有紗は性獣⑧
有紗の家に着くと、有紗は俺に、先にシャワーを浴びるように言ってきた。
俺は有紗に言われた通りにシャワーを浴びた。有紗の匂いのするシャンプー、リンス、そしてボディソープ。有紗と同じ甘い匂いに、俺は思わず頭がクラッとした。
シャワーから上がると、俺は有紗の寝室に行った。すると、有紗は俺と入れ替わりでシャワーを浴びに行った。有紗の寝室に一人残された俺は、有紗のベッドに寝転んでずっと天井を眺めていた。
有紗がシャワーから戻ってきた。有紗は白色のモコモコのパジャマに身を包んでいた。
有紗は自分の髪をわしゃわしゃとタオルで乾かしながらベッドの縁に座った。俺は寝転んでいたベッドから身体を起こすと、無意識的に有紗に鼻を近づけていた。
「どうしたの、そんなにクンクン嗅いで」
シャンプーやリンスやボディソープ自体も良い匂いだったが、それだけじゃなく、有紗自身が良い匂いなんだと気づいた俺は、もう我慢ができなくなっていた。昨日の夜、有紗との一線を超えてしまった俺は、そのときからもうタカが外れっぱなしになっていた。
俺は、有紗をベッドに押し倒した。そして、押し倒した有紗の上から馬乗りになった。有紗は一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに微笑を浮かべた。有紗の手が、俺の首の後ろに回された。有紗は、俺をぎゅっと抱き寄せた。俺は、そうして有紗の胸の中に埋没した。
そこから、俺達がお互いに全裸になり、セックスが始まるまでにはそう時間はかからなかった。
俺達は、昨日の続きと言わんばかりに互いの身体を貪った。でも、今回は俺が主導で事を進めた。有紗はされるがままだった。有紗に好きなように性欲をぶつけた俺は勿論のこと、俺にされるがままの有紗自身も、満ち足りた表情を俺に見せてきた。有紗も喜んでくれていることが、何よりも嬉しかった。
昨日の疲れもあってか、今日は一回しか出なかった。
事後、俺達はベッドの中で他愛もない話をした。後から振り返ったとき、どんなことを話したのかも覚えていないようなそんなどうでもいい話を。あぁだけど、ひとつだけ、後から振り返ったときでも思い出せるような話があった。
「ねぇ大翔、天国って信じてる?」
布団の中で下着だけ身につけて身体を寄せ合っていると、突然そんな言葉を耳元に囁かれた。俺は有紗を抱き枕のように強く抱き締めながら、有紗の胸の中に顔を落としていた。俺はその有紗からの質問に答えた。有紗の胸の中で、俺の言葉が籠もった。
「信じてるよ、意外と」
「じゃあ訊くけど、大翔の想像する天国って、どんな感じ?」
「う~ん、なんだろうな……花が沢山咲いていて、温暖な気候って感じ?」
「普通だね。でも、私もそう思ってるよ。沢山の綺麗な花に囲まれて、平和に過ごす。とても素敵だよね。大翔はさ、お花って好き?」
「好きだよ、意外と。良い匂いするものはなんでも好きかも。勿論、有紗の匂いも好き」
「ふふっ、ありがと」
俺は、そんな好きな有紗の匂いに包まれながら、眠りに落ちた。




