5話 本音
「なるほど、それで、第一王子殿下は、あんな状態になっていたのですか。」
あんなに怒るの珍しいなって思ったけど、第一王子にも、色々な思いがあるんだろう。特に、第二王子に関しては。
「……パーシアン?」
なんか静かだな、と思って、シアンの方を見ると、どことなく、様子が変、というか、すこし、怒っている?ように見えて、つい名前を呼んでしまった。
「……フォーリアス殿下。」
「……なんだ?」
第二王子も、それを感じとったのか、すこし緊張が感じられる。
「それを言った第一王子殿下の気持ち、わかりますか。」
「……わからない。」
それを聞いて、シアンは、小さくため息をついて、言った。
「……第一王子殿下は、フォーリアス殿下が、自分の気持ちに嘘をついているのが、嫌だったんじゃないですか。」
……嘘、か。
「殿下、本当は、王になりたいんですよね。陛下のような、すごい王に。……気づいてるんじゃないですか。第一王子殿下も。」
「……なんで、気づいた?」
第二王子がすこし俯いて言う。
「何となく、ですね。」
その返事を聞き、第二王子は、気が抜けたようにため息をついた。
……結局勘なんだ、シアンらしいけど。
「……まあ、俺も第一王子殿下と同じところがあるので、予想の程度ですが……諦めてほしくなかった、何かを、失ってほしくなかったんじゃないですか。」
……変なところから、飛び火してきた感じだな。
「そう、か。アルシャリオは、私のことをちゃんと、見ていてくれたのだな。」
「殿下がちゃんと向き合えば、第一王子殿下は、ちゃんと、答えてくれると思いますよ。」
そう俺が言うと、なぜが、第二王子に、不思議そうな顔をされた。
「リュシオン、何かあったのか?今まで、私にそこまで関わってくる気がなかっただろう。」
「……まあ、色々と?」
「……そうか。詳しく聞きたいところだが、今は、アルシャリオと話してくるのが優先だな。……ありがとう、二人とも。」
そう言って、第二王子は、第一王子を探しに行った。
「……何とか無事に解決できそうでよかったな。」
「そうだね。どうなることかと思ってたけど。丸く収まりそう。……君は思ったより第二王子のこと、見てるんだね。」
傍から見てたら、第二王子が王になりたいと思ってるなんて、わからなかったし、本人も、口に出すことはなかっただろうに。
「……まあ、初めて二人で話した時から、何か、抱えてそうだったから、気になったのと、陛下に向ける目が、父親としての目だけじゃなかったように見えた、ってだけだ。」
「……そっか。シアンは、昔から、人のこと見てるし、いろいろ気づいてるもんね。」
それが、ずっと変わらない、シアンの一番の美点だと、俺は思ってるよ。
「さ、王子たちはしばらく戻って来なさそうだし、先に仕事してよっか。」




