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Infinite・Destiny・Answer・Online  作者: 小豆豆
一章 狂気の獣
12/16

12話

平成最後の夏を皆さんいかがお過ごしですか?

私ですか?家にこもってましたね。え?どこか遠出しなかったのかって?暑いから嫌ですよ。

それでは本編をどうぞー


追伸、描写のいくつか訂正をさせて頂きました。

 剣閃が走り、一瞬で複数の音が響きわたり、いくつもの大木が半ばからへし折れた。


「アハハハハッ!」


 哄笑が鳴り響き、ガンギンガンと重々しい金属音と鈍い音と共に再び大木がへし折られ、そこからボロボロの人型の尖兵が飛び出し、その後ろにあった木々を諸々へし折りながら地面へとボールのようにバウンドし、ゴロゴロと転がった後にようやく停止した。


「ギシャア!」


 口内から黒くどろりとした液体を吐き出し、尖兵はヨロヨロと自身の腕を杖のようにして立ち上がり煙で見えない方向へ短く吠えた。


「どうしたのかなー?貴方の実力はこんなものなのかなー?アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」


 そしてそこからは、腕に絡みつくように黒い闇が絶えず放出されているジャッジメントを手に持つ響がゆっくりと煙を引き裂きながら出てきた。


「キシャッ!」


「あっぶなぁ〜い!ヒヒヒヒ!!」


「シャガッ!!?」


 背後から気配を殺し、飛びかかってきた獣型尖兵の攻撃を難なくかわし、お返しとばかりに彼女はくるりと回転し、その力を利用した回し蹴りを尖兵へと放った。


 黒い帯で包まれた体にその爪先がめり込んでいき、内部を破壊していき、そのまま勢いよく地面へと叩き落とされた。


「ギッ、シャッ……ア!!?」


 ボタボタと黒い液体が吹き出し、その一部が響の頬にかかると、それを指で拭い、指先についたソレをベロリと舐めた。


「まっずぅ〜い。イヒヒヒハハヒ!?ねぇねぇ、もっとみせてよー。ガオー食べちゃうぞー?アッハハ!イーヒヒヒヒ!!」


「ギッ、ガッ……シィヤァァ………」


「ん〜?ねーねーどーしたのー?」


 彼女の左手には全ての足をもがれ、至る所に短剣の突き刺さった3体目の尖兵が拘束から逃れようともがいていたが、頭部を万力のように鷲掴みにされているためにそれは叶わなかった。


 むしろそれな嗜虐心をくすぐったのか、彼女は無邪気に笑うとその手に掴んだ尖兵を2匹の尖兵たちのところへ放り投げた。


「きなよ。ぜーんぶぜーんぶわたしがたべてあげる♪」


 すると、


『ギャハハハハッ!おもしれねーなお前!いいぜー、なら少しばかり俺も手を出させてもらおうかねェ!!』


「だーれ?」


 突然聞こえてきた声に可愛らしく首を傾げ、尋ねると心底愉快そうな声が再び聞こえてきた。


『俺か?俺はただの傍観者さ。キヒヒ……嬢ちゃんみたいなイカれたやつを見るのが大好きな、な』


「んー?わたし〜、わかんない!!」


『そうかー、嬢ちゃんにゃ難しかったかー』


 気の抜けた会話が行われるが、あたりの光景を見ればなかなかにどちらも狂っているのが分かるであろうことが繰り広げられる。


「そーれよーりー!」


 すると唐突に響は話を遮り、満面の笑みで無邪気に続けた。


「早く殺し会おうよ。そのために来たんでしょ?ねぇ!」


『ギャハ……ギィハハハハハハッ!!!いいねぇ!いいよお前!兄貴と同じくらいぶっ飛んでんじゃねぇかよ!!ハッハァ!』


「ガッ!?」


「ギッ!?」


「アッギッ!?」


 すると、3体目の尖兵が硬直した数秒後にボコボコと内側から体が膨れ上がり爆発した。

 ビチャビチャと黒い液体が周囲に飛び散り、すえた変な匂いに響は顔を顰める。


『ほんじゃ、まぁ。俺の玩具で楽しんでくれや』


 飛び散った液体がズルズルと集まっていき、それは黒い球体となる。


 ズルリ、尖った鱗のようなものがびっしりと生えた手足が地面へと伸び、続けて人間の骨髄のようなものが尾のようになり何本もなっていき、最後に歯茎が剥き出しになり、生物で言う目の部分も口になった冒涜的な巨大生物がそこに生み出された。


