↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四季王の山  作者: れんP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/24

第2話「山の四季王」


山をもらった私は、その山を登ることにした。


「結構、きつくはないかも? でも、この階段長い……」


私は舗装され、整備されている山を登る。誰かが手入れしていたのだろうか? 道が綺麗で進みやすい。


「それにしても、なんで、おじいちゃんは私にこの山を相続させたんだろう……そこが今日一番の謎かも」


「そういえば、小鳥の鳴き声がたくさんするな」


そう思いながら、山を歩いていると、小動物や小鳥の鳴き声がさらに聞こえてきて、森の風景とも重なり、幻想的だった。


「うん、悪くないかも」


そう思っていると。


「あ、頂上かな」


光が差していた。頂上に着いたようだ。


「ッ」


木々の葉に遮られていた光が勢いよく差し、一瞬、とても眩しかった。


少ししてまぶたを開けると、少しだけ広い空間に、中央にご神木のような大樹が鎮座していた。


「おっきい……」


そう、思った。


私はその大樹に近づく。


「しっかりしてる……樹齢何年くらいだろ?」


そんなことを考えていると、目に留まるものがあった。


「祠?」


そう、小さな祠のようなものがそこにあった。


木製で、所々に苔のようなものが見える。


私はしゃがみ込み、その祠を見る。


「……なにか祀られてたのかな」


そう、思ったとき。


「やっと来たか、人間」


「え?」


声が聞こえた。


私は慌てて周囲を見るが、誰もいない。


「気のせい?」


「気のせいではない! わらわは上じゃ、上」


その声のとおり、上を見ると。


「え、幼女」


思わず声が出て、のけぞる。


幼女がいた。長い白髪にどこか神々しい服を着た幼女が祠の上に浮いていた。


「誰が幼女か!」


浮遊する幼女は、そう言い降りてくる。


「わらわは四季王じゃ! 覚えておけ」


これが、幼女、もとい四季王との出会い。


「えっと、四季王、さん? 聞いてもいいでしょうか」


「うむ、言うてみい」


「四季王さんは、なんなんですか?」


「ん? それはどういう意味じゃ?」


わかりづらかったかな?


「いえ、ここの神様、なのかな~って」


「なんじゃ、そんなことか。そうじゃ! わらわは神様じゃ!」


(……)


「? どうしたのじゃ」


「いや、神様とか、本当にいるんだな~って思いまして」


「ん? あぁ、最近の人間はそういった存在を信じんと、あの人間が言っておったな」


「あの人間?」


「お主のお祖父様じゃ。あの者は、わらわの善き話し相手じゃった」


「そうなんですね」


「あぁ、信じない者には見えんだけで、そういった存在はいるのじゃ。今の人間はそれを『妖魔』と呼ぶ」


妖魔、始めて聞いた。


「神様も含めて、ですか?」


「そうじゃな。混同させとる者もおるようじゃな」


「そうなんだ。あ、おじいちゃんが私にこの山を相続させた理由とかって、わかったり……」


「ん? そんなことか?」


(そんなことって)


「あやつがお主がわらわの山の持ち主にふさわしい、そう言っておった。じゃが、理由は知らん」


「そうなんですね」


「じゃが」


「?」


「わらわにはわかる。お主、生命の色が濃いのじゃ」


「濃いと、何かあるんですか?」


「そうじゃな。悪い妖魔も良い妖魔も、寄ってくるようになるのじゃ」


「悪い妖魔って」


「悪い妖魔は人に害を成す。危険じゃ」


「……」


「じゃから、頼まれたのじゃ。お祖父様からな。お主を守ってほしいと」


「……おじいちゃんが」


「そうじゃ! それで、頼みがある。ここで暮らせ」


「……はぁっ!?」


「その方が守りやすいからの」


「いやいや!? 学校とか家とかあるし!」


「む、そうか。なら、時間があるうちはここでわらわの土地や祠の手入れを頼もう。この頂上の空間だけで良い」


「……わ、わかりました。でも、移動は」


「あぁ、それなら、……」


四季王は両手を合わせ、なにかを唱えた。


「ーーーーーーはっ!!」


その声と共に空間が揺らぎ、見たことのある場所が見えた。


「あ、私の部屋」


「うむ、繋げたから、いつでも来れるぞ。それと、わらわもお主に付いていくことにしたから、よろしくなのじゃ」


「急ですね」


「元々ここいらはわらわの土地。その土地に暮らす者を守るのも役目じゃ」


四季王さんはそう言って笑う。


不思議と嫌じゃなかった。


「そういえば、四季王さん」


「なんじゃ?」


「名前は?」


「四季王が名前じゃ」


(そうなんだ。でも、呼ぶとき困るかも……あ)


「じゃあ、今度から四季ちゃんでどう?」


「ちゃ、ちゃん!? わらわは子供では!」


「別に良いじゃん、可愛いし」


「わらわは可愛さなど求めておらん! 取り消せ~~!」


そうして、四季王さん、もとい、四季ちゃんとの生活が始まった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。