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Infinite・Destiny・Answer・Online  作者: 小豆豆
一章 狂気の獣
14/16

14話

──空間リソース消費を確認


──UNM『LAGLARGA』を最適、強制進化


──ランクアップを確認


──周辺の記憶領域を改竄、削除


──地形データを修正


──────────────────────


ポイントが200超えました〜(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ

追伸、誤字脱字を修正。ラグラーガの名前の訂正。

各種雑事を修正致しました

「ひ〜び〜き〜!!」


「マスター!」


「コケッー!」


「ギニャァア!!?」


 ログインした直後、いきなりジャッジメントにタックルされ桜子に抱っこされた挙句、鶏子に咥えられてブンブン振り回され、猫のような悲鳴が口から出てしまった。


「心配したんだよ響!?連絡ひとつくれないんだから!」


「コケッー!」


「マスター!いくらなんでもあの戦い方はなに!?」


「ぐぇぇ……わ、わかったから離して!」


 そのあと、私は桜子に小一時間撫で回され、頬ずりさせられようやく解放された。


「ほえー、それでこの後響のお兄さんに色々と支援物資受け取るんだね」


「そうだね」


 噴水の前のベンチに座り、その傍で鶏子がしゃがんでいる中そんな会話を繰り広げていた。


「そういえば、ラグラーガはどうしたの?」


「んー、響がログアウトした直後に変な黒い膜に覆われて動かなくなったね」


「そう……あ、あとアイツと戦ってた時結構周りに被害出てたけどプレイヤーとか大地人騒いでた?」


「んー、それなんだけどさ。あのUNMが膜に閉じこもった瞬間、周囲の地形が変わっていた。おまけに大地人とかプレイヤーとっ捕まえて聞いてみたら──」


『元々あそこはこんな地形だろ?』


「だってさ!」


「それはなんともまぁ……」


 奇っ怪な、私は心の中でそう呟く。

 そうしていると、


『よお響。元気してるかー』


 目の前にピエロがいた。


「フンッ!」


 とりあえず私はそいつの鳩尾へ拳を叩きんだ。


『ゴハッ!?いきなり何しやがる!?』


「いきなりもなにも目の前に変質者が現れたら抵抗するのが常識でしょうが!」


 さらにもう1発蹴りを放とうとしたが、その攻撃なピエロの手に掴まれ宙に吊るされた。


『妹様。いくらマスターがヤバイ奴でも私のマスターですのでそこまでにして頂きたい』


 その犯人は兄のDA、チャリオットだった。

 白銀の装甲に包まれた姿の彼女はそう言うと、響を丁寧に石畳の地面へ下ろした。


「わー、綺麗」


『ありがとうございます桃色の方』


「それで兄さん。頼んだの用意してくれた?」


 埃を払い、向き直ると響は声を出した。

 その声にディランはやれやれと言った様子で首を振ると、私の目の前にトレード画面が表示された。


『ほれ、とりあえずジェム系とか回復、バフアイテム系にアクセサリー、防具とか武器のお前が使えそうなやつ手当り次第持ってきたぜ』


「わぁお」


 上から下までびっしりと表示されたアイテムの数に、軽く目をギョッとさせてしまう。


「よくこれだけ集めたね兄さん。少ないけど払おうか?」


『別にいらねーよ。ちょうど倉庫の整理したかったからな』


「つまりガラクタを押し付けた……?」


『ナンココトカナ-』


 ジャッジメントの声に、白々しくこいつ……


『つーなお前……友達もいんなら言えよなぁ』


 そうすると、兄さんが桜子に気がついた。


「すいませーん」


『あのなぁ……。まぁいい、んじゃ追加でこれ渡しとくから友達に渡せよ?』


「はーい」


 さらにアイテムがインベントリに入って行くのを確認していると、兄さんがスタスタと桜子の元へ行っていってしまう。


『いつもうちの妹が世話になってます。兄のディランともうします。この場では敢えてこのような格好ですが事情があるので申し訳ありません』


「いえいえー、こっちでもあっちでも可愛がってますよ〜。かわいい妹さんですよね」


