「スーツ」じゃない。「suit」だ。
その日はゾルビン村に泊まり、翌日の朝、ゾルビン村を出た。これから俺たちのやる事は、4日後に南西で行われる会議にパンダの獣人のグランとタグリンの協力を得て参加する為、会議の前日までに周辺環境の調査と作戦を練る事。会議の前日の夕方はグランとタグリンとゾルビン村から少し離れた川沿いで集合する事になっている。ミルトに聞いた所によると、会議が行われる場所は、ゾルビン村から7キロほどしか離れていなく、グランとタグリンとの集合地はベストポジションそうだった。
「錦木ー。この様子だと会議が行われる場所は森の中にありそうだよ。開けた場所だったり、街みたいな所は無さそうだし。」
「ウホ。」
確かに。ゾルビン村からまっすぐ南西方面にゆっくり来たが、見渡す限りは森、森林。よし、ゾルビン村から7キロ先の南西地点を円の中心地として、その周りをぐるぐると蚊取り線香のように回ってみるか。
「そうだな。よし、蚊取り線香のようにゆっくりとくるくると回りながら、休息をとりながら近づいていって、もう少し調査しよう。そして、3日後の朝、グランとタグリンの集合地に向かおう。」
「うん!」
「ウホ!」
ーーーーー3日後(会議前日)
3日後の朝、グランとタグリンとの集合地に向かった。ゾルビン村から南西に7キロの地点周辺をくまなく調べたが、特に分からずに終わった。おかしいな、かなり近づいたのに街や村、建物すら見えなかった。直線に進んだわけでもなく、ぐるぐると回ったから、見落とすとかはないはず。
「お疲れ様です!錦木さん!」
「お疲れ様です!」
は?なんだこいつら。
集合地に着くと、目の前にはビシッ!としたスーツを着たグランとタグリンがいた。グランは赤のネクタイ。タグリンは青のネクタイ。
「お前たち…なんだそれ?」
「あれ?錦木さん知らないの?会議の時は「スーツ」…あ。「suit」一択ですよ。あと、これをどうぞ。」
なんだなんだこいつら。スーツを着て「スーツ」の発音をわざわざ「suit」に変えやがった。そして名刺なんか渡してきやがったぞ。しかも名刺に「株式会社魔王企業」って書いてあったし。...そーいや、前にこいつら「営業時間外に殺傷行動してしまったことがバレる」みたいなこと言ってたな。
「どう?錦木さん。カッコいいでしょ?オーラある?」
「どう…って…。そう言われても…。」
「かっこいいーーー!!」
「ウッホーーー!!!」
クルーシアとカタルが目をキラキラと輝かせながらグランとタグリンを舐め回すように見始める。え?!ど、どういう事?
【残りのカップラーメン数】 296個
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