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傷に覚えてた違和感の正体

 ミルトとミルジが向き合い、少し考えたのち、負けを認めてくれた。よし!これでひとまず魔王の情報が掴めるし、争いごとは治った。よかったよかった。


 「流石錦木!」

 「錦木さん!あっぱれ!」


 少し離れたところでは、クルーシアとカタルが勝利を喜んでいた。まぁ、前回同様、ただカップラーメンを提供しただけなんだけどね。犬にとってカップラーメンの塩見は異常なほど美味いだろうし、中毒性もあるだろう。


 「で、手がかりってなんだ?」

 「ここから南西に向かうと、魔王の手先が集まって作戦を練る、いわゆる「会議」を行う場所がある。そこに魔王はいないが、確実に魔王やお前達の目当ての情報もあるだろう。俺たちが知ってるのはこのくらいだ。」


 ミルトが魔王や魔王の手先の情報を教えてくれた。よし。これで大分魔王と白熊の獣人に近づけたぞ。ただ、「会議」か。おそらく最低でも五人くらいカタルやシスみたいな化け物じみた獣人がいるだろうな。何か作戦を考えないと。


 「…」


 ミルトの隣にいるミルジがやけに顔色を変え、虚げな顔をし始めた。やっぱり、出会った時からその大量の傷を見て違和感を感じてたけど、ミルジは何か訳ありだな。


 「分かった。ありがとう。ただ、一つお願いがあるんだが、今日一晩止めさせてくれないか?」

 「なぜだ?」

 「カップラーメン1個あげるぞ。」

 「いいだろう。」


 暗くなり始めたところにミルジに出迎えられ、ひと争いしてた為、あたりはすでに真っ暗。俺はカップラーメンを材料に、クルーシアとカタルに事情を説明して、一晩このゾルビン村に泊まる事にした。


 完全に村が静まり返り、夜中を告げていた。住民達のいびきがかすかに聞こえる。よし。今だ。俺は泊まっていた家を抜け出し、村を調べる事にした。やはり、よくよく見るとあまり俺たちのクラーク村と村のレベルはあまり変わらないことが分かった。ミルジはこのゾルビン村の食い物について自信を持っていたが、村の周りには木の実くらいしか食べれそうなものはない。俺はミルトとミルジの家に向かい、所々隙間の空いている家の隙間から中を覗いた。すると、ミルジの姿がなかった。やっぱりな。


 見た感じ、村の中にはミルジの姿は見られなかった。と、なると村の外。村から少し出て、ミルジを探していると。どこか遠くから鈍い音が聞こえ始めた。


 「………ほ……もっと…」


 だんだんと声も聞こえ始めた。おそらくそこにミルジがいる。俺はその声が聞こえる方に慎重に向かった。一体何をしているんだ? まぁ、予想だけど多分いい事ではない。


 声がはっきりと聞こえるくらいの距離まで近づいた。ここで、さっきから聞こえてきた鈍い音は何者かがミルジを殴っていた音だと分かった。数メートルは離れていたが、俺の足元まで血飛沫が飛んでいた。流石に気になった俺は、様子を覗く事にした。


 「ほらほら、もっといくぜ!」


 そこでは、身長は3メートルほどありそうなパンダの獣人2人が、ミルジを殴る、蹴る、刃物で切り付けるという残虐な行為を繰り返していた。正直、見てられないほどだった。殴られた場所は黒いあざができ、切り付けられた上半身はギリギリ内臓が出ない程度になっていた。ミルジは泣く事も、悲痛な声もあげる事なく、ただ淡々と攻撃を受けているのみだった。なんで?卑怯ではあるけど、ミルジは結構強くて知的なはずだろ…?





【残りのカップラーメン数】 322個

 「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。


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