イリスの冒険
セシナ「やっと主人公ターンが来たと思ったら・・・」|д゜)ジーッ
イリス「い、いいいいいいじゃないのっ!別にっ!!」ツンデレっ「(; ・`д・´)」
※というわけで今回からはイリスちゃん視点でふれあい合同演習を含めたお話をお送りいたします※
※流血シーンあり、ご注意※
セシナ「誰が流血すると思う?」ニヤリッ!
イリス「な、何よ!?私は知らないわよっ!?」ツンデレっ!
―――私の名前はイリス。辺境の地を治め、吸血鬼の自治区との境界を守る家に産まれた超絶美少女。自分で言うなって?いいじゃないの事実なんだからっ!腰まであるピンク色の髪にローズピンクの瞳。かわいらしい顔立ちにきりっとした表情。辺境伯家の騎士たちからするとこれがたまらなくいいんだとか。でも、私の理想はウチにいるムキムキマッチョ騎士たちじゃないの。私の理想はね、吸血鬼自治区で暮らす見目麗しい吸血鬼の方々のような、イ・ケ・メ・ンッ!
そして私が15歳になった時、遂にお父さまとお母さまが吸血鬼の自治区にあるお隣のローゼンクロス辺境伯家のパーティーに連れて行ってくれたの!
今まではウチの辺境伯家にローゼンクロス辺境伯家の方々を招いたり、その紹介で吸血鬼のお客さまをお招きしたりするだけだったけれど、今回は周り吸血鬼だらけっ!そう、イケメンだらけっ!私はイケメンな未来の旦那さまをゲットするため、意気揚々とローゼンクロス辺境伯家に乗り込んだのよっ!!
「イリスちゃん、ちゃんとお行儀よくしなきゃだめよ?」
「わかってるわ、お母さま」
「以前のように失礼なことをしてはいけないよ」
「そんなことしたっけ、お父さま」
「イ~リ~スぅ~」
何故かお兄さまが頭を抱えて唸っているわ。
「(やっぱりベラちゃんを連れてくるべきだったかしら)」
「(いや、でもなぁあの子のこともあるし)」
何故かお父さまとお母さまがベラお義姉さまの話をしていた。本来ならベラお姉さまも出席の予定だったのだが、ウチの弟のこともあってブリックウォール辺境伯邸に残っているのだ。で、私のパートナーをお兄さまが務めてくれているの。
まぁ、取り敢えずっ!パーティー会場に入れば、すごいっ!イケメンの宝箱のようっ!パーティーホールも煌びやかで段違いだし!ウチも辺境伯家だから豪華は豪華なんだけど、こんなにキラキラしてない!装飾品は少ないのに、品が良くてそして魅惑的なこの雰囲気はなぁに?
「こら、イリス。まずは辺境伯一家の方々にご挨拶を」
「はぁい、お兄さま」
お兄さまに手を引かれて行った先には、ローゼンクロス辺境伯一家の方々が揃っていたわ。若いながらに辺境伯の地位を引き継いでいるマティアスさまはウチに来るときと同じく相変わらず仮面を付けている。かくいう私も素顔を見たのは初対面の時のみ。あの頃はまだ女性アレルギーではなかったのだっけ?何が原因かはわからないけど。
※イリスちゃんが原因ではありません
そして居並ぶ弟さんたちもみんな美形っ!次男のルシウスさま、三男のジルさま、四男のゼンさま!みんなおキレイで・・・5男のセシナは、
「何?」
「そっちこそ何よ」
相変わらず、そこそこ顔はいいんだけどお兄さま方からするとレベルは落ちるのよね。まぁ、イケメンの部類ではあるのよ。でもやっぱりお兄さま方の方がイケメンだからやっぱり私の目標には届かないわ。そして初対面の時以来、コイツなんか私に生意気なのよぉ~~~っ!!!
「こら、イリスったら!申し訳ありませんっ!!」
お兄さまに無理矢理頭を押さえつけられた。むぅ~~~っ!何すんの~っ!お兄さまぁ~~~っ!!!
「いえいえ、大丈夫です。ここでことを荒立てるつもりはありませんよ~」
ほら、ゼンさまだってそう言ってるじゃないっ!
