表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/83

11話 探り合い

後日、手紙は無事にディアン伯爵令息まで届けられ、会って話せることになった。


「連絡によると、ディアン伯爵令息がサロンを取ってくださっているようです。」


「わかった、ありがとう。」


会うのが帰属と言っても初対面だし、念の為アイルも一緒だ。


指定されたサロンに着くと、既にディアン伯爵令息がいた。


「お初にお目にかかります。ディアン伯爵家が長男、シュレガートと申します。本日はお会いする機会を設けて下さり、感謝いたします。」


ディアン伯爵令息は、優雅に立ち上がり、また優雅に礼をした。


……花びらが、舞っているように見えるのは、俺の幻覚だろうか。


「こちらこそ、提案に答えて下さり、ありがとうございます。俺のことはリュシオンと呼んでいただいて構いませんので、お名前で呼ばせていただいても良いですか?」


「とんでもない。リュシオン様に名前を呼んでいただけるとは、光栄です。」


……なんか、キラキラしてんだよなぁ。


女子生徒に人気があるとは聞いたことあるけど、これならうなずけるな。


「さて、では初めに、普段より、私の妹が大変お世話になっております。特に、先日の件では、命を救ってくださったと聞きました。挨拶が遅くなってしまい申し訳ありません。本当にありがとうございました。」


「いえ、俺はその場で、自分にできることをしたまでです。」


丁寧な人だ。

今のところ、裏表があるようには見えないが、どうだろう。


「シュレガート様は、とても優秀な方とお聞きしましたが、現在四年生ということは、研究をされているのですよね。俺は、度々卒業生の論文を拝見しているのですが、良ければシュレガート様の研究について、お聞かせ願えますか?」


学園は基本的に五年制で、一から三年生は、授業と数回の野外活動。四年生は、独自の研究、五年生はフリー、という形式になっている。


ちなみに五年生は、他国を回ったり、四年生の時の研究を続けたり、授業を受けたり、色々できるらしい。


「ええ、私でよければ、ぜひ。私は、魔力の源についての研究をしているのですが、有力な説である肉体でなく、人格に魔力が宿るのではないか、と考えているのです。」


「なるほど。初めて聞きました。魂に魔力が宿るという説なら聞いたことがあるのですが。」


「はい。最近提唱されはじめてきたものですからね。魂の説は以前は有力視されていたのですが、魂の転生が証明されてから、あまり研究する人は多くないのです。」


……転生が証明されてるってよく考えるとすごいことだよな。


俺たちみたいに異世界転生の事例はまだ少ないけど。


「ということは、人格に魔力が宿るという説も、魂の転生に関係しているのですか?」


「ええ。転生した人物は、転生前と転生後で人格の統合、と呼ばれる作用が起こり、人格が多少変わってしまうのですが、転生前の記憶を取り戻す前と後で、魔力の質が変化した、という事案があるのです。」


へぇ、じゃあ俺とシアンもちょっと変わってたりするのかな。


「まあ、違う要因で変化した可能性も十分にあり得ますから、そこからはまだまだ研究不足ですね。」


「いえ、とても興味深い内容でした。お聞かせいただき、ありがとうございます。」


「そう言っていただけると嬉しい限りです。……リュシオン様、一つ、お聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」


……なんだか急に、雰囲気が変わったな。


「ええ。答えられることなら、お答えします。」


「ありがとうございます。……リュシオン様は、私の妹のことを、サフィーリアのことをどうお考えですか。」


シュレガートは、より真っ直ぐに、俺を目を見て言った。


「……そうですね。成績を見たり、実際に関わってみて、かなり優秀な方だと感じました。特に頭の回転の速さや、駆け引きの上手さという点では、秀でていて、仕事も安心して任せられます。……ただ、あなたが俺に求める言葉が、これではないでしょう?」


俺は、シュレガートと目を合わせ、言った。


「そろそろお聞かせ願えませんか、シュレガート様。あなたの真意を。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