表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/100

第23話・魔王様は休みたい

更新が遅れて、申し訳ございません。

今後もよろしくお願いいたします。

ボルト王国に位置する都市、ブライト。

ここでは現在、300年以上前から続く『ハローン祭り』が催されている。

祭りを楽しむ半数ほどの人間達は、それぞれ思い思いに仮装をしているのが確認できる。

元々子供に対する祭りであるため、大人よりも総じて、子供の数の方が多い。

ときは夜になり、街は一層の賑わいを見せる。

そんな喧騒の中に、魔族風の2人組みの女性の姿が見受けられた。


「シアさん、ハローン祭りはどうでしたか?」


「うむ、なかなかに面白きもよおしであったぞ。 かような楽しき事は、存外久しぶりである。」


「フフ、良かった。」


一人はセリアさん。

仮装が大好きな女性で、が少々弱め。

もう一人の古めかしい言い回しする女性は、文字通りの魔王様。

仮装せずとも魔族の、人間世界に出稼ぎにやって来た方だ。

・・・こうして書いてみると、なんと異色なコンビな事か。


「ごめんなさいシアさん、今日は家の事があるので、これで私は失礼させていただきます。」


「そうなのか、それは悪い事をしてしまったな。」


彼女はこの街で、家族と共に暮らしていると聞く。

当然その過程で、彼女には何らかの責務が生じているのは、容易に想像ができた。

対する魔王様は、働いて日銭を稼ぐ以外に、用事などない。

こちらとしても、暇な時間を『人間をより深く知る』という形で、つぶす事ができ満足だ。

彼女を引き止める理由は、無い。


「今日はとっても楽しかったです。 またお会いしましょうね。」


「ああ、またの。」


仮装姿のまま挨拶を交わして、別れる2人。

特にセリアさんは、満面の笑みを浮かべて去っていった。

『人見知り』というのは、自分で装思い込んでいるだけでは無かろうか?

彼女のその姿から、そんな感情を抱く。

ま、この際それは良いか。


「さて、我も戻るとするか。 なんだか気分が良くない。」


祭りも十分に楽しむ事が出来たので、彼女は『すみ家』に帰ることとした。

街にごった返す人間の姿に、すっかり酔ってしまった。

こういう時は、休息が一番。

というわけで、今日のところは寝床に戻る事とした。



◇◇◇



ここでおさらい。


魔王様はお金を一切、持っていない。

彼女が所持しているのは現在、

・パン3つ

・専用の魔剣

・着用している服飾

以上である。

魔法により魔力由来の合金生成、たとえばオリハルコン鋼などなら作れるが、お金などを作り出す事は不可能。

食料もしかり。

つまり、彼女はこの街の宿に泊まっているわけでなければ、どこかに部屋を借りているわけでもない。

そんな金があれば、正直な話、彼女は魔族たちへの仕送りに当てるだろう。

端的にいうと、魔王様は現在のところ住所不定である。

では彼女は一体、どこで『休息』をとるのか?

・・を語る前に、彼女は一本の木の前で絶句していた。


「こ、ここも人間でいっぱいなのか・・・」


今日はハローン祭り第3夜。

祭りは三日三晩にわたって行われるので、今日がその、クライマックスとなる。

それもあって、ブライトの街はどこもかしこも、人間の波が形成できるほど、ごった返していた。

静かな場所など、街中のどこにもなかった。

木を見上げれば、多くのデコレーションが成されており、とても目立たずして昇れそうにはない。

彼女が街へ来て、毎夜骨休めをしている場所。

誰に邪魔もされず、ワリと静かでゆっくり休める場所。

『公園の木の上』が、魔王様指定の休憩場所だった。

ちなみに、許可は取っていない。


「これでは休めぬ・・・」


どうするか?

この群集で強行突破して木に登れば、間違いなく目立つ。

ヘンに目立って注目を集めるのは、絶対に避けるべきだ。

今の時点で自分が魔族とバレては、元も子もないのだから。

こうなれば、街の外に出るか?

いやいや、そんな事をすれば、またも『通行料』をとられる。

たかが我一人休むところを探すのに、そこまで力を使うことはない。


「仕方がない。 こうなれば『ハローン祭り』なるものを調べ、人間と魔族の共存について思案してみよう。」


これだけ人間が居るのだ、何かいい知恵が浮かぶかもしれない。

思ったより、人間がそれほど怖い存在でないことも分かったのだし。

お互いの共存の道が見つかれば、これほど良いことはない。

手始めに近くに居る、魔族風の男どもに・・・


「すまぬ、少し話を・・・」


「ヤクの相場は金貨3枚のはずだぞ! なぜ金貨5枚なんだ!?」

「国境の警備をくぐる贈賄ぞうわいの額が響いてんだよ、イヤならよそから仕入れるんだな。」

「クソッ、足元見やがって!!」


「・・・・・・。」


全てを聞かなくても、何となくこやつらの話の内容は理解する事ができた。

『やはり人間は怖い』

わざわざ人目の多いところで話して、不自然さを消すとは、なんと狡猾こうかつな輩である事か。

魔族と人間の共存は、やはり無理かもしれない。


魔王様は、(別の意味で)警戒を新たにするのだった・・・


完成のめどが、なかなか立ちません・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