第13話「学校案内と視線」
昼休み。
「そうだ♪ この学校を案内するよ!」
圭ちゃんが立ち上がり、急にそう言った。
「どうしたの? 急に」
「だって、神名ちゃんは来たばっかりでしょ? 移動教室とかあったら困るかもしれないし、だから案内!」
「………うん、お願いしようかな」
「うん♪ 早くね!」
そう言い、圭ちゃんは早く行こうと急かしてくる。
「わかってる、行こ」
「うん♪」
そう言い、圭ちゃんについていく。
「………」
シュンッと影が通り過ぎた。
その気配に気づかぬまま、階段を下り、1階に到着した。
「下駄箱のところからね、こっちだよ♪」
「うん」
「ここが事務室。あっちが職員室と校長室♪」
圭ちゃんが歩き出す。
「ここは保健室♪ とっても優しい先生がいるの♪ 怪我をしたときはここに来るといいよ」
「うん」
「じゃ、次は2階だね」
そう言われ、2階に向かう。
「ここらが1年の教室で、………ここが家庭科室で、あっちが図書室! いろんな本がいっぱいあるよ♪」
「勉強するのに良さそう」
「でしょ♪」
そのまま、3階に上がる。
「ここは2年生の教室があるよ」
「なるほど」
「神名よ、いつ言おうか迷ったが、何かにつけられておる」
(え?)
「オーラからして妖魔じゃ。しかも、偵察を目的としたタイプと見る。どうする?」
(何もしてこないなら、別に。今、案内してもらってるし)
「了解したのじゃ」
「あの〜? 聞いてる〜?」
「え、あ、なに?」
「ここが美術室で、あっちが音楽室だよ?」
「あ、うん、そうなんだ……。どんな楽器があるのかな」
「色々あるよ♪ 次は4階だね」
「うん、お願い」
そして、4階に上がる。
「見てみて♪ 4階だから眺めが最高だよ」
窓から外を見る。
「わぁ」
そこから見る景色はとてもいいものだった。
(たしかにの、絶景じゃな)
「でね♪ ここが3年の教室たちで、あそこが情報教室、パソコンの部屋で、向こうが理科室♪」
「4階にあるんだ」
「だね♪ とまぁ、あとは屋上があるよ」
「屋上、行けるの?」
「もちろん♪ 行く? もう少し時間あるし」
「うん」
「じゃあ行こ〜」
そう言った圭ちゃんに私はついていく。階段を駆け上がり、屋上の扉を開ける。
「わぁ」
「ここからの景色も絶景じゃな。お! わらわたちの山が見えるぞ」
(ホントだ)
視線が近づく。
「…………」
誰かが、視線の正体である妖魔の目を借りて、見ている。
「あの娘か。たしかに、あの娘に憑いている者はオーラが強大だな」
場面は屋上に戻る。
「やっぱり、屋上は涼しいね♪」
「うん」
「……っ」
圭ちゃんが後方を一瞬見た。
「どうしたの?」
「いや? なんでも♪」
圭ちゃんが指を動かした。
「ん?」
(四季ちゃん? どうしたの?)
「視線が、消えた」
(え?)
「ふふっ、いくら敵意がないからと言って、女の子を覗いたらダメだよ♪」
「圭ちゃん? 今なんて?」
「ううん♪ なんでも♪」
キーンコーンカーンコーン……。
「あ、チャイム」
「戻ろっか♪」
「うん!」
「なんだ!? 急に映像が途絶えたぞ!?」
映像を見ていた人たちが驚きの声を上げる。
「もしや、バレたのでは?」
「いや、あの妖魔は気配断絶にも特化している。そう簡単にバレるわけは………」
「では、どうしますか?」
メガネの男が言う。
「…………」
しばらく沈黙する。
「じゃあ、直接会ってきなさい」
「ですが………わかりました、私が行きましょう」
メガネの男が出ていった。
「さて、どんな子かしら?」




