報告
「クララ様、伊苅堂のぼたもちです」
ルイーズがクララに紙袋を手渡す。
「おぬしも忙しい身じゃろ、わざわざ来んでもええ」
クララが早速ぼたもちを取り出す。
「お疲れ様、ルイーズ」
高橋がエプロン姿で、ルイーズにお茶を持ってくる。
「お前、エプロンが似合うな」
ルイーズが高橋に言った。
「高橋がおらんで、おぬしも大変じゃろう?」
クララが大口を開けて、ぼたもちをほお張る。
「確かに、便利屋がいないと、不便ではありますね」
ルイーズはそう言うと、お茶をすすった。
「翡翠蘭までこちらに回して、ヴィラン共の対応は大丈夫なのか?」
「確かに、翡翠蘭がいないのは痛いですね」
「おい、俺は便利屋で、翡翠蘭より使えないってことか?」
高橋がキッチンからツッコミを入れる。
「で、クララ様、氷川雪乃はいかがですか?」
ルイーズが真剣な顔で訊ねる。
「ふむ、モノになるまで、やはり2年はかかるのう」
クララは口の周りにあんこをベッタリつけたまま、お茶をすする。
「そうですか、ゆっくり育てるしかないですね」
「それと、クララ様がおっしゃっていた、例の刀をお持ちしました」
「妖刀『氷牙』か・・・雪乃がそれを使えるようになれば、頼もしいヒーローになるじゃろうな」
「最近、『太陽の導き手』と呼ばれるヴィランが、活発に動いています。そのせいで、ただでさえ少ないヒーローが、さらに人手不足でして」
「警察や自衛隊も、増え続けるヴィランや武装組織に対応しきれておらんからのぅ」
「この国は、どうなるのでしょうね」
ルイーズがお茶を飲み干す。
「確かにのぅ・・・」
「あ、高橋!経費精算書を総務にメールしておいてね」
「ああ、わかった」
高橋がキッチンから返事をする。