「GYAAAAAAAAAAAAA!!」


 咆哮が空気をふるわせ、それは衝撃となって響の小さな体に叩きつけられた。



【不完全なる狂気の獣 ラグラーガ】

【子爵級UNM】



 そしてやつの上部にその名前とHPバーが表示される。


「RAAAaaaaaaaaaaaaaa──!!」


「アハァ!新しい玩具だ〜!!」


「Aaaaaaaa──!」


 瞬間、ラグラーガの背に生えていた脊髄の1本が掻き消える。


「!」


 首筋にチリッとした本能の警告に響は従い、そこから飛び跳ね近くの木を足場に更に高く飛ぶ。


 それから程なくして周囲の木々がまとめてなぎ倒され、広大な樹海の中にぽっかりと虫食いのような広場が作られた。


「わーお。すごーイ!アハハハハ!」


 ギリギリ範囲外にあった木の枝に捕まり、響は目の前の光景に心底面白そうに笑う。


「ALuuuuuuu………」


 ラグラーガが唸り、もう一本の脊髄がたわむと次の瞬間勢いよく響の元へ射出される。


「よっと!」


 枝を支点に鉄棒を回るようにグルリと響が回転すると、さっきまでいた場所に脊髄が勢いよく突き刺さる。

 そして向こう側にまで貫通して少しの間動きが固定される。


「ハハハッ!」


 それを利用して響は脊髄を足場に着地し、走り出した。


「GYaaaaaa──!!」


 だがそれをラグラーガが許すわけがなく、残りの脊髄を同じようにたわませ、響を串刺しするために発射した。


「キャハァ!!」


 コンマ数秒到着の早かった脊髄を瞬間的に『瞬歩』を発動させ、それをかわして更に迫ってきた脊髄を軽く体を捻ったり、当たりそうな時はガントレットやグリーブにわざと当て、その時に軽く浮くことで回転して勢いを殺してさらに接近していく。

 その過程でマントとガントレット、グリーブが破損するが無視する。


「まずはいっぱぁつ!!」


 背中の生えている脊髄の付け根部分に到着し、ジャッジメントを振り下ろそうとするが……


「OAaaaaaaaaa──!!」


「ッ!!」


 ラグラーガが吠えると、背中の1部分がボコボコ盛り上がり無数の棘がそこから生えてきた。


 突然の不意打ちに交わすことが出来ず、急所だけに当たりそうだったものをガントレットとジャッジメントを間に挟むことでどうにかなったが、あちこちに突き刺さってしまった。酷いところでは貫通しているところもある。


