騎士、沈む。
キリルは、ギルドに行く前に私の元へ寄ってくれたらしい。
「お土産、渡しておきたかったんだ!」
「え、そんな・・いいのに・・。すぐ顔見せてくれただけで、十分嬉しいよ」
「ま〜ま〜、そう言わず・・。はい、これ香り袋とお菓子。好きでしょ?」
「大好きー!」
キリルは、紙袋を私にドサっと渡す。お、重い・・結構入ってないかこれ・・?
ニコッとキリルは笑うと私の頭を撫でる。
「・・本当に綺麗になったなぁ・・」
「え〜・・、そんなの言ってくれるのキリルくらいだよ・・」
「みんなちゃんと思ってるよ。じゃ、もう行くね。時間できたら遊びに行く」
「うん!待ってるね!!」
キリルはルウイさんを見ると、小さく頭を下げて・・
「突然お邪魔して、お騒がせしました・・。お仕事でもどうぞよろしくお願いいたします!」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」
ルウイさんも小さく微笑む。
おお・・騎士同士の挨拶とは、品があるな・・。カイルとは大違いだ・・。
そうして、爽やかな微笑みと共にキリルは家を出て行った。
「・・・はぁ・・、びっくりしたぁ・・帰って来たなんて・・」
お菓子の袋を持って、キッチンへ戻るとルウイさんもゆっくり付いてきた。
「・・随分と親しいのですね・・・」
「あ、ああ・・・、カイルと小さい頃よく一緒に遊びましたし・・、あの通り素敵な人ですからねぇ・・、結構憧れてて」
「・・・・・・憧れ・・」
「・・だから、騎士になるって言って出て行った時は、寂しくて・・」
「・・・・・・寂しい」
「今日、久しぶりに顔を見たけど、ますます素敵になってるし」
「・・・・・・素敵」
「騎士さんって、やっぱり格好いいですね。あ、この間のは絶対違いますけど!」
振り返って、ルウイさんを見ると・・
なんか顔、真っ青だけど・・・だ、大丈夫か???
「ルウイさん、顔色悪いけど大丈夫ですか??玄関で冷えちゃったかな??お、お茶飲んで温まりましょう!」
「はい・・・・」
手を引っ張ってカウンターに座らせるけど、さっき元気になったと思ったのに・・、かつてないほど元気がない。萎れた花のようだ・・・。急いで温めたお茶を出すと、ぼんやりと空を見ている。
だ、大丈夫・・??突然疲れがきた??
「頂いたお菓子でも食べましょうか?」
「あ、いえ・・それはトーリが頂いたものですし・・」
「え〜、せっかくですし一緒に食べましょう!大陸のお菓子楽しみましょうよ」
そういって、紙袋を開けると綺麗な絵柄が描いてある四角い缶が出てきた。うっわ、可愛い!!さすがわかってる!!そっと蓋を開けると、クッキーがぎっしり入ってる!!
「う、うわ〜〜・・・、すごい!いっぱいありますよ、ルウイさん!!」
笑顔になってしまう私に、ちょっと微笑んで頷いてくれるルウイさん。
「どれを食べます?ちょっとずつ、この冬食べましょうね!」
「・・・・・・はい」
チョコチップの入ってるのにしようか、ナッツが入ってるのにしようか・・
そんな事を考えていて、ルウイさんが寂しそうな顔をしているのに全然気付けなかった。
夕食を食べて、いつものようにハンドクリームをルウイさんに塗ってあげたけれど・・、やっぱりどこかぼんやりしていて、大丈夫かな??と、心配になった。
熱とか出そうなのかな?
一緒に寝たい!!って言うのかな?って思ったけれど・・、そのまま自分の寝室へ行ったルウイさんを見て・・、ちょっと拍子抜けしたけど、まぁ節度ある距離感で過ごそうって言ったしな・・と思い直して私も自分の寝室へ入る。
部屋に入って、キリルに貰った香り袋を嗅ぐと・・いい香りだった。
めちゃ私好み!香り袋が大好きでウキウキ!・・な、はずなのに元気のないルウイさんが気になって・・、隣の部屋をドア越しに見つめるのだった。
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50話でお礼を書こうと思っていたのに、60話・・。あ、あれ・・?
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