『おお、アイツにリアルの友達が……ゴホン。何分、アイツは体が弱いし友達もほとんど居ないし寂しがり屋なんで良くしてやってください』


「はい!任せてください!」


「ちょっと兄さん!桜子になにいってるの!?」


『いやなに、妹の友達に挨拶するのは大人の務めだからな』


「ふーんだ、私だって19だからもう大人だもん!沙知さんがいなくても夜トイレ行けるし寝れるもんねー。でも時々ホラーとか見たら一緒にいてもらうけど……」


『そうか……沙知も大変だな』


 そのあと軽く話をしたあと、兄さんが何かを思い出したように声を出した。


『おっと、んじゃ用は済んだから俺らは行くぜー。ちと探してるヤツいるからな』


「ん、ありがとね兄さん」


『なあに、可愛い妹の頼みだ。兄ちゃん冥利に尽きるってこっちゃ。いくぞチャリオット』


『かしこまりましたマスター。それではサクラ様。妹様。鶏子様。ジャッジメント。失礼致します』


「ちょっと、私に敬称をつけない挙句最後とはどういうことかしら?」


 そのまま兄さんはチャリオットを後ろに控えさせ、そのままどこかへ行ってしまった。


「随分と変な格好のお兄さんだね!あとあのDA綺麗だったな〜」


「変な格好には激しく同意するね。あと、DAの名前はチャリオットね」


戦車(チャリオット)?ジャッジメントちゃんとおなじアルカナシリーズってやつかな」


「多分ね。ジャッジメント知ってる?」


「さぁ。私には詳しいことはわからないわ」


 あのダークナイトやエルさんの言っていた『アルカナシリーズ』。

 全く持って謎が深まる。


 けど、すぐにそのことは頭の中から蹴落として私達は目的の場所へとその足を進める。


「とりあえず桜子。はいこれ」


「なにこれー?」


「えーと、ダメージを肩代わりしてくれる『身代わりの竜鱗』に1度だけ死亡を無くしてくれる『悪夢の逆鱗』とその他色々のアイテムだよ」


「? 今回も私は狙撃じゃないの?」


「いやー、それよりも2人でやったほうが都合がいいかなって感じで」


「なるほど〜。いちおう移動しながら弓引けるからいいよー」


「ん、よろしく。あと鶏子にも持てるかな?」


「コケー(大丈夫だ、問題ない)」


「うん。何言ってるかわかんないけど心配になることいってるきがする」


 確か兄さんが昔やってた大昔のゲームに似たようなのあったなぁ……忘れたけど。


 鶏子に紐でアイテムを括りつけ、ずり落ちないかを確認して、確認出来たらその背中に乗って目的地へ向かった。


「まぁ、その前に準備するんだけどねー」




 周囲の木々がなぎ倒され、切り株や大木が周囲に転がってきる広場の中心部分に黒い膜の前に私と桜子が立つ。


『待ってたぜぇ嬢ちゃん!アッチじゃ一日ぶりかぁ?それに今回はお友達もいんな〜』


 そうしていると、耳障りな中年の男の声がどこからともなく聞こえてきた。


「できればもう会いたくなかったんだけどね」


『釣れねぇこと言うなよ〜。おじさん泣いちゃうゼ?』


「へーんだ。明らかに性格悪そうなおっはんの泣き声なんて聞きたくないねー!」


『ギャハハ!威勢のいい姉ちゃんだ!だが、だからこそ──』


 私、桜子が順に言うと男は心底楽しそうに下卑た笑いでしきりに笑ったかと思うと、一気に周囲の雰囲気がドロリと粘土の高い液体になったかのような錯覚に陥る。


 思わず、後ずさってしまうような殺気にゴクリと喉を鳴らす。


『──だからこそ、人間は面白い。……さぁ、コイツと戦い貴様らの可能性を、この俺に見せてみろ!』


 そして、ラグラーガを覆っていた膜が蠕動し、ボコボコと膨れ上がっていく。


 ボコボコ、ボコボコと元の大きさから3倍、4倍ほどの大きさになったと思ったら、鈍い音を立ててその膜が弾け飛んだ。


「OAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」


 空気をふるわせ、ビリビリと衝撃波となった彷徨が私たちの体へと叩きつけられる。


 ───────────────────


【完全なる狂気の獣 ラグラーガ】


【伯爵級UNM】


 ───────────────────


 以前見た姿とはうって変わり、その体の表面は骨のような材質の殻で覆われ、歯茎が剥き出しだった頭部にも鎧の甲のように何かの動物のとぐろを巻いた角の生えた頭蓋骨が被さっていた。


