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17時34分

私は東北の小さな街に住んでいる。人口は5万人ほどだが、私にはそれが全世界だった。


少なくとも今の私に友人はなく、しかし友人がいないからと言って不幸なわけでもなかった。


もっともこの街に同年代の数はとても少なく、歩道を見れば老人だらけ。


今この街にいるすべての人も、数年後には数が減ってさらに少なくなるだろう。

私は今年、42年に二十歳を迎えた。


今、のこの国はとても貧相で、国土のほとんどが大陸に持っていかれた。


今の時点でこの国は、「国」から「土地」に成り下がろうとしている。


そんなことを思いながら棚から靴下を取り出す。


包んであった靴下を広げて、足にピッタリと張った時に見えた。本来布に包まれている部分から、肌色の皮膚が見えている。


「まあいいか」


一人でそんなことを呟き、立ち上がって玄関まで行った。足で靴に触れると、靴の下から小さなコオロギのような虫が逃げていった。


私はそれを見て見ぬふりをして、靴に足を突っ込んだ。


それだけではなかなか足が入らず、右手の指を使って両方の靴に足が入った。


鍵箱から家の鍵を取り出し、玄関の扉をあけた。



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