隠密行動
息を潜め、木々に隠れながらパンダの獣人の約10メートル後ろをついて行く。パンダの獣人達の手には、ミルジの血がびっちりとついていた。
「いつもの川で血を落とそうぜ。これで帰ったら勤務時間外に殺傷行動をしたってばれちまう。」
「だな。」
パンダの獣人2人が川で手をパチャパチャと洗い始めた。その背後を俺とクルーシアとカタルの三人で眺める。勤務時間外?魔王の手先達は労働として村を襲ってるのか?
「俺ちょっとションベンしてくるわ。」
パンダの獣人の片方が、森の中へと消えていった。よし、狙うなら今だ。
「ガシッ!」
声をあげる間がないように、素早くカタルがそのパンダの獣人に対し、後ろからタックルをし、ガッチリと押さえ、クルーシアが自身のナイフを眼の前に突き立てる。体の大きさはカタルの方が2メートルほど大きく、力も強い。これは逃げるのは無理そうだな。
「静かにして。騒いだら目にこのナイフ刺すよ。」
クルーシアの脅しに対し、パンダの獣人は特に暴れたりもせず、ビクビクと震えながら頷く。パンダは他の動物に比べると比較的臆病な部類に入る。さて、質問をするか。
「お前達、魔王の手先だな。聞きたいことはいくつかある。俺の質問に対して小声で話してもらう。まずは、さっき、ミルジをボコボコにしてたみたいだが、あれは何故だ?」
「食料と引き換えに…日頃の…鬱憤を晴らして…た。」
パンダの獣人は、カタルがかなりの力で押さえつけているようで、苦しそうな声で話した。
「なるほど。じゃあ次だ。お前達の仲間に白熊の獣人がいるだろ?そいつは今どこにいる?会議とやらにも参加してるんだろ?」
「どこにいるかは…分からない…。」
「嘘だ…!分からないはずないでしょ…!」
クルーシアが気を立たせ、少し大きめな声を出した。自分の村の全てを壊滅状態まで追い込んだやつの仲間が目の前にいるんだもんな。
「クルーシア、少し落ち着いて。」
「だって…。」
「今こいつは「どこにいるか「は」分からない。」って言ってたんだ。少なくとも何かしらの情報は持ってるはずだ。」
少し涙目になっていたクルーシアを落ち着かせ、俺は情報を聞き出そうと、押さえつけられてるパンダの獣人の顔の近くでしゃがみ込んだ。
「知ってる情報、全て話せ。」
「その、白熊の獣人は…あまり会議に顔を出さないから…そんなに他の奴らも情報を持ってないが…次の会議には参加するという情報ならある…。」
「次の会議はいつだ?」
「5日後の夜だ…。」
よし、かなりいい情報が手に入った。5日後の夜か。タイミングも良さそうだな。よし、そろそろこのパンダの獣人は解放してあげるか。まぁ、手は縛った状態でだけどね。
俺とクルーシアとカタルは、このパンダの獣人を引き連れ、もう一方のパンダの獣人の元へ向かった。
【残りのカップラーメン数】 321個
「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。
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