ベラドンナと兄
予約投稿日ミスってました<(_ _)>2話まとめて更新しますε≡≡ヘ(;''∀'')」
私、ベラドンナはトールお兄さまと共に隔離されているソフィに会いに行くことにしたわ。何だかトールお兄さまもげんなりしているようで。
ローゼンクロス辺境伯家の方を怒らせたばかりではなく、更にはフィアのものを無理矢理奪っていたと言うの。その証拠にフィアはトランクひとつで嫁ぎ、残りの荷物は後から送るという話だったのだけれどあの子の部屋は空っぽだったそうよ。その反面ソフィの荷物は大荷物で、何かおかしいと思ったお父さまたちが確かめたら、その中からクラリス王太子妃殿下が贈った宝飾品や、お父さま、お母さま、お兄さまからのプレゼントまでソフィの荷物の中から出てきたと言うの。
お父さまはソフィの荷物を全て没収し、今は屋敷の一郭に保存して後程フィアに私物を確認してもらう予定なのですって。
そのことも含めて、ソフィとお話しなくてはね。
「ベラは本当に落ち着いていて羨ましいよ。俺なんてさ」
と、トールお兄さまはすっかり弱り果てたようで胃が痛そうね。
「旅も大変だったのでしょう?」
「まぁな。毎日ソフィの癇癪が酷くて。フィアの婚約者を2度も横恋慕したものだから、もう父上なんてかんかんだよ?さらにはローゼンクロス辺境伯家の方々も怒らせて。でもあちらの方々はソフィには振り向かずにフィアを連れ出してくれた。多分、自分がフィアの物を無理矢理奪っているのもバレて、全て物を没収された挙句辺境の領地に引っ込むしか選択肢がなくなったから、もうなりふり構わずになっているんじゃないかとおもう。まさかあれがソフィの本性だったなんて、驚いた」
「うまく隠してきたんでしょうね。私は“大っ嫌い”と言われたけどね」
「えっ、そう言えば同じ女姉妹なのに、ソフィはベラに宝石が欲しいとかは言わなかったのかい?」
「まぁ、私はあの子たちがまだまだ小さな頃にとっとと嫁いでしまったもの。たまに宝石をねだられたことはあったけど、大事なものだからダメだともひとの大事なものを無理矢理欲しがっちゃいけないとも言ったのだけど。あの子は理解せずにフィアからこっそりばれないように奪っていたのね」
「・・・らしいな」
「私があの子に注意ばかりしてフィアには何も言わないからってすごく敵視されちゃった。フィアにもしっかりと淑女の教えは説いていたのだけど。フィアが内向的ながらもしっかりとお勉強をしている反面、ソフィは勉強嫌いだったから注意する回数も多かったかもしれないわ。その頃は単なる反抗期かなと思っていたんだけどね」
「そう思えるベラはずぶといな、本当に逞しいよ」
「あら。トールお兄さまも後継者なのですからしっかりなさいませんと。やっぱり私みたいなずぶといお嫁さんの方がいいかしら?いいひとがいたら紹介するわね。伝手はたくさんあるのよ」
お兄さまも婚約者がいたことはあるんだけど、長続きしなかったのよねぇ。何故だか。顔は吸血鬼の方々には及ばないとはいえ、人間の中では結構イケてる顔立ちだと思うわ。お父さまに似て剣も得意だし、魔法も扱える。公爵家の跡取りとしても大変優秀なのだけどね。引く手あまたなのに良縁に巡り合えないのもねぇ。
以前イリスちゃんにもトールお兄さまとの縁談が来たことがあったわね。私がブリックウォール辺境伯家に嫁いでいる以上、家同士の結びつきが更に強まることも懸念されたのだけれどもう他に候補がいないとお父さまもお義父さまも嘆いていらして。
でもイリスちゃんはと言うと。
『いやよ。だって吸血鬼の方々の方がイケメンなんだもん!』とあっさり拒否したのよね。ちょっとほっぺたをふに~っと引っ張ってあげたけど。
※ベラ的には「ふに~っ」ですがイリスは涙目だったと言う。
けどイリスちゃんは向かないわね。ちゃんとしっかりした旦那さまじゃないと怠けてしまいそうで心配だわ。ふたりともなかなか縁談が決まらないから妹としても義姉としても私がしっかりしないとね。
別邸の入口を守っている我が家の騎士に挨拶をして、早速私はお兄さまと一緒にソフィの元を訪れた。
ソフィは監視の女性騎士に囲まれながらも早速とばかりにきーきー喚いていたわ。
「だから!どうしてきれいなドレスが1枚も用意されていないの!?旅で汚れたままのワンピースのままなんていやよ!」
『ですから、代わりの服も公爵さまからいただいております』
女性騎士はそのワンピースを示す。
「平民が着るような服じゃない!私は貴族なのよ!?こんなもの着られるはずないじゃない!それに私の宝石!早く返すようにお父さまに伝えなさいよ!髪もパサパサ。これじゃぁ外に出られないじゃない!それなのにシャワーは1日に一回、ヘアオイルもない上にシャンプーも安物だなんてありえないわ!ベッドだってあんなにちっちゃいじゃない!」
『全て公爵さまからの指示でございます』
「あんた!公爵家に仕えているなら私の言うこと聞きなさいよ!」
『何故ですか。私は公爵さまに仕えているだけで、あなたに仕えているわけではありません』
「私はお父さまの娘よっ!?」
『それが公爵さまからの指示でございます』
「お父さまに会わせて!お父さまに会わせてよぉっ!!」
まぁまぁ、何だかもう末期のような暴れっぷりね。
「そ、ソフィ!何をやっているんだ!」
そこでたまらずお兄さまが声を荒げるのだけど。
「あぁ、お兄さまお兄さま助けて!このひとたちが私を虐めるのよぉっ!」
ソフィはお兄さまの顔を見るなりお兄さまに飛びつこうとして。
―――お兄さま?
何故私の後ろに隠れたのかしら?ウフフフフ。
「ソフィ?」
私が呼びかけると、今初めて私がいることに気が付いたように目を向けたソフィがカッと目を見開き動きを止めた。




