表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「❤️彼女の妹 彼女の親友 Ⅰ」黒のストッキング姿の長身美少女の彼女の妹が突然部屋に上がり込んだ夜。机の下で絡みつく白い脚、迫るゴスロリ。  作者: ⚓フランク ✥ ロイド⚓
第4章 彼女の姉 彼女のママ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/95

第1話(5) その夜の明美

 私は、自分自身が汚らしいオンナだと思っている。


 鏡を見るたび、吐き気がする。


 ウェーブのかかった栗色の髪。男の視線を吸い付かせる、不必要に豊かな胸の肉。歩くたびに波打つそれは、中学の頃から私を『エロい女』といわれた……エロい、だけ?……。


 誰も、私の内面なんて見ない。


 この身体を見た男たちは、誰もが欲望に目を濁らせ、私を都合の良いメスとして消費した。


 そして、唯一の親友だと思っていた高橋彩花は、そんな私の隙を見逃さなかった。


 私が本気で好きになった彼氏を、彼女はその清楚な仮面の裏で、いとも簡単に奪っていった。


「明美、仲良くしよう」そう言って近づいてきた彩花の笑顔の裏にあった、底知れない毒。


 彼女に大事なものを掠め取られて、私は自分は奪われ、弄ばれるだけの、女なのだという無力感に飲み込まれていた。


 本当は、純粋な愛を求めているだけなのに。


 だけど、この身体は、それを許さない。私は一生、外面と内面の矛盾に引き裂かれて、男たちに蹂躙され続けるのだと思っていた。


 ついさっきまでは。


 真理子が私に言った言葉が、まだ耳に残っている。


「ゴシックロリータですか?……私にロリってイメージ、あります?」

「あなたの内面は、ロリータそのものじゃない!」


 男を釣るためのエサ。そう割り切って身に纏っていた私のタイトなニットのミニスカート。真中真理子。彼女は、自分でも気づかなかった私を見透かして言い放った。


 アンヌは私を素っ裸に剥くと、彼女の膨大なワードローブから、フリルとレースが狂気的に重なった漆黒のジャンパースカートを取り出した。


 それは、私のような淫らな女には絶対に似合わない、禁欲的でクラシカルなゴシック・ロリータの衣装だった。


「明美、息を吸って」


 背中のコルセットがギュッと締め上げられる。細いウエストが極限まで絞り込まれ、その反動で、ブラウスの胸元から巨大な双丘が、まるで暴力のように押し上げられた。アンヌは私の髪を落ち着かせ、ヘッドドレスを結びつけた。


「最高じゃない!」真理子が手を叩いて喜んだ。

「そうね、『淫らな清純』そのもの」


 真理子はそう言って、見知らぬスーツの男性、吉澤悟を部屋に呼び出すと、「よければどうぞ。私のお古ですけど」という言葉を残して。


 バタン、と重いドアの音が響き、真理子とアンヌが出て行った。


《《その夜》》


……そして今、私は密室で、この見知らぬ男性と二人きりになっている。


 密室に残されたのは、私と、吉澤悟という見知らぬ男性だけ。


 彼は真理子の部屋の隅の木のボックスを開けて、中身を探っている。真理子の部屋なのに……勝手に……。


「おかしい……置いていったストロボアンブレラ、レフ板、三脚は……あった!」と嬉しそうに笑った。


 そうか、元カレだから、彼の物が置いてあってもおかしくない……けど、歯ブラシとか下着じゃなくて、ストロボアンブレラ、レフ板、三脚……。


 気まずい沈黙が流れた。


 彼は私に見向きもせず、手慣れた動作で三脚の脚を伸ばし、ストロボを組み立て始めた。カチャカチャという無機質な金属音だけが、広い部屋に響く。


 私は、ベッドの端に腰掛けたまま、膝の上で両手を固く握りしめていた。


 息が苦しい。


 極限まで絞り上げられたコルセットが、私の無駄に大きな胸を暴力的なまでに押し上げている。


 フリルとレースで過剰に装飾された漆黒のゴスロリ衣装は、私のような女には似合わない。ただの滑稽なコスプレだ。


(……どうせ、この人も同じなんだ)


