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清貧に生きる野良神官は魔物退治をしながらお金を稼ぐ夢を見る  作者: 兎野羽地郎
第四部 第十四章

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第六話 何人をも退ける壁④

 基本、ゴーレムの居場所までは一直線だ。そして、手前には恐らく小部屋に通じる抜け道がある。シアーニャにホーリー・ランス三発で打ち抜いて貰った上級のホタルで照らしながら進む。

 通路は、恐らくはカビの様なものが生えていたのだろうが、プロミネンスに焼かれたせいか、妙に綺麗だ。グレイシエイトの溶けた水が湯気の様になっている。温度の低い蒸し風呂の様だ。プロミネンスの熱で通路の温度自体が高くなっている上にホタルが熱を放っているので、汗だくになってきた。


 百歩ほど進むと、ボニーが止まった。抜け道を見つけた様だ。

 役割を変えて、サクスブルグが持っているライトの玉で照らすと、這って入らないといけないくらいの隙間が足元に空いている。通路の先には、ゴーレムの燃えた跡なのか、床が黒くなっている部分がある。


 ホタルを一個出しボニーに渡すと、そのまま入っていった。

 途中立ち上がった様だ。一段、高くなっているのだろう。


「小部屋があるよう。床に魔法陣があるねえ。壁に何か書いてあるねえ」


 ふむ。安全なようだ。

 魔法陣は恐らく魔法を込めていないテレポートだろう。落ちていた巻物でテレポート使って完成させるのだ。こうすれば、完成させるまでは、破損しない限り長期保存が出来る。


 操っていた聖水の玉を一個にまとめてメアリーに預けたエレノア様が、潜っていって調べた結果、ボニーの見つけた文字は、やはり古代文字だった。交代して見に行く。


 解放者に幸あれ


 そう書いてあった。




 次いで、ゴーレムの消し炭跡だ。

 エレノア様のリクエストに答え、クリーン・アップで綺麗にすると、魔法陣が出て来た。


「これですよ! 伝説の秘術、パペットです!」


 嬉々として書き写し始めた。


「やっぱり、禁呪の組み合わせでした。恐らくは、ドールとネクロマンシーの組み合わせですね。まさか、二つの魔法を組み合わせる魔法陣があるとは!」


 目的を勘違いしているかも知れない。


「どこかに、ゴーレムの核となった魔石があるはずです。きっと、魔法陣が刻まれているはずです」


 えーと、プロミネンスで溶けちゃったのでは……。


 はた、とエレノア様の動きが止まった。蒼白だ。ボニーが持っているホタルを奪い取る様に奥を照らすと、キラリ、と光る物が見える。


「あれです! あれに間違いありません!」

「お義母様! 危険です! まだ偵察が終わっていません!」


 ホタルを手に飛び出すエレノア様をマグダレナ様が止めようとするが、ひらりと躱す。


「ヴィルヘルミナ! 何をしているのですか! 貴女もお義母様を抑えなさい!」

「は、はい!」




 エレノア様が院長先生の簡易結界を持って来ていたので、休憩する事にした。

 どうも本来の目的から逸れ始めたエレノア様だったが、無事に魔石を確保した。想像通り魔法陣が刻まれていたので、本人はご満悦だ。


「疲れましたね」

「はい……」


 マグダレナ様とヴィルの息が荒い。流石は元英雄だ。追いすがる二人の手をかいくぐり、魔石にまで到達してしまった。


「ジャンヌのホタルがあるのですよ。大丈夫です」


 人が作ったホタルを見せびらかしている。


 えーと、エレノア様が持っているのは強化していない方ですよ。残念ながらそれではレヴァナントは倒せません。


「そうなのですか?」


 大分冷静さを欠いていた様だ。


「まあ、いいじゃありませんか。無事に魔石は手に入ったし。他に何かがいたとしても。きっと私のプロミネンスで燃えてしまっています」


 全く、これだから魔法使いは……。




 エレノア様の奔放さは兎も角も、そこから先は流石の元英雄っぷりを発揮した。

 何匹も出て来るゴーレム相手に、なるべく魔法を使わない様に工夫して相手の動きを止め、前衛の持つ白銀の武器でとどめを刺し、土に変えていった。同時に魔石も回収するから一石二鳥だ。マグダレナ様とヴィルの苦労は全く報われなかった事になるが、仕方ないのだろう。


「ジャンヌの作戦が当たりましたね。こうも数が多いと属性魔法では対処出来ませんでした」

「いえ、マグダレナ様がおっしゃった、女性神官に攻略させる、という言葉に沿っただけですよ」

「確かに私はその様な事を言いましたが、即座に戦術に転換出来るジャンヌが凄いのですよ」


 元王妃と現王妃に褒められるのは、魔物退治屋としては嬉しいものだ。

 なにせ、ゴーレムの数が多い。軽く十匹は越えた。プロミネンス十数発なんて、とても無理だろう。五十歩ずつ間隔で左右どちらかに曲がる角があるのだが、必ずその曲がり角の手前にいる。レスリングをするかの様に身構えていて、ゆっくりゆっくり近づいて来る。