「桜子」


「響」


 互いに名を呼び、武器を構える。


 ──戦闘が始まる


「わけねーだろヴぁぁぁかっ!逃げろー!!」


「逃げるんだよォ!」


『あ、おい!まてゴラァ!!』


 男の怒鳴り声とラグラーガのドシドシという音がが背後から聞こえるが、2人は目もくれず大木を障害物にしたりしてまっすぐ走っていく。


「SYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」


「わひゃあ!?」


「あっぶな!」


 二人の間を何かが通り過ぎ、すぐ目の前の地面が爆発する。

 よく見てみるとそれは先のとがった骨みたい材質の針で、さらに続けてなにかを射出する音が背後から聞こえてきた。


 それは障害物とした大木をいくつもへし折り、私たちを串刺ししようとしてくるが紙一重で避けていく。


「遠距離攻撃あるなんて聞いてないぞー!!」


「ぎゃー!死ぬ死ぬ死ぬぅ!!」


『マスター!右へ1センチだけ首を逸らして!サクラ!頭をひっこめて!』


 ジャッジメントの指示通り、首を僅かに逸らすと針が私の頬を切り裂いて先にある大木に突き刺さる。


「ヒエッ」


「あ、あぶなぁ……」


 思わず上ずった悲鳴が口から漏れるが、足を止めると串刺しされるために恐怖を押し殺して互いに走り続ける。


『逃げんなテメェらぁ!!待てやァ!』


「待てと言って待つような馬鹿がいるかっつうの!!」


「そーだそーだ!」


 桜子がお返しとばかりに弓形態のカグツチで炎の矢をラグラーガへ発射する。


『効かねぇなァ!』


 けど、男の言うとおりその矢はラグラーガの骨の殻に当たった瞬間弾け飛び、僅かに表面を焦がすだけだった。


「にゃにぃ!!?」


 その事に桜子が驚愕して叫ぶ。


『ハッハァ!弱点ってのは克服するためにあるんだぜぇ!?』


 どうやらあの殻は物理的にも恐らく火の属性的にも耐性を高めているらしい。


 なかなかにめんどくさい状況になったというのが薄々と首元を撫でてくるのを感じ取り、響は内心愚痴りたくなる思いになるがここはぐっと我慢して目的地点に走り続ける。


 何分走っただろうか、ようやく私達はとある場所にたどり着いた。


『ハッハァ!おいおい、お前さん達自分から逃げ場のねぇところに出るなんて初っ端から諦めムードかァ!?』


「なわけねーだろバーカ」


「追い詰められたのてめぇだっつの!!」


 懐から取り出した拳代の大きさの宝石を地面へ投げつける。


 パキリ、と音を立ててその宝石が砕け散る。


『はぁ?』


 瞬間、半径200メートルに巨大な魔法陣が出現した。


 そしてラグラーガの名前のすぐ横に無数のデバフを示すアイコンが表示され、その真逆に私と桜子のHPの横にバフアイコンが表示される。


 これがコイツとの戦いのために用意したランクAの結界魔術を封じこめたジェムで、1回ポッキリのお値段が兄さんの談で4桁はいくらしい。これをぽんと出すあの人はマジで何もんだろうね?


 コホン、話が脱線したがラグラーガは苦しげに呻き、私の体に力が漲る。


「それじゃあ……始めようか!」


「いくよー!!」

それでは、誤字脱字のご報告。

感想や評価おねがいします!あとお気に入りとかブクマもやってくれていいのよ?

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