 機材のセッティングを見るうち、私は目を伏せた。


 私の身体を見た男たちは、いつも同じ目をする。彩花に奪われたあの彼氏も、悠馬以外の男たちも。私の内面なんて誰も見ない。ただ、都合の良い女として消費するだけ。


 真理子は「救済してくれる」と言ったけれど、結局は体を差し出すことには変わりない。どうせ、私は無抵抗なのだから。


 私はゆっくりと息を吐き、自分からジャンパースカートの裾を少しだけめくり上げ、太ももを露わにした。そして、男が喜ぶ女の顔を作って、少しだけ脚を開き、彼を見上げた。


「……あの、好きに、していいですよ。脱いだ方が、いいですか?」


 彼がカメラを置き、ズボンのベルトに手をかける音を待った。


 しかし、聞こえてきたのは、金属のファスナーの音ではなく、レンズキャップを外す音、三脚に据えた一眼レフカメラの奥から、私を見つめる吉澤悟の姿だった。


「なぜ、脱ぐんです?」

「え……?」

「そのままで……ポーズも要らない……」


 私は、慌てて脚を閉じ、めくり上げたスカートの裾をギュッと握りしめて隠した。


 パシャ、パシャ、パシャ……。


 いきなりシャッター音が響いた。


……え?あれ?……そう言えば、真理子は、電話で彼に『あなたに見せたい〔極上の女神〕がいるの』としか言わなかった。


 彼はこの部屋に来て、「め、女神……」としか言わなかった。真理子は彼に、「悟、どう?彼女?まず、この部屋で撮影会をしてみる?」としか言わなかった。「明美、彼は吉澤悟。悟、この美女は神宮明美」と名前を紹介しただけ……この人、真理子が撮影会をセッティングして、私をモデルで用意したからと勘違いしてるの?


 でも、真理子は、「明美、心配しないで!この人、オタクだから、あなたを襲わないわ。でも、インポじゃないわよ。この人、もしかしたら、セックスの話じゃなくて、あなたの凹の外面と内面を埋めてくれる凸かもしれないわよ。でも、あれもうまいわよ。私のお古ですけど、よろしければどうぞ、召し上がれ」と言った。


 真理子は、私になにをしろと?彼になにをしろと?ほんっとに、撮影会なの?


「そうそう……その状況が把握できないという困惑した表情がいい!」


 パシャ、パシャ、パシャ……。


 連続したシャッター音が、静かな部屋に響き渡った。


 バシャ、バシャ、バシャ、バシャ……。


 強烈なストロボの光が焚かれる。


「神宮さん、自分の好きなポーズをとって」

「ハイ……」


 私は混乱していた。彼は私に一切触れてこない。服を脱がそうともしない。


 無音の部屋で、彼が撮影するたびに、バシャ、バシャというしっかりしたシャッター音が響く。


「吉澤さん……それは、デジカメ一眼ですよね?シャッター音がしてますけど……」

「シャッター音をサイレントにできるけど、モデルさんは、このメカシャッター音が聞こえるのが良いみたいなんだ。ああ、私、撮られてるって感じるそうだ」

「なるほど……あの、吉澤さん……」

「悟で結構です。私も明美と呼びます……ポーズを変えて……」バシャ、バシャ……。


「悟、私はこの衣装の撮影会でここに居るわけではないんです……」

「まあ、真理子の魂胆は誰にもわかりませんからね。じゃあ、どういう事情でここに居るんですか?」バシャ、バシャ……。


 私は、撮影されながら、高橋彩花との確執、彼女と私の外面と内面の相似とその結果の真逆の惨さ、彩花の企みなどを撮影の中で、ポツポツと悟に話した。


「ふ~ん、その化学論文の話は理解し難いが、明美と彩花という女性のことはわかりました」バシャ、バシャ……。「なるほど……なんとなく、真理子の魂胆がわかったような……」


 真理子の魂胆?何がわかったんだろう……でも、だんだん、シャッター音が私をおかしくしていった。もっと撮られたいと。


「明美、さらに、自分の好きなポーズをとって」

「……」


 私は部屋を見回した。部屋の隅にギターが立てかけてあるのに気付いた。

「悟、ギターを演奏してはどうでしょうか?」

「おお!それは素晴らしい!ぜひ、お願いします」


 私は、ダイニングの椅子を部屋の中央に持ってきて、スペインの作曲家フランシスコ・タレガが1896年に作曲した『アルハンブラの思い出』を演奏することにした。今日の真理子たちの演奏に比べれば拙いが、それほど酷いとは思わない。


 私は、ダイニングの椅子を部屋の中央に置き、深く腰掛けた。


 足台がない。左足を、ソファーベッドの前にある低いガラス製のテーブルに乗せる。足台よりもずっと高くなった膝は、楽器を支えるために、さらに大きく外側へ開かれた。


 ゴスロリの短いスカートが大きく捲れ上がり、白いレースのドロワーズの奥、股間の暗がりが、正面を向いて露わになった。


 正面でカメラを構える悟のレンズが、私の開かれた両足の間を、無機質に捉えている。彼は、寝転がって、床から俯瞰するように私を見上げて、シャッターを切っている。


(……今、彼はこの光景をどう見ているのかしら)


 ガラスのテーブル越しに、私が透けて見えているんだろう。


 右手の親指が低音弦を弾き、a・m・iの三指が最高音の一弦を叩くように連打する。トレモロが始まった。


 前半、イ短調(A minor)。


 左手はバレーコードを多用し、フレットを上下に移動する。一弦の高音は、絶え間なくこぼれ落ちる涙の粒だ。かつて男たちに奪われ、彩花に踏みにじられた日々の記憶が、均一な打音となって部屋に満ちる。


