錦木!suitは獣人にとって憧れなの!!
「錦木!このサナガラル島にいる獣人のみんなはsuitに憧れてるの!このsuitってかっこいい人間達が大事な場面で着てるじゃん!私「週刊12個の島の集い」でしか見た事なかった!!」
「ウホウホ!俺も週刊本でしか見た事ない!俺たち獣人達が着れるサイズのsuitが無いんです!体が大きかったり、小さかったり、尻尾が生えてたり、大きな肉球のついた手があって袖を通らなかったりして!」
「な、なるほど…な。」
グランとタグリンに向けていた羨望の眼差しを閉ざす事なく、そのままの顔で俺の方を向き、目を輝かせながら教えてくれた。って考えればそういえば、クルーシアにクラーク村のみんなが作ってあげたドレスってすごく理にかなってるな。ドレスも正装だし、何よりドレスは袖もない上にスカート部分が丸みを帯びて尻尾の部分のことを考えなくていい。だが正直な所、あれはドレスというよりワンピースのような感じだった。ドレスも高級品だしね。ただまあ、俺はもうスーツなんて着たくないけどね。
「錦木さんも着てましたよね?suit」
「え!!」
「ウホ?!」
グランがとんでもない事を言った。クルーシアとカタルが再度俺の方にキラッキラの目を向け、近づいて来る。なぜバレた!この感じだと裕福で金のある奴らがスーツを着たり、獣人でサイズがない場合はオーダーメイドで特注のスーツを作れるって事だよな?俺もこの世界に来て初めてスーツを見た。今まで出会った人々と、こいつらの会話からするに、ただの人間がスーツを着てるのも珍しいんだろう。俺がスーツを着てた事がバレたら村のみんなに「錦木さんは金持ち出身?もしかして…魔王の手先…?」ってなりかねない!金は人を狂わせ、性格すらも変えるんだ!
「え…別に…?着てないけど…?」
「あはは。錦木さんは嘘が下手ですね。オーラでバレバレですよ。」
タグリンが愛想笑いを浮かべた。こいつらッ…、できる!!学生の頃は「愛想笑いするやつはサイコパスだ!」「感情がない不気味なやつ!」ってなるが、社会人になればなるほど愛想笑いがいかに重要か分かる!特に上司との会話では必要不可欠!!さすが、名刺を持ってるだけはあるな…。ってか、オーラって言ったよな?今。オーラでスーツ着てたのが分かったって。
「オーラ?」
「はい。オーラです。前会った時、錦木さんの所作、言動から大人、社会人のオーラを感じ取ったんです。名前を最初に名乗るし、ダメな所はダメというし、苦だけではなく楽しみも与える。そのやり方が魔王さんにそっくりで。そして錦木さんからは何か異様なオーラも感じるんです。」
「な、なるほど…。」
グランとタグリンはまっすぐ真剣な顔をしながら、俺がスーツを着てたことが分かった理由を伝えてきた。異様なオーラか。そういえば、前回グランとタグリンと会った時も「錦木さんから異様に強そうなオーラを感じる。」的なこと言ってたな。やはり、動物というのは感性が鋭いな。でも、魔王とそっくりなのか。やり方が。なんかいい気はしないな。
「錦木!!ずるい!!金持ちだったの?!」
「ウホウホ!!」
「いでえーー!!違うっ…!金持ちの友人から…貰ったんだ!」
俺のことを引きちぎるかの如く、クルーシアとカタルが俺の手と足を持ち、引っ張りあってきた。尋常じゃないくらい痛い。
【残りのカップラーメン数】 296個
「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。
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