激闘!
「サキホドハ、フカクヲトッタガ、コレダケノキツネビヲ、サバケルカナ?」
エンガがさらに無数の狐火を放って、バッカスを攻撃する。
「オラオラ!この狐野郎!ぜってぇブッ殺す!」
バッカスが狐火を片っ端から撃破していく。
ーーーちっ!キリがねぇ!
その頃、翡翠蘭が少女を抱えて地上へと戻っていた。
「この娘を頼むなり!」
翡翠蘭が少女を救急隊に引き渡すと、すぐさま地下に戻ろうとする。
「待て、翡翠蘭!」
クララが呼び止めた。
「即席じゃ!長くは持たんが使え!」
クララが翡翠蘭の背中に『妖力の札』を貼る。
「おっ!温かいね、カイロなりか?」
「なんと、ふざけとる場合か!さっさと行け!」
「了解なりー!」
翡翠蘭が地下へと戻っていった。
「まったく・・・」
そう言うと、クララは運ばれてきた少女に目をやった。
ーーーあの娘、見たことの無い命の輝きをしとる、死なせるわけにいかん!
「クソォ!倒して倒しても出してきやがる!アキレス!まだかぁ!?」
バッカスが狐火をなんとか捌きながら叫んだ。
「あと3分!ハァアアアアアア!」
アキレスがチャージを続ける。
2つの狐火がバッカスの脇をすり抜け、アキレスに襲いかかる。
「ハァアアア!ヤベッ!」
「そうはさせないなり!」
地上から戻って来た翡翠蘭が颯爽と現れる。
「秘技!翡翠烈破!」
翡翠蘭の蹴りが緑の弧を描きながら、2つの狐火をまとめてかき消す。
「アキレス!さっさと撃つなり!」
翡翠蘭がアキレスを護衛する。
「これが俺の最速だぁ!ハァアアアアアア!」
「俺は引き続き生存者を探す!頼んだぜ!」
スカーレットが生存者を探して回る。
「うおおおおお!」
バッカスがエンガの振り下ろした前足を、右の拳ではじき返す。
「ヒーロー、キサマ、ソノフダ・・・マサカ」
エンガがバッカスの『妖力の札』に視線を向ける。
「うるせぇ!」
バッカスの回し蹴りがエンガの脇腹にめり込む。
「グフッ!・・・ウラギリモノ、クララ!」
エンガの体がくの字に歪み、うめき声を上げる。
しかし、体勢を崩しながらも、尻尾を鞭のように振るい、バッカスの体へ叩きつける。
「があ!」
バッカスは吹き飛ばされて、ショーケースや棚を薙ぎ倒しながら倒れ込む。
さらに、エンガは狐火を無数に飛ばし、ヒーロー達を攻撃する。
「クソォ!」
バッカスは体勢を立て直しながら、狐火の攻撃をかわす。
「ハイヤァ!秘技!翠玉乱舞!」
次々に襲いかかる狐火を、翡翠蘭が舞い踊るような連続蹴りでかき消していく。
「待たせたな!」
アキレスが叫ぶと、四つん這いになり、巨大な蟻を思わせる姿勢をとる。
「ターゲットロック!」
「サイキックゥーー!」
アキレスの肩に展開した2本の砲身へ、光が集まる。
「やっと来たなりか!」
翡翠蘭がアキレスの射線から離れる。
「決めろ!アキレス!」
バッカスが狐火を薙ぎ払いながら叫ぶ。
「ブラスタァァァァ!」
2本の砲身から、白く眩い光線が轟音とともに放たれる。
「ナニ!?」
エンガがとてつもない力を察知して身を翻すが、間に合わず直撃を受ける。
「ウガーーー!」
サイキック・ブラスターの直撃を受けたエンガが爆煙に包まれる。
「やったか!?」
アキレスが勝利を確信したかのような声を上げる。
そう思った次の瞬間、煙の中からエンガの左前足が床へと伸びる。
やがて煙が晴れ、エンガの全身が姿を現した。
「イマノハ・・・セイシン、エネルギーカ!?」
エンガの体の半分が消し飛んでいた。
「奴はボロボロだ!翡翠蘭!トドメを刺すぞ!」
バッカスがエンガに向かって走り出す。
「ここで決めるなり!」
翡翠蘭もバッカスの後に続く。
「ココマデカ・・・」
エンガが床に吸い込まれるように姿を消す。
「!?」
バッカスが言葉を失う。
「フフフ、ヒーロードモ、ショウブハオアズダ・・・クイノコシ、イツカ、イタダキニイクゾ」
エンガの声が、フロアに響き渡る。