 図体がデカいから、倒さないとその先がどっちに曲がっているかも分からない。


 まずは強化したホタルで相手の前進を止めた。魔法陣との併用で発動された魔法は大量の魔力を使うので、結果的にゴーレムの魔法防御も高くなるらしく、強化したホタルといえど簡単には倒せない。こちらは一回につき二時間しか持たない。効率を無視するわけにはいかないのだ。


 両腕を上げて顔を庇い、唸り声を上げ、ぶすぶすと体中から煙を上げているゴーレムに、玉に込めたオーバー・フローを何発か放ち追加のダメージを与える。両手両足を、ボニーが白銀の矢で狙い土に返す。無防備になった頭を、エレノア様が操る聖水の塊から、樽程度の大きさの聖水を引っ張り出したメアリーが浄化する。聖水の塊は皆の背後にあるから後ろの守りも安全だ。動かない胴体だけになったところで、前衛が突撃して全てを土に返す。


 私のホタルは照らしっぱなし、エレノア様もクランプ・ウォーターを使いっぱなし、ミアーナがフェイヴァラル・ウインドをつけっぱなしだが、それを除けば一匹につき使う魔法は無い。矢も回収できるし魔石も拾える。

 前衛の突撃前に、サクスブルグが練習よろしくファイアー・ボールを放ち、ミアーナとコラボした高速火球攻撃でゴーレムにダメージを与えるおまけ付きだ。


 しかし、再度前進を開始して、そろそろ二時間になる。一回目の魔法切れが近づいて来た。聖水の塊も小さくなって来た。この先どれだけのゴーレムが居るのか? 


「私の予想では、そろそろ展開が変わるはずです」


 エレノア様だ。何か考えがあるのだろうか?


「ここは、魔王の洞窟の様に人間を殺すための場所では無いはずです。秘宝を後世の者に伝えるため場所のはず。であれば、この戦いは、いわば修行の様なもの。白銀の武器が無いと想定すれば、これだけの数のゴーレムを倒すのは、神聖魔法主体の攻撃になります。そして、攻撃よりも守備を重視せざるを得ない前衛には支援魔法をかけるはず」


 そうか! 魔法が持つのは一回二時間程度。その時間内で倒すと二回目を使わずに済む。


「そう言うことです。マグダレナの予想が当たっていれば、の話ですが」




 エレノア様の予想は当たっていて、十七匹目のゴーレムを倒すと、その先には石の扉があった。ボニーが調べて、ベイオウルフが押すと、簡単に開いた。

 魔族の女の子がいた場所と同じ広さの部屋に出た。

 女神様を掘り込んだ大石がある。


「サクスブルグ。ライトは解除するわ。玉に込めたのも。だから、ファイアー・ボールで灯りを取って貰えないかな」


 皆、不審げに私をみるが、言った通りにしてくれた。


「もう出て来ても、大丈夫よ」


 声を掛けたその時だ。


「お疲れ様でした」


 石像の後ろから声がして、魔族の女の子が出て来た。


 皆、びっくりしている。私自身、この娘がいる事に自信が持てなかった。外れていたら、随分とおまぬけな事になっていた。恥をかかずに済んだのは良かった。

 恐らく、平たくなっている女神様を彫り込んだ石の上に抜け穴でもあるのだろう。一人分ならそう大きくは無い。余程の不信心者でもない限り、女神像をよじ登ったりはしないはずだ。それに、いきなりよじ登った者は、魔族の女の子に殺されたに違いない。


「ライトの魔法を解除したと言う事は、ジャンヌはこの娘がいる事が分かっていたのですか?」

「なんとなくです。壁に書いてあった解放者の意味を考えてみたんです。この娘を契約から解放する者を指す事以外、私には思いつきませんでした」


 エレノア様に答えを返すと、魔族の女の子が飛びついて来た。




 魔族の女の子が古の巫女の一人と結んだ契約は、門番では無くメッセンジャーだった。


「つまり、貴女は巫女の伝者になるのですか?」

「正確には、条件を満たした者にこの巻物を渡す役割よ」


 巻物を一本突き出して来る。


 広げると古代文字で何やら記されているので、声を上げて読み上げた。


 最奥の部屋にたどり着きキーラを解放した者に、レペレントの発動を助ける秘宝を授ける。五人の巫女の力の宿る石を探し求めよ。


 そう書いてあった。


 その下には、男共に関しての記載が並ぶ。やれ戦士は脳みそが筋肉だの、神職につく者は欲深だの、魔法使いは変人しかいないだの、そのくせ女性を出産する道具扱いしているだの、と悪口雑言が並びたててある。最後の方には、絶対に男に秘宝を渡すな、とまで書いてある。


 そう言えば、ここを探索する前に、カドガン様が言っていたな。プライモルディアでは、貴族しか神官になれないとか、特に戦争前の体制は考え方が古く、女子は早めに結婚して子育てにいそしむのが良いとされているとか、そのせいで魔物と戦える女性の育成という意味では様々な制約がある、とかなんとか。もしかして、五千年以上も前からそうだったのか?


