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第2章 第13話 どうやら罠を仕掛けるらしい

- 魔素の世界 -

《ポルファス王国 南部 シキニ山地の戦い》


山道側に退く王国軍。

そして、戦場を離脱するイバラン軍。


敵が急に大きく二手に分かれた状況を見て、左右に追撃を仕掛けようと動く邪教国軍。

その足並みは乱れていた。


【状況】

□=王国軍

〇=イバラン軍

■=邪教国軍


  山道

  |↑|

  |□|

   □

   □            

  □□□             〇〇

 □□□□□ ■■        ■ 〇〇

 □□□□□■ ■    ■■ ■■  〇〇

  ■■ ■      ■■ ■■ ■  〇〇

■■■■■■■■■   ■■■■■    〇〇

■■■■■■■■■            〇〇

■■■■■■■■■           〇〇

■■■■■■■             〇〇

                    ↓↓

  ■■■■■■■■■■■■



戦線を離脱するかに思われたイバラン軍であったが、タイミングを見計らっていたラタが合図を出す。

その合図を確認した中将カトールは、すかさず全軍に指示を出した。


「全軍!敵右翼を叩く!」


イバラン軍は、コの字を描いて向きを変えた。

そして、邪教国が最後尾に布陣していた軍の右翼に攻め入っていく。


その動きに驚いた邪教国軍は、右翼を鉤形陣かぎなりじんに変えて迎え撃つ。


【状況】

□=王国軍

〇=イバラン軍

■=邪教国軍


  山道

  |↑|

  |□|

  |□|

   □

  □□□

 □□□□□ ■

 □□□□□■ ■        ■

  ■■ ■           ■■■ ■

■■■■■■■■■     ■■ ■■ ■

■■■■■■■■■    ■ ■■

■■■■■■■■■     ■■     〇〇

■■■■■■■           〇〇〇〇

  ↑↑↑↑↑↑↑↑↑      〇〇〇〇

  ■■■■■■■■■→  ←〇〇〇〇

          ■→  ←〇〇

          ■→

          ■→


鉤形陣かぎなりじん

邪教国軍が図った囲い込みに対して、王国軍とイバラン軍の共闘軍は、この陣を敷いてそれを防いでいる。


側面から攻めてくる敵を迎え撃つには有効的である。


しかし、付け入る隙がないわけではない。

イバラン軍は、敵の結合部を狙って突撃したのであった。


【状況(拡大)】

〇=イバラン軍

■=邪教国軍

             〇〇

        〇〇〇〇〇〇〇

■■■■■■■〇〇〇〇〇〇〇

        ■→

        ■→

        ■→


鉤形陣かぎなりじんは、その結合部分が崩されると意味を成さなくなる。

邪教国軍は混乱に陥った。


そこを、イバラン軍は一点突破していく。

そして、敵陣をかき乱すだけかき乱してから、戦線を離脱していくのであった。


【状況(拡大)】

〇=イバラン軍

■=邪教国軍

●=邪教国軍結合部分


         

■■■    〇〇〇

  ■■■〇〇〇〇〇

     〇〇 ■

    〇〇 ■

   〇〇   ■

  〇〇

  ↓↓


イバラン軍の突撃を受けた邪教国軍。

最後尾に布陣していたその場所には、この軍を指揮する“導師位みちびきのくらい”がいた。


しかし、あっさりと中将カトールに討ち取られてしまう。

カトールは、王国騎士軍団常駐隊長のサコンには遠く及ばなかったものの、その実力は確かなものであった。


戦線を離脱していくイバラン軍。

カトールはラタに尋ねた。


「ラタよ。これからどうするのだ? 敵の補給線を叩きに行くのか?」


カトールの問いに対して、ラタは首を振った。


「いえ。どこにあるか分からない補給線を探す余裕はありません。」


「では、どうする?」

「王国軍は山道で敵を迎え撃つはずです。そして、きっと勝利するでしょう。」


「うむ。それで?」

「我らは遊撃隊となり、敵の本軍が攻め寄せてくるのを少しでも遅らせます。」


「遅らせるだけで良いのか?」

「はい。王国軍の援軍がこちらに向かってきております。ですから、我が軍は無理なく少しでも敵の足止めをすれば良いでしょう。」


ラタは後ろを振り返った。

邪教国軍の追撃はない。


「今から軍を3つに分けましょう。」

「ほう?」


「まず、カトール中将は本国に一度戻って下さい。」

「なぜだ?」


「今回の偽情報に関する説明と邪教国が攻めてきたことを本国に報告して下さい。その上で、すぐに軍の再編について承認を得てもらわなければなりません。これは、中将でなければ説得できないことです。」

「なるほど。確かにそれは、私の責務だな。」


「それと、マイランに正確な情報を提供して、改めて兵を出してもらう必要があります。」

「うむ。だが、あの国は判断が遅いぞ? すぐに動かんのではないか?」


「そうですね。過度の期待はできないでしょう。その人選は任せます。」

「分かった。」


「私は遊撃軍を率いて、何とか少しでも敵本軍の足止めを図ります。」

「危険だぞ。」


「無理はしませんよ。私も死にたくはありませんから。“罠”を張るだけです。」


そう言ってラタは微笑んだ。


イバラン軍は3つに分かれた。

この場に残ったのは、ラタが率いる3千である。


一方。


カモット率いる王国軍は、山道へと速やかに退却していた。

その殿しんがりを務めているのは、常駐隊長のサコンである。


そのサコンが無双していた。

その姿は、三国志にて長坂橋ちょうはんきょうで吼える張飛の如くである。


サコンが吼える。


邪教国軍は、サコンの気迫に押されて近づくことも躊躇っていた。

攻め入っても、そのことごとくが、サコンの槍の餌食となってしまうのである。


山道側から合図の音が鳴った。

それは、王国軍の合図であり、埋伏の“罠”が整った知らせである。


サコンはもう一度吼えた。

震え上がる邪教徒たち。


サコンの怒りは静まることはない。

邪教徒がしでかした外道の行いは、決して許されるものではない。


もう一度、合図の音が鳴る。


それを聞いたサコンは、大きく息を吐き出した。

そして、邪教徒に睨みを利かせてから、山道へと退いていったのであった。


***********


- 逸脱の世界 -


その女性は焦っていた。

大人可愛いという表現がピッタリくる容姿の女性は、まさかのミスをここで犯していた。


その女性は、異世界免許教習所ココカラの研究室長 キラリンである。


彼女は、様々なトラップを作り出すことができる“トラップクリエイター”である。

そして、なぜかレジスタンスの一員となっているのであった。


世界樹を守り世界を救うべく、これからレジスタンスのメンバーが最後の戦いに挑む。

それは、彼女が仕掛けたトラップの発動から始まるのだ。


彼女は、可憐な容姿とは裏腹に、少し残念なところがある。


超絶ドジっ子であった。


キラリンは、自分が仕掛けたトラップに自分が引っ掛かっていたのである。

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