 やがて、旋律はイ長調(A major)へと転調した。


 暗い絶望の淵に、突然、陽光が差し込むような和音の推移。


 この曲の美しさは、悲しみが消えることではない。悲しみを抱えたまま、一瞬の光に手を伸ばす強さにある。


(エロい、だけ?……いいえ。私は今、ここで鳴っている音そのものだわ)


 悟のシャッター音が、トレモロのリズムに混ざる。


 私は目を閉じ、最後の一音を止めた。


 イ長調の余韻が、静かに残った。そして、シャッター音が。


 バシャ、バシャ、バシャ……。


 演奏で張り詰めていた緊張が解け、視界が歪んだ。抑え込んでいた悲しみと、ようやく理解された安堵感がごちゃ混ぜになって、私の目からポロポロと涙がこぼれ落ちた。


「……ああ、美しい。最高の涙だ……」


 悟はそう呟くと、ようやくカメラから顔を離した。


 そして、ベッドに座る私の前にひざまずき、まるで壊れ物を扱うように、私の頬を伝う涙を指先でそっと拭った。


 その手は震えていた。


 私の肉欲を満たすためではなく、信仰の対象に触れる信者のような、痛いほどの熱と敬意を持った手だった。


「……明美、さん。あなたは……女神だ」


 彼の言葉に嘘はなかった。


 私はもう、ただの肉の塊ではなく、一人の「無垢な存在」として求められることの快感が、私の奥底を熱く溶かしていった。


 肉体を弄られることなど、一切なかった。


 私は肩の力が少し抜けた感じがした……なんというのかな?この本妻になれない愛人ヅラがバリバリと剥がれたような……


 私はこの撮影が楽しくなってきた。悟に軽口をたたきたくなってきた。

「悟、あなたは、私のことを『女神だ、女神だ』と仰るけど、少しも私に触れてくれないんですね」と拗ねた口調で言ってやった。でも、いつもの媚びる口調にはならなかった。不思議だ。

「明美、ぼくは我慢してるんだ」と絞り出すように言う。あれ?彼のズボンのアソコが盛り上がっている。

「なぜ、我慢されるんでしょう?我慢されなくてもよろしいのに……」

「だ、だめだ……明美は女神なんだ……」悟が激しく首を振った。


 悟をからかいたくなった。私はギターを壁に立てかけて置いて、立ち上がった。悟の前に仁王立ちする。スカートを捲り上げて、ストッキング越しに脚を見せつける。

「これでも我慢できますかしら?」

「明美、よしなさい」

「でも、あなたの身体は正直だと思いますけど」と彼の股間の方を指さした。彼に近寄って、床に座っている彼の顔に脚を擦り付けた。「これでも、ダメ?」

「……明美……もう、ガマンできない……」


 悟の手が私の腰を抱いて、ベッドに押し倒された。重い身体が覆いかぶさってきて、唇を奪われる。キス、激しい!舌が絡まる。


 悟の手がコルセットのレースを解いて、トップスを捲り上げてくる。ブラを外されて、胸が露わに。悟の指が胸を優しく、でも熱く撫で回す。


「んっ……あっ……」


 悟の触れ方、うまい!胸が熱くなって、本気で感じてる!真理子が言ってたな、『インポじゃないわよ。あれもうまいわよ』って。


 体が熱くなって、息が上がる。悟の指が下半身に触れ、優しく撫で回す。もう体がびしょびしょに反応しちゃってる!


「明美……可愛い……」


(恥ずかしい……でも、気持ちいい……悟の指は、優しいのに熱くて、体が勝手に反応してしまう!)


 本気で体が限界に近づいてる!頭の中が真っ白になって、声がかすれて漏れてしまう。


 体が痙攣して、熱い波が全身を駆け巡る。悟の腕の中で、力が抜けてしまう。


 悟のことだからそれで終わりかと思った。でも、悟はまだ優しく体を抱きしめて、熱い息を吹きかけてくる。体が重なって、互いの熱が混じり合う。


「ああっ……悟の身体が……熱い……」


 悟が体を動かし始める。最初はゆっくり、だんだん激しく。体が揺さぶられるたび、電気が走るみたい。


…………


 悟との激しい抱擁の後、彼が私の写真を見せてくれた。


 そこには、愛人なんか居なかった……あったのは、私の本当の姿……

【注意・免責事項】

※本作に登場するすべてのキャラクターは18歳以上です。

※制服・学生風衣装・部活動ユニフォーム等の描写は、すべて演出上のコスプレ要素であり、現実の未成年を描写したものではありません。

※本作に登場する事件・設定・団体等はすべてフィクションであり、実在のものとは一切関係ありません。

※第4章以降では、過去の出来事や医療・倫理に関する重いテーマが語られますが、描写は簡潔に留めています。

※性的・暴力的要素を一部含みますが、過度に詳細な描写は行っていません。

※本作は特定の思想・行為を推奨するものではありません。

※苦手な方は該当章の閲覧をお控えください。

※飲酒・喫煙の描写が含まれます。


アルハンブラの想い出

 参考:

 Recuerdos de la Alhambra [FranciscoTarrega] "Genesis"ver.

 https://youtu.be/13_Nr6fWtEI

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