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17時35分〜18時 

玄関を出て、風除室に入る。


私の家は戦前に建てられたもので、そこそこの広さがあった。


冬には雪が降るため、風除室が設置されていた。


2歩ほど進み、風除室のスライド式ドアを開ける。


少し開けた瞬間に、ものすごい風がこちらに向かって吹いてきた。


それも2秒ほどで、すぐに風は止んだ。


外に向かって一歩を踏み締める


久しぶりに外に出た。


靴の上からでもわかる石の感触に、なぜだか感動を覚えた。


そのまま一歩一歩と進んでいき、家の敷地からやっと出た。


歩道を歩き始めた。


久々に深い呼吸をする。


とても綺麗とは言えないが、虫らと共に吸う室内の空気よりかは幾分かましだった。


空を見上げてみる。


今にも泣き出しそうな黒い空。


轟音と共に飛び去る軍隊の飛行機。


緑に塗られたその機体には、赤と黄色の国旗がペイントされている。


ため息を吐き、配給所に向かう。


いつもは車に乗ってゆくが、今日は歩いてみる気分になった。


一回一回足を動かし、前に進むのは悪い気分ではなかった。


先ほど顔を出した太陽はサンサンとこちらを照らしてくれて、

道を走る車の騒音さえも気にならなくなった。


少し踊りたくなってきた。


私が小さい頃はまだ豊かであったために、私はダンスの教室に通っていた。


その頃の記憶が蘇る


あの頃は母もいた。父もいた。


姉は都会に行っていなかったし、家に帰れば猫が出迎えてくれた。


ぼんやりとそんなことを思っていた。


「昔は良かったな」


そんなことを言って足を止めると、足首に毛がふれた。


毛といっても、ブラシのようなごわついた毛だった。


すぐに下を向く。


野犬だった。


私の左足に噛みついている。


野犬の口から、だらだらと血液が出ている。

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