 一瞬でHPが削り取られ、一気にレッドゾーンへ突入する。


「チィッ!」


 幸い、棘は直ぐに液体となって溶けた為に、再び棘が生えてくる前に距離を離し始める。


 だが、それを見逃すラグラーガではなく……


「OAaaaaaaa──!!」


 案の定その大きな口を開き、響を噛み砕こうと肉薄してきた。


「きたない!」


 ネバネバした明らかに汚くて臭そうな口を見て、顔を顰めて響は懐から銃のようなものを取り出した。


 それは銃というには、銃口の先に返しのついた針と、引き金の上部に巻き取り式のワイヤーが取り付けられたものだった。


 そして彼女は雑に狙いを定め、その引き金を引く。

 カシュ、と空気の抜ける音と空気を引き裂いて針が木へ突き刺さり、続けてキュイーン……という音と一緒に引っ張られていく。


 間一髪といったところで噛みつきをかわすことに成功し、背後でガチンという音に戦々恐々しながらぶら下がるように木へと着地する。


「ふぅ……」


 先程までの熱に浮かされたような状態とはうって変わり、極めて落ち着いた雰囲気の響はポーションを取り出して一気にあおる。


 それを4回ほど繰り返し、前回近くまで回復したのを確認してゆっくりと木の枝へと上がる。


 あんな馬鹿みたいに突撃ばかりするような状態では勝てるわけがない。今だけは理性と本能を拮抗させ、本能の力を理性で引き出すのだ。


 内側に今にも崩壊しそうな荒ぶる気持ちを押さえつけ、とにかく冷静にやつを倒す算段をはじき出そうとするが…


「駄目だ。思いつかん。とりあえず殴れるなら殺せるだろう」


 神無月 響は頭はいいが、残念なことに思考が脳筋であった。


『ならマスター。いい案があるわよ』


「本当?ジャッジメント」


『ええ。実はつい先程新しい力を解放できたのよ。メニューを開いてみて』


「りょーかい」


 言われるがままにメニューから装備欄を開き、ジャッジメントを選択。


 ───────────────────


【ジャッジメント】


 カテゴリー:Unique・Weapon


 マスター:ヒビキ

 

 装備補正

 体力(HP):E

 筋力(STR):E

 魔力(MP):E



 生命力(VIT):E

 速度(AGI):D+

 技量(DEX):D+

 耐久力(END):E

 理力(INT):D+

 幸運(LUK):E-

 信仰(FAI):E-

 正気(SUN):E-


 スキル:《絶対切断(ワールド・エンド)


 《断罪せよ汝が大罪をジャッジメント・アポカリプス


 ───────────────────


 随分とまぁ、かっこいい名前ですなー。

 ちなみに効果はーっと。


 ───────────────────

 《絶対切断(ワールド・エンド)

 レンジ:1

 最大補足:1


 物理防御、物理攻撃関係なく切断する。


 《断罪せよ汝が大罪をジャッジメント・アポカリプス

 レンジ:???

 最大補足:???


 敵に補足中に7分間のチャージを行うことで、相手のHP×777倍の物理・魔術・アイテム・スキル防御無視攻撃を放つ。

 再使用に現実時間で24時間かかる。


 ───────────────────


 なかなかに面倒な条件だなこれ……

 まず第一に敵にずっと発見されなきゃいけないし、7分間攻撃を耐え続けなければいけない。

 けれど、当てたら勝てるという感じか。


『正しく必殺技というところね』


「というかアイツの猛攻を7分も耐えられる自信もないんだけどね」


『なら桜子に注意を引いてもらえばいいでしょう?彼女弓を持っているのだから狙撃してもらえばいいのよ』


「なるほど」


 ジャッジメントに言われるがいなや、フレンドコールからの桜子に繋ぐ。


『はろはろ桜子ちゃんだよー』


「桜子、今どこにいるの?」


『んー、木の上だよー。あ、そういえばさー。さっき凄い音があったんだけど知ってるー?』


「それ今私が戦ってるUNMの仕業」


『わーお。1週間もしないうちにまたUNMに遭遇するなんてついてるねー』


「ツいてるのかどうか今は置いとくけど……ソイツを倒すのに桜子の力が必要なんだけど頼める?」


『いいよー。桜子さんにどんと頼みなさい!』


「よしきた。それじゃあやって欲しいことを言うね──」



 〜サクラ視点〜


「おーいたいた。大っきいねー」


 木のてっぺん近くの枝に座り、スキル《千里眼》を発動させて見えてる異形をみて、桜子はそんな感想を漏らす。


 響に言われたことは簡単で、『とにかくアイツの注意を逸らし続けること』でいくつかある狙撃ポイントの中で1番狙いやすい場所でいるのだ。


 恐らく彼女を探しているであろうUNMを監視しつつ、弓形態のカグツチに鏃が螺旋状の矢をつがえる。


 本来ならカグツチに矢は必要が無い。己の能力で火を矢にすることができるからだ。

 しかし、今番えているのは彼女のスキル《弓矢作成》により、連射性を犠牲にして威力と狙撃性能に特化させた特注の矢だ。ちなみに1本の制作費5万フラン


「えーと、響が戦い始めたらやればいいんだったね」


 桜子がそう呟くと同時、UNMのいる所で大きな砂埃が舞い上がった。


 これが開始の合図だ。


「OAaaaaaaaaaaa──!!」


 さーて、はじめようかな。

それでは誤字脱字のご報告。感想と評価お願いします!

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