乗り出し、彩花の頬を、解剖するような手つきでそっとなぞった。


「あなたは、彼らを『人間』だと思っていない。……そうでしょ?」


「……バグだと思っているわ」


 彩花が初めて、メアリーを真っ直ぐに見つめた。その瞳には、14歳とは思えない漆黒の虚無が宿っていた。


「ママにのしかかっていたピエールも、昨日の豚野郎たちも。……彼らの股ぐらについているあの醜い肉塊が、世界を壊すバグなのよ。私はただ、それをデバッグしただけ」

「最高だわ」


 メアリーは恍惚とした表情を浮かべた。

「ねえ、アヤカ。あなたがいつか、その『デバッグ』を科学に変える日が来たら、私に教えて。……人間の脊椎がいくつあって、どこの神経を切れば、その『バグ』が永久に止まるのか。あなたなら、完璧に証明できるはずよ」


「……ええ。いつか必ず」


 二人の間に、奇妙な、そして血の匂いのする友情のようなものが芽生えた瞬間だった。


《《ポール》》


 ドアが乱暴に開けられ、ポールが入ってきた。


「メアリー!お前、勝手に入って何してやがる!」

「あら、怯える少女を慰めていただけよ。……ねえ、アヤカ?」


 メアリーはウインクをして立ち去った。


 ポールは彩花の前に座り、吐き出すように言った。


「……お嬢ちゃん。またあんたか。……いや、今度は『事故』だってな。ママがそう証言してる。だがな、俺の目は誤魔化せんぞ。あんたのあの落ち着きようは、到底パニックを起こしたガキのそれじゃない」


 彩花は再び「たどたどしい英語」を操る、か弱い日本人少女の仮面を被った。


「……ポール巡査。……怖かったの。……手が、勝手に動いて……」


 ポールはその芝居を見抜きながらも、深く溜息をつき、書類に「暴発による事故」と記入し始めた。


《《2026年12月22日、レストラン》》

《《彩花と凜花、その後》》


 彩花が語り終えた。


 凜花はしばらく何も言えなかった。


「……姉ちゃん、ママは……」

「もちろん、ママは知ってる。当事者だもの。ママと私、二人だけの秘密だった。パパは知らない。これからも知らなくていい」


 凜花の目から涙が出た。彩花はそれを見て、少しだけ目を細めた。感情ではなく、確認するように。

「凜花、泣かなくていい。私は後悔していない」

「……姉ちゃんは、ずっと一人で……」

「一人じゃなかったわ。ママがいた」


「姉ちゃん……研究、やめられないの?」

「やめられない」

「……わかった」


 凜花が立ち上がった。彩花も立ち上がった。

「帰り、一人で大丈夫?」と彩花が聞いた。

「マリーが外で待ってる」

「……そう」


 彩花が小さく笑った。何かを確認したような笑い。

「凜花、真理子という人に伝えて。『よく調べたわね』って」


 凜花はドアを出た。マリーの車に乗り込んだ。夜のマンハッタンが流れていく。


 凜花はずっと、窓の外を見ていた。

【注意・免責事項】


※本作に登場するすべてのキャラクターは18歳以上です。

※制服・女子高生風衣装・部活動ユニフォーム等の描写はすべて演出上のコスプレ要素であり、現実の未成年を描写したものではありません。

※当シリーズの作品はすべてフィクションであり、実在の事件・人物・団体とは一切関係ありません。

※作中に描かれる出来事は、詳細な描写を意図的に抑制しています。

※本作は医療・倫理・社会的テーマを扱うフィクションであり、特定の思想・行為を推奨するものではありません。

※性的・暴力的要素を一部含みますが、描写は必要最小限に留めています。

※苦手な方は閲覧をお控えいただくことをおすすめします。

※本作は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。

※飲酒・喫煙の描写が含まれます。

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