修行開始
「ここは・・・」
到着した訓練所は、山の中であった。
木々が生い茂る中、二階建ての古びた一軒家がポツンと建っている。
「余計な物が無い方が、訓練に集中出来るじゃろ?」
クララが大きく深呼吸しながら言った。
「ホント、なにもないなり」
翡翠蘭が周りの景色を見て呟く。
「見た目は古い建物じゃが、電気も水も来ておる」
「お風呂は入れるんですね、よかったぁ~」
雪乃が胸を撫で下ろす。
「やっぱりJKは気にするところなりね」
「食料や日用品は置いていきます。足りない物があれば、おっしゃって下さい」
高橋がせっせと荷物を建物へ運んでいく。
「高橋!」
クララが突然呼び止めた。
「ぼたもち、お持ちしてますよ」
「素晴らしい!」
軽い昼食を済ませた後、いよいよ修行が始まった。
「雪乃よ。戦闘力の差は、UPによる潜在能力の強さにあると、勘違いしておる者が多い」
二階の一室で、クララと雪乃は向かい合って座っていた。
「違うんですか?」
「そうだとしたら、おぬしはヴィランに勝てん」
「どうしたら強くなれるんですか?」
「まあ、待て。順を追って話す」
クララはお茶をすすり、少し間を置いた。
「よいか?確かにUPの影響は大きい。実際、バッカスの鋼のような体は、あやつにとって最大の武器じゃ」
「はい!」
「だが、この世に存在する力の源は、UPだけではない。例えば、妖力やアキレスの精神エネルギーがそうじゃ」
「私にも、何か特別な力があるのでしょうか?」
「おぬしの武器、それは魂の強さじゃ」
「魂!?」
雪乃が眉を寄せる。
「生命力と言い換えてもよい」
「ちょっと、わかりにくいです」
「うむ、わからんでいい」
クララが満面の笑みで言った。
「ええ!?」
「これから2年間、おぬしの魂を鍛え上げる。よいな?」
「は、はあ」
雪乃は戸惑いを隠せなかった。