―イリスちゃぁ~ん?―
びっくぅっ!?今、何故かお義姉さまの幻聴がぁっ!?
「本当に申し訳ございません」
「すみませんでした」
その後両親にも頭を押さえつけられセシナに謝罪する羽目に~~~っ!
セシナめぇ~~~っ!
めっちゃ睨んでみると。
「・・・」
ふんっと顔を背けられた。
やっぱりムカつく~っ!
まぁ、挨拶に於いて波乱はあったのだけど。私は難しいお話をしている両親と兄に大人しくしているように言いつけられ、仕方なくお料理をつまみながら大人しくしていたのだけど。
・・・だって、何故かお義姉さまの幻聴が聞こえる気がするんだもの・・・っ!
ほんとに、何故!?
そんな時だった。
「あっ、ごめんなさいっ!」
誰かとぶつかってしまった。
はっ!何このイケメン!確実に吸血鬼よね。
「大丈夫ですか、お嬢さん」
「はい、大丈夫です」
差し出された手を取り、微笑めば相手もぽっと頬を赤らめる。
よっしゃぁっ!脈あり!私は人間ではあるものの美少女!吸血鬼の殿方を振り向かせるこの容姿を持っているのよ!
「良かったらご一緒に」
「え、えぇ?」
まさかのいきなりのお誘いっ!やばっ!ちょっと急展開すぎるんだけど!
「ちょっと、あなた」
その時、気の強そうな令嬢の声がした。振り向いてみれば、私よりも色の濃い真っ赤な髪の令嬢がいた。顔のつくりや纏う雰囲気からも純血姫かな、そう言う感じがしたの。
「わたくしの婚約者に手を出すなんて、一体どういうおつもり?」
「あ、いや・・・その、知らなくて」
「知らないですって!?そんな無知な人間がこのパーティーの場にいるだなんて!」
パシィンッッ
「きゃっ」
その瞬間、頬に強烈な痛みが走った。床に崩れ落ちて身を起こした瞬間、吸血鬼の力で思いっきり殴られたのだとわかった。
「吸血鬼の婚約者は婚約した時点で伴侶も同然よ。手を出した以上、わかるわよね!?」
「そんな、彼の方が!」
「あの子、すごくしつこくぼくに付きまとってきたんだ」
「なんてふしだらな!これだから人間は!」
「え、ちょっと、違う・・・っ!」
必死に弁解しつつも、周りの吸血鬼たちの目は冷たい。
『人間が』
『場違いな人間』
『この場には相応しくない』
そんな声がちらほらと聞こえてくる。
「私は、なにも・・・っ!」
頬の痛みに耐えつつも必死に立ち上がれば、令嬢がずかずかとこちらに歩いてくるのが分かった。不味い、また殴られるっ!私は恐くて目を瞑った。
「申し訳ありません!これはホストのローゼンクロス辺境伯家の失態です!」
その時、私と年齢の変わらない少年の声が響いた。
「んなっ!?」
「彼女たち一家を招いたのは我がローゼンクロス辺境伯家です。苦情なら、我がローゼンクロス辺境伯家が聞きましょう。始祖に近い純血であらせられるあなたがただの人間の令嬢に手を挙げれば、人間の令嬢がどうなるかくらいはわかりますよね」
「あなた、混血のくせにわたくしに指図するの?」
「混血だろうが純血だろうが、俺はローゼンクロス辺境伯家の一員です。それを侮辱するならば、ローゼンクロス辺境伯家への侮辱です」
「んなっ!?何よ、混血の分際で!」
先ほどの令嬢がずかずかとこちらへ歩いてくる。
「らめっ、あん・・・げほっ」
アンタまで・・・っ!しかしそう言う前に喉から何かが溢れてきた。
―――血だ。
なん、で。
ふらふらになる背中を誰かが支えてくれた気がした。
「そこまでにしていただこうか」
ぐぐもった青年の声が聴こえたのを最後に、私は意識を失った。
そう言えば、どこかの話に“エリス”って書いた気がします。イリスちゃんのつもりで執筆していたのですが、設定ノート見たらエリスちゃんって書いてあって自分で書いたのにびっくり。イリスちゃんが正しいです<(_ _)>




