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死の意味

赤外線捕捉装置が雪乃をロックする。

何機もの自動空気銃から、プラスチック弾が雪乃めがけて放たれる。


パシュ!パシュ!パシュ!


「やっ!はっ!」

雪乃が木刀で二発のプラスチック弾を弾き飛ばす。


コン!


「あ!」

打ち漏らしたプラスチック弾が、雪乃の腰に当たる。


「動きを止めるな!狙いを逸らす動きをしろ!何度も言わせるな!」

美月が雪乃を叱り飛ばす。


「はい!」

雪乃は威勢よく返事をすると、訓練所内を駆け回った。


「実弾なら4回は死んでるぞ!翡翠蘭と走っていたのではないのか!?」


「うおおお!」

雪乃がプラスチック弾から全力で逃げ回る。


その後、軽い体術訓練を終えると、美月が雪乃に声をかけた。

「氷川雪乃、この後、時間あるか?」


「あ、はい」


「そうか、食事に付き合え」


「ええ、是非」


訓練の後、二人は近くの「居酒屋たつみ」で食事をした。

以前、蘭子と来た居酒屋で、SGJの職員もよく来ている。


ダン!


「かぁー!」

美月はビールを飲み干すと、ジョッキをテーブルに強く打ちつけた。


「雪乃〜!何だ何だ、烏龍茶なんてシケたもん飲みやがって!お前もビール飲め、ビール!」

美月が顔を赤らめて、笑顔で言った。


「それはマズいですよ〜」

ーーーええ〜!なになに!?これが、あの丸山師範!?


「お前がアホの蘭子の影響を受けてなくてよかったぞ〜!」


「ア、アホの蘭子・・・」


「お前には、そろそろ実戦の空気を吸わせねぇとな」


「実戦・・・ですか」

雪乃は息を呑んだ。


「妖怪がいつお前を襲いにくるかわからん。いざというときに戦えるようにしておかんとな・・・あー、お姉さん、生中おかわり〜」

美月が空のジョッキを掲げて注文する。


「あ、あの!私は、強くなりましたか?」


「そうだなぁ〜」

美月の表情が引き締まる。


「シャッター棒一本で、武装した連中を倒したのは見事だ。だが、私は認めない」


「はい・・・」

雪乃は目を伏せた。


「私の相棒は・・・任務に失敗したチームを守るために、たった一人、犠牲になった・・・」

美月は電子タバコのスイッチを入れた。


「鬼紗羅さんが・・・」

ーーーそんなことが・・・


「ヒーローになって間もない蘭子も、そのチームにいた。あいつはアホだから、相棒をカッコイイと・・・」

美月はゆっくりと煙を吐き出した。


「・・・」

雪乃は膝の上で拳を握りしめた。


「勝手に死にやがって・・・」

美月は寂しそうに呟いた。


「他人の為に死ぬのはカッコイイことじゃねぇ!いいか雪乃、死なねぇ奴が強いんだ!よく覚えておけ!」


「はい!・・・」


「・・・雪乃、どこ見てる?」


「いや、その・・・メニューが・・・」


「何だ?」

美月は雪乃の視線の先を見た。


「居酒屋メニューに・・・メロンパン?」

美月は刮目した。


「友人に、メロンパンが大好きな子がいて」

雪乃は微笑みながら言った。


「メロンパンって、好物になるような食べ物なのか?」

美月は怪訝な顔をする。


「好きな人、結構居ますよ〜。色々なメロンパンがありますし。友人はクッキー生地のチョコチップ入りが好きだとか」


「食べてみるか・・・」

美月は店員を呼んだ。


「気になりますしね」

雪乃は満面の笑みで言った。


「そう!とにかくだ!お前には現場に行ってもらうからな!わかったな!」

「あ、メロンパン二つ」

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