 古の巫女は、フィニスでは水竜と共にその地の守護者として扱われていた。反面、プライモルディアでは、随分と腹立たしい思いをしたのかも知れない。

 大体、自国の王族まで排除する古代人の会合とか勿体ぶっている割には、人手が無くて、王族出身のシアーニャが代表だったりする。

 改革を進める、とか言う話だったし、国王様やカドガン様に一言くらい言っといた方が良いかも知れない。


「キーラと言うのは、貴女の事ですか?」


 キーラは、黒い何かを表す言葉だ。通常なら黒石の事を想像するのだろうが、解放者の意味を取り違えなければ魔族の女の子になる。この言葉は、時折、黒髪の女の子の名前としてもつけられる。確かに黒髪だ。まあ、それ以前に全身が黒い毛で覆われているのだが。


「私よ。巫女様が名前を付けてくれたのよ」


 エレノア様が聞くと、魔族の女の子がはにかんでいる。


「つまり、貴女を解放すれば良いのですね?」

「どうかなあ? 私は答えを言っちゃいけないの」

「分かりました。しかし、どうすれば良いのでしょう? あ、いや、もう解放されている……」

「そうよ。ここまでたどり着いたジャンヌと契約済みだもの」


 そうだっけ? 

 えーと、私が農場に来る様に誘って……。

 そうか! 兎や栗鼠に憑依して生け捕りにして飼育して貰える場合、見返りとして住む場所と三度の食事を保証したんだ。使役の代わりの対価……あれは、確かに契約だ。


「じゃあ、うちの農場に来るのね?」

「はい。お世話になります」

「そっか、良かった。兎担当よ」

「うん。任せて!」


 新しい仲間が増えた。魔族は初だが魔王軍とは関係が無い。問題は無いだろう。エレノア様とマグダレナ様が了解してくれたのだ。


 秘宝の事を聞くと、ついて来いと言う。

 ついて行くと、女神様の石像をよじ登る破目になった。天井の出っ張りに隠れる様に小さな穴がある。細身の女性にしか入れない大きさだ。因みに、ベイオウルフとヴィルは無理だったので、マグダレナ様、ミアーナ、サクスブルグにメアリーと一緒に残って貰った。穴を這い上がって行くと、床に魔法陣が描いてある場所があった。キーラが巻物を取り出して魔法を込める。


「テレポートよ。合言葉は人間の言葉で、運びなさい、よ」


 大きさ的に全員は無理だったので、シアーニャとボニーを残し、エレノア様と私が魔族の女の子と一緒に跳んだ。


「ここは、どこなのですか?」


 エレノア様が聞くと、かなり東に跳んだところだ、と返ってきた。


「東に険しい山地があるでしょ。きっとあの辺」


 つまり、海の原で見たドラゴンの尻尾の付け根……エングリオとの国境付近のどこかでは無いか? だとすれば、やはり黒石があるはずだ。


 エレノア様を見ると、同じ考えのようだ。安心したような表情をしている。


 魔法陣の部屋の隣にもう一つ部屋があり、また女神様の石像がある。

 と言う事は黒石の場所も大体分かる。場所は秘密だ。申し訳ないが、二人に帰って貰い、ライトで石像の下を照らすと、台座の下の小さな石が一個消えた。手を差し込むと、革袋に入った角が丸くなった薄べったい四角形の黒石があった。四つ目だ。これで、虫よけ魔法が上級になるはずだ。


