-02-「銀髪の少年」
「サッカー部どう?ウチは強豪校だよー」
「水泳部、水泳部どうですかー?」
部活宣伝をしてまわる、それぞれの部員たち。
「ほえー、吹奏楽部すごー」
アリスはカズミに手渡されたポスターを貼り付けながら正門前の様子を見ていた。
部活の数はこの年になって急激に増えたという。
マーチング部、ハンドボール部、文化部とマイナーな部がある中、お助け団は一番の異色。
しかも新入生である一年生が部員の全部を占めるものだからこの3週間、誰一人として
お助け団に入るものがいないのだ。
「有李栖、貼れたかー?」
「あ、うん。次行こっ」
「何言うとんねん、もうポスターは貼り終わったやろ?」
カズミは正門前を指差し、ニヤッと笑みを見せる。
「オレらも部員、捕まえに行くで」
正門前に立って、メガホンを持ったアリスは深呼吸をして大きく叫んだ。
「皆さんの悩みを解決!お助け団でーす!」
生徒たちの驚きの視線を無視し続け、アリスは叫ぶ。
「相談はもちろん、入部も歓迎なのでーっ、興味のある人は是非来てくださいっ!」
言い終わるとアリスはメガホンを地面に置き、手造りの団幕をカズミと一緒に広げた。
白に映える赤と青の、O.T団という文字。
「……なぁ、この団幕、必要あったんか?」
「何を言ってんの新居坂部員!団と言えば団幕は必要なの!」
「オレにはいらんように見えるけどなぁ」
「なにおー!!」
言い合う二人は気付かなかった。
団幕の前を通り過ぎた銀髪の少年が、その先のアリスたちを見ていたことに。




