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チェリーさんの視線。


紅乃(この)ちゃんと紫乃(わたし)は双子だ。

2卵生?って言うのかな。そっくりという訳じゃない。


生まれたときから、隣には可愛い紅乃ちゃんがいて、私は可愛くなることを諦めた。


男の子っぽく振る舞えば、紅乃ちゃんを守れたし、男の子たちと遊んで、女の子達からもちやほやされて楽しかった。


お母さんには、いつも怒られていたけど……


小学校を卒業したくらいから、背も延びなくなり、体つきも変わってきてしまった。やっぱり紅乃ちゃんとは、血の繋がっている姉妹だった。どんどん可愛くなっていく紅乃ちゃんと同じように、私も小さくて……、要するに女の子の体型になってしまっていた。


でも、可愛さでは、紅乃ちゃんには勝てないし、今までのキャラを変えることもできない。


高校生になって、今できあがったのは、ただの小さくて生意気な女の子だった。


そんなのカッコよくも、カワイくもない。隣のひたすらに可愛い紅乃ちゃんと比べたら、……失敗作って感じ!


好きな男子って言うのもいなかった。

私が好きなのは、紅乃ちゃんだけだし。たまに紅乃ちゃんを諦めた男子から告白はされるけど、そんなのこちらから願い下げだしね!


LGBTなの私?って思ったりもしていたんだけど、…


でも、私、今少なくともLではないことが、わかったよ。


赤い学生服の、サクランボの魔法使いさん。

注がれる彼のちからは温かくて…

防御するスキルない癖に、敵からの攻撃をさりげなく庇ってくれた。

挙げ句に、自分が犠牲になって、逃げろ!なんて。


顔も格好いいし、好きになっちゃったな!


それなのに……

覚醒したペアーちゃんを見る目!なんかイヤらしいし…

お尻さわっているし…


……痴漢なの?


だから

「あーあ、庇ってくれて、カッコ良かったのになぁ!」

って、思わず呟いてしまったんだよ!

かなり大きな声で!!


ーーーーーーーーーー


チェリーさんは、それでもカッコいいですよ!

ん、誰にいってるんだ(リノ)


でも、めっちゃ見てたなぁ。

お尻も触られた!

まぁ、チェリーさんなら……

もっと触ってもらっても、良いかな…


元に戻った私は、下を向く。

体型ももとに戻っていて、少し…

うん、少しだけだよ、残念です。




敵を倒した時の会話を思い出す。


「リノっ!覚醒したんだ!言葉が見つからない。…とりあえず、おめでとう。」


納豆を撃破した後、ナシオが言ってきた。


「…覚醒?」

なんだろう?この大人になった姿となにか関係があるのだろうか?


魔法少女としての、パワー?魔法力?は、格段に上がったみたいだけど。


「莉乃ちゃん!ありがとう。助かったよ!」

アップルさん。

「いえ、私も、なにがなんだか…」


「それが、魔法少女ペアーのちからなのね」

ラズベリーさん。

「凄いなー。私達も頑張らなきゃ。だな!」

ブルーベリーさん。ラズベリーさんと頷きあってる。


「よくやった!おかげでみんな、助かった!」

チェリーさん。目線は、チラチラ下に移るけど…

おとうさんに、誉められたときみたい、なんだかくすぐったい。


でも、良かった。嬉しいっ!



もとに戻るときは、変身した場所に戻る。

だから、他の魔法少女達とは別の場所、それで隣にはナシオがいる。


「ねぇ。覚醒って何?私これからどうなるの?」

「うん、よく分かってないんだけど、覚醒が起きると魔法力が、爆発的に上がるんだ!」

「ふーん。で、あの姿は?」

「うん、莉乃が、その莉乃の体で一番強い状態になるんだ!」

「だから、大人の姿に…」

「うん、だいたい20前後になるんじゃないかな。」


じゃあ、あと、数年もすれば…

ふふふっ、この小さな……あれくらいの大きさになって!

心配だったから、少し安心した。

…チェリーさんが、興味持ってくれる位には、なれるってことで!


「そう、これからのコトなんだけど。…まだ、わからないな」

「わからないって!」

「覚醒自体、滅多にあることじゃないからな。まあ、とりあえず今まで通り過ごしてくれ。」

「わかったよ!じゃあね。」


家に帰ってきた。あれっ電気がついてる?


「ただいまー」

「おかえり!遅かったね!」

あ、おとうさん。帰ってる。

「うん、おとうさんご飯いらないって言ってたから、皆でカラオケ行ってた。」


「そっか、お疲れさま。風呂いれといたぞ!」

ん、お疲れさま?遊んできたって言ったよね?

まぁ、良いか…



「あ、そうだ。明日から、お弁当。私も作るね!」

「ほっ?なんで、しんどくない?」

しんど?

「うん、練習したいの。」

「練習?なんの?」

「おとうさんのお弁当美味しいから…作れるようになりたいの!」

「……美味しい?…地味に嬉しいな!」

おとうさん、嬉しそう。そんなことで良かったら、いくらでも言ってあげるよ!

ん、おとうさん?あれっ、目線?ん?

…気のせいか?


チェリーさんに、いつか食べて欲しいから……

そのときに、美味しいって言ってもらいたいのっ!





魔法使いチェリーだって、男だよ!


わざとじゃないけど、ラッキーってね!

今日は、その感触を思い出して……




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