第11話「妖狐と妖狸」
翌朝。
私は朝早くに山に行き、管理をしていた。
(※学校に行く準備は済ませてるよ)
「朝早くから精が出るのう」
「学校に行くための準備物は部屋に置いてるから。それに、まだ学校に行く時間じゃないし」
「まだ日が昇って間もないからの。母上はよく許してくれたのじゃ」
「まぁ、あの人、娘に甘いとこあるし、ははは……」
「見ていて感じていたが、やはりなのか。噂に聞く親バカというやつかの。厄介なやつじゃな」
「まぁ、ちゃんとしてるとこもあるよ」
「その顔、そのようじゃな」
「?」
「顔が緩んでおるぞ」
「あっ」
緩んでしまっていたようだ。顔が熱い。
「人間だ!」
「人間だぞ〜!」
突然、声がした。
「え?」
「ん?」
振り返ると、そこには……。
「狐と狸?」
「ふむ、妖狐に妖狸か」
妖狐? 妖狸?
「妖魔?」
「あぁ、獣が妖魔となったもの、これを妖獣と言う」
「妖獣……」
2匹を見る。
「可愛いかも」
「可愛い? 可愛い?」
「オイラたち、可愛い?」
「うん♪ 可愛い」
「こ奴らは化かすことを得意としておる。物や人に化け、脅かすのじゃ」
「へ〜、なんかすごい」
「わ〜い♪」
「褒められた♪ 褒められたぞ♪」
2匹がぴょんぴょん跳ねて、はしゃいでいる。
「ねぇ、君たち、ここに住んでるの?」
「そうだよ♪」
「そうだぞ」
「ここは、妖魔や神の力を増幅させる霊脈が強くてな、こういった妖魔も住み着くのじゃ。別に悪い妖魔でもないのでな、放置しておる」
「君、だれ?」
「新しい人間か?」
「あ、うん。この山の持ち主になった、周防 神名っていうの。この神様とはお友達なの」
「そうなんだ! 私は栞♪ よろしくね♪」
「オイラはマメ。よろしくな!」
「うん♪ よろしく」
「それで、神名は何やってるの?」
「落ち葉掃除だよ」
「私もやる!」
「オイラもやるぞ」
そう言った狐狸たちは、尻尾を使い、あっという間に終わらせてしまった。
「早いね、ありがと」
「お安い御用だぞ」
「このくらい朝飯前よ」
「うん、ありがと」
「あ! 狩りの時間だぞ!」
「そうだった! またね! 神名!」
「あ、うん」
行っちゃった。あれ?
(そういえば、四季ちゃんは?)
空間が歪み……。
「ここにおるぞ」
「わぁっ!? どこから出てきたの!?」
「あぁ、少し神室に用があってな、これを渡そうと思ったのじゃ」
四季ちゃんが手を出す。その手には、お守りのようなものがあった。
「これは? お守り?」
「あぁ、もしもの時のため、わらわの力を込めた護符のようなものじゃ。1度だけなら、わらわがおらずとも守ってくれる」
そう言って、私に渡す。
「うん、ありがと」
「して、そろそろ行く時間じゃないのか?」
「あ!? 行かなきゃ!」
そう言って、慌てて家に向かう。
これもまた、私の変わった日常だ。




