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「鬼」

 「グハッ...」

 「うわあ!!」

 「な、なんだ?!...クカッ...」


 次々と魔王軍のグラン、タグリン、ハイリクン、全員が何者かに腹を突き破られる。その者の姿は早すぎて見えない。


 「錦...木...さん...ゴフッ...」

 「いいから、喋るな!...くそ!誰だ!」


 瀕死状態のシマリスの魔王が俺に寄りかかる様に倒れ込む。口からは血を吹き出している。これはまずい...内臓まで損傷している証拠だ。


 「あれぇ??まだ魔王生きてるのー?」

 「?!!」


 魔王軍全員を襲ってた奴が立ち止まった。その正体は魔王の隣にいた人間の女性秘書だった。ただ、様子がおかしい。鬼の様に頭から赤いツノが2本生え、手からは刀の形をした、カゲロウの様な気体とも物体とも言えないものがあった。


 「その息。早く止めないと、ね!!」


 その女性の秘書はものすごいスピードでこちらに向かって走り出す。表情はまさに鬼。やばい、来るぞ!くそ、俺の力じゃこのシマリスの魔王を守れない!


 「クルーシア!!」

 「うん!」

 「ガキン!!」


 俺はクルーシアを呼んだ。クルーシアはナイフを取り出し、鬼の様な女性秘書と刃をぶつけ合い、戦闘を始める。


 「カタル!皆んなを避難させるぞ!」

 「ウホ!」


 俺とカタルは魔王たちを避難させるべく、それぞれ担ぎ始めた。俺は体の大きさ的に魔王のシマリスしか無理だが、カタルは魔王軍たちより遥かに体が大きいため、ひとまずグランとタグリンを担ぐ。


 「逃がさないよ!!」


 再度鬼の様な女性秘書がこちらに向かって走ってくる。

 

 「ボカン!!」

 「あんたの相手は私!錦木の方には行かせない!」

 「チッ...この猫娘...お前には関係ない!!」


 クルーシアが女性秘書の前に立ちはばかり、道を塞ぐ。どうやらクルーシアの方がスピードが速い様だ。...よし、クルーシアなら大丈夫だろう。ごめん、いつも頼んでばっかで。...しかし、あの女性秘書、今、「お前には関係ない!」って言ったよな...。何か訳ありだな。いや、今はひとまず、こいつらを避難させないと!


 「うわぁあ!!」


 クルーシアが遠くに吹き飛ばされ、会議室の壁を吹き飛ばす。...うそ、だろ?


 「クルーシア!!!」

 「ウホーーーーー!!!!」

 「ま、待て!カタル!」


 カタルがブチギレ、女性秘書の方に向かってドラミングしながら飛び出していく。くそくそくそ!クルーシアは大丈夫なのか?!


 「うわあああ!」

 「カタル!!」


 あの大きなカタルが、クルーシアと同じ様に壁へと吹き飛ばされた。鬼の様な女性秘書の方を見ると、さらにツノが大きく、長くなり、手から伸びていたカゲロウの様な見た目をした刀が赤く変色していた。


 「どいつもこいつも邪魔すんじゃねぇよ!!」


 その女性秘書が口を開いた。くそ!どうする...。もう動けるのは俺しかいない!俺の超能力(カップラーメン)を使うにも、今のクルーシアとカタルが壁にぶつかった衝撃でお湯を入れていたやかんが倒れて使い物にならない!さっきは「お前には関係ない!」って言っていた...。って事は何かあるはず。対話だ。


 「なぜこんな事をするんだ!!」

 「私の...私の子供を返せ!!あの幸せだった日々を!日常を!!」


 女性秘書が突然涙を浮かべた。





 【残りのカップラーメン数】 286個

 「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。


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