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三十路女、異世界を知る。その2
この、ダザーシャ国はその昔、獣族が国を治めていたが、元々争いを嫌い、静かな暮らしのみを求めていた為、周辺国からは格好の餌食となっていた。そんな時に、少数の人間が立ち上がり、この国を周辺国から守ったらしい。それが、バーレン=ガジル=ダザーシャ王のご先祖様たちなのだ。
獣族はダザーシャ様のご先祖様たちと話し合い、自分達は静かに暮したいと申し出た所、自分達が獣族を守り、その要望を叶える代わりに国を治める約束を取り交わしたのだ。
元々、不思議な力があった獣族。その力も周囲には知れ渡ることなく今に至るそうだ。
よくよく聞けば、この国には、魔法、魔術っといったものは無いけれど、無いのは呼び方であって獣族の力こそが魔法、魔術そのものなのだ。この世界では魔法、魔術=力と認識されているようだ。
今回、「姫」がこちらに来た訳は、その魂が昔の高位の巫女の者である事がわかり、こちらに“戻した”のだと言う。
本来あるべきものを元に“戻した”のだから、帰るというのはあり得ない。という事だ。




