10話 父からの呼び出し
それから二年がたった。
ある日、突然父に呼び出された。
「よく来たね、二人とも。」
なんだろ?父上が急に俺たちを呼び出すのも、珍しいし。
特に思い当たることはないんだけどな。
「早速だが、二人で領地に行ってみないか。」
ほんとに、いきなりだな。シアンもたまにやるけど、遺伝なのかな。
「どうして領地へ?」
「2年前に魔法の儀式を受けて、本格的に魔法や剣の教育を受け始めてから、年齢からみて、かなり実力はついたと思ってね。」
まあ、そりゃあ、けっこう厳しめの訓練受けてきたし。
「貴族である以上領民のことを守る義務があるということを知るいいタイミングだと思ってな。」
なるほど。嫡男ではないにしても、平民の生活の上に俺たち、貴族の生活が成り立っていることを知るべき、みたいなやつかな。
「そうですね。俺もいい機会だと思います。シアンはどうですか?」
俺は、ここ二年で話し方をだいぶ変えた。シアンと双子の時は変わってないから、違和感すごいけど。
それに俺とパーシアンはお互いに愛称で呼ぶようになった。俺はパーシアンのことをシアン、パーシアンは俺のことをシオン、と呼んでいる。
愛称にすると、やっぱり対になってるんだよね。パーシアンとリュシオンじゃ、そんなに似てると思わなかったけど。
「そうだな。俺も行きたいです、父上。ノルディック家の領地は、自然が豊かだと聞きましたし、興味があります。」
「そういえば、お前たちは自然の多いところに行く機会はあまりなかったな。確かにそのような面で考えても良い経験になるな。」
そういえば、うちの領地は、めっちゃ豊かって聞いたことあったな。
ブドウが有名で、海もあって、気候的にも過ごしやすいから、他の貴族の別荘とかもあったりするらしい。
「よし、二人とも行くということでいいんだな?では、三週間後からになるから準備をしておいてくれ。」
父上けっこう喜んでるな。父上は幼い頃けっこう領地で過ごした時間が長いらしいから、子供が行ってくれるのが嬉しいのかな?
親になったこととかないから、よくわかんないけど。
そして、俺たちは部屋に戻った。




