第三者の介入
「はぁ。よし、今回はここまでにするか。いい情報も手に入ったしな。」
「そうだな。帰ろうぜ。ほらよ、今週1週間の食糧だ。」
パンダの獣人が少し大きめの袋に入った食料を投げ捨てるかのようにミルジの前に置いた。中に入っていたリンゴが地面に転がり落ち、まるで雪だるまのように地面に飛び散っていたミルジの血を纏わり付かせる。ミルジは力を振り絞って急いでそれを自身の体毛で拭き取ろうとする。
「…くそっ…!汚れる…んじゃねぇ…みんなに渡すんだ…。」
しかし、ミルジ自身の体も血まみれ。全くもって意味がない。そこで俺は自身の服をちぎり、リンゴについた血を拭いてるミルジの目線の高さまで腰を落とし、渡した。
「ぐっ……っつっ…ふぐっ…」
その瞬間、ミルジは息もままならないほど大泣きした。俺は全てを理解した。ミルジは自分の体を犠牲にする事で村を支えてきたんだろう。周囲の村を煽りに行き、情報を得て、魔王の手先に伝えたり、魔王の手先のストレス発散を体で受けたりする事で食事を分け与えてもらう。でもその分け与えられた食事は村のみんなに配る。だから村の住民達はクラーク村の人達ほどは痩せてなかった。体についていた無数の古傷や新しい傷は、結構な頻度で魔王の手先が来ていたからだ。傷が治ってきたとしても、また新しい傷を作られて、その傷が治ってきてもまた傷をつけられる。第三者にとっては見てるだけで気持ち悪くなる悪循環。でもおそらく、第三者はいない。俺が初めての第三者。
そりゃ、こんだけ頑張ってたら、村の出来や村の食糧について、煽る程の自信持つよな。
孤独な戦い。戦う相手は自分。強者は相手の戦う相手も選べる。でも、ミルジより強い(カップラーメンのおかげ)俺に見つかって、優しくされて、今まで溜め込んでいた物が溢れたんだろう。
俺は信じられないほど魔王達に怒りを感じていた。この村だけじゃない、クラーク村、その他多くの村や町がこんな感じで被害を受けている。
ミルジは、俺に貰った服の一部で、リンゴではなく涙を拭いていた。
「よし、行くぞ。お前ら。」
「うん!」
「ウホウホ!」
実は俺の後ろを隠れてクルーシアとカタルがついてきていた。最初は気づかなかったけど、あのカタルの大きさが森の中で動いていたら流石に気づく。クルーシアがお湯を入れたシーフード味のカップラーメンをミルジの前に優しく置く。そして俺たちはパンダの獣人のあとを追う。
【残りのカップラーメン数】 321個
「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。
気に入った方は、もしよければブックマーク、↓の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎などで評価をよろしくお願いします!m(_ _)m
皆様の評価を参考にさせていただき、より良くしていきます!




