つーかまーえた!
「?! お前、なに捕まってんだ!」
もう片方のパンダの獣人が驚き、声を上げた。先ほど俺たちに捉えられたパンダの獣人は、足をガクガクと震わせ、ビビり始めていた。
「動かないで。声出したら切るよ。」
「ヒェッ…。」
いつの間にかクルーシアがもう片方のパンダの獣人の背後に回り込み、ナイフを突き立てていた。そしてそのまま、もう片方のパンダの獣人の手も縛り、2人のパンダの獣人を並んで座らせる。
「ガクガク、プルプル」
2人のパンダの獣人は異常なまで怯え切っていた。人間のシバリングなんてもんじゃない。バイブレーションくらい震えていた。…しっかし、せっかく少し痛めつけようとしてたのに、これじゃやる気が削がれるな。
「お、俺がやりすぎたのか…?」
今度は心優しいカタルが不安になってプルプルし始めた。違うよ!カタルのせいじゃないよ!
「錦木、なんかこの2人可哀想に見えてきた。」
さっきまで殺意マシマシだったクルーシアでさえ哀れみをかけていた。…まぁ、こんだけ震えてたらそうなるよな。パンダは本当に臆病で、争いごとが苦手だ。元々は肉食だったが、食料争いを避けるために笹や竹などの草食へと進化した。かといってこのまま返すのもなー。よし、パンダは大きな音が嫌いだったはず。
「お前ら!!」
「ビクビク!!」
俺は風呂敷から他の味よりもかやくの量が多い、シーフード味のカップラーメンを取り出し、勢い良く振りながら2人のパンダの獣人を威嚇した。シーフード味のカップラーメンは、具材が多いため、大きく振るとマラカス並みの音がする。
「ご、ごめんなさい!! 二度と悪い事はしません!!」
パンダの獣人2人は、おぼつかない足取りで逃げ始めた。
「待てー!!」
俺はそれをカップラーメンを振りながら追いかける。
「ねぇ、カタル。錦木って結構バカじゃない?」
「ウホ」
クルーシアとカタルの小言が聞こえてきた。バカだって?ってか、相槌の「ウホ」ってなんだよ!
パンダの獣人2人が突然振り返り、土下座をしてきた。
「本当にもうあのような事はしません! 許してください!!」
「よし、許そう。」
「はや!」
「ウホ!」
クルーシアとカタルのツッコミが聞こえた。元から別にこの2人に対しては怒ってはいたけど、「許さない」とは思ってなかったしね。俺が、俺たちが狙うべきは白熊の獣人だし。でもまぁ、タダで許すわけじゃない。
「ただし、条件がある。次の「会議」に俺達も参加させろ。」
「!?」
【残りのカップラーメン数】 321個
「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。
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