 テレポートで帰り、皆に黒石を見せる。


「鍋は用意出来ますか? 秘宝の発見と新たな友人との出会いを祝して乾杯をしましょう」


 エレノア様が言ってくれて、皆で鍋を食べる事にした。




 街道クッキーが通じたのだから、鍋は絶対に通用する。しかも、レグネンテスの牛の乳で作ったチーズを入れたチーズ鍋だ。

 キーラは、涙ぐまんばかりに喜んでくれた。


「人間って、本当に凄いね。これイノシシでしょ? こんなに美味しくなるんだ!」

「食材加工しないの?」

「しないよ。だって、味は落ちるけど焼いただけの奴が一番簡単だもの」


 なるほど。理屈だ。


「でも、普段森で兎に憑依している時は葉っぱ食べるんでしょ? エンバクも籾のまま食べるし」


 サクスブルグだ。最近、兎を飼っているから、餌にも詳しい。


「憑依している時は、なり切っているのよ。だから葉っぱでも美味しいわ」


 ごく普通に兎として暮らしているらしい。ただし、やはり動物には分かる様で、狐や狼に襲われる事は無いそうだ。


「では、人間の猟師が最大の天敵になるのか?」


 ヴィルだ。相変わらず表現が大袈裟だ。


「まあね。でも、罠なんかすぐに見破れるわ」


 敵はキツネやオオカミと言った魔獣らしい。ただし、昼間だけだ。


「そう言えばあ、時々猟師が来たら直ぐに逃げてえ、罠にも全然掛からない、凄く頭の良いのがいるねえ」

「きっと、低級魔族が憑依した動物よ」


 ボニーが言うには、森の主の様な動物がいて、猟師も追いかけたりはしないそうだ。

 追わない方が正解だろう。猟師は、何となく近づいてはいけない相手であることを見抜いているのかも知れない。


 ところで、一つ問題と言うか、解決しなければいけない課題がある。

 ミアーナとシアーニャだ。この二人は、農場の宴会に参加していない。

 デューネやメルと遊んだことのあるミアーナは、まあ大丈夫だろう。だが、シアーニャは何も知らない。


「あのね、シアーニャ。私はこの島に住む色々な生き物と仲良くしているの」


 今まで、何も言わずにいてくれてはいた。女神様の誓約があるとはいえ、今度は魔族だ。反発されても可笑しくはない。


「はい。夕べ、カドガン様にご一緒頂いたうえで、ハリス様から伺いました」

「へ?」


 ハリス様は、私が遺跡の中で知り合った何者かと仲良くなるかも知れない、と言ったそうだ。

 エレノア様を見ると、ウィンクして来た。

 流石は大魔法使い、お見通しだったわけだ。


「事前に教えて頂いていたので、キーラの事も驚きはしましたが、そういう人なんだなあって思いました」

「そういう人……」

「ジャンヌ神官は、女神様の教えである共存共栄を地で行く人で、敵も味方も無い方だと教わりました。例えば、魔族や魔物は教会の敵と呼ばれています。でも、その敵とさえ仲良くなれる方だと。だから古の巫女の魔法を受け継いだ。ハリス様は、そうおっしゃっていました」


 ニコニコしている。


「そうなの?」


 古の巫女と面識があるキーラに聞くと、そうかも、と返ってきた。


「ジャンヌ見ていると、巫女の事思い出すもん。雰囲気がそっくりよ」


 ちょっと、待て。私はあんなに男性の悪口を言ったりはしないぞ。




「古の巫女とは、どういう方だったのですか?」


 エレノア様が聞いた。


「うーん。なんて言ったらいいのかなあ。なんかね、魔族も人間も精霊も関係なかったなあ。それ以外はごく普通の人間だったなあ。でもね、一緒にいると何故か安心出来たの」


 思い出し笑いなのか、嬉しそうにはにかんでいる。

 実際に魔法を使っているところは、ほとんど見なかったそうだ。


「初めて出会った時は、真冬だったわ。食べる物が見つからなくて、お腹が空いて、不用意に人間の食料庫に手を出しちゃったの」


 野兎の姿で食料庫を獣から守る罠を解除した。お腹が膨らんだ後、もう一つ解除した。面白くなって幾つも解除していたら、木の棒や剣を持った人間に囲まれたらしい。

 村人もびっくりしただろう。どう考えてもただの兎では無い。


「囲まれて掴まっちゃったの。様子を見に来た巫女が、私が引き取りますって言ってくれて。そのままおうちに連れて帰ってくれて、面倒見てくれたの。私は、兎に憑依して、寝たい時は元の姿に戻って寝床で寝て。いつでも好きな時におうちに出入り出来たわ。いつも、美味しい物作ってくれて一緒に食べたなあ。なんかね、丁度今みたいよ」


 何年か一緒に暮らした後、この遺跡を作った。安全だし食いっぱぐれないから、と契約を結んだらしい。そして、巫女は亡くなり、伝者として遺跡に入った。遺跡は地元の人の手で守られた。一人だったが、一日一食の供物と野鼠を食べる事が出来た。遺跡は野鼠が出入り出来るような小さな穴が空いていて、最初に出会った所を起点に色々な場所に繋がっているらしい。外にも繋がっていて、野鼠が中に入って来た。その野鼠に憑依して穴をくぐり、外の空気を吸う事も出来た。契約があるから遠くへは行けない。祠の傍には人間がいる。外に出ている時は人目につかない様に憑依したままで過ごしていた。


「必ず迎えが来るから、その時は新しい契約を結んでその人について行けって」


 そう言って私にくっついて来た。

 まさか、五千年以上も待つとは思いもしなかっただろう。

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