9話 方針
『……!はやく行くぞ!』
『ちょっと待ってよー!』
『ははっ、そんな急かさなくてもいいんじゃない?』
『急かさなかったらこいつずっとこのままだろ!』
『いーじゃん、べつにー!ゆっくり行こーよ。』
『つーかデートなら俺来る必要ねーだろ!2人でいけ!』
『えー?君がさびしいかなーって?』
『そうそう。それに僕らが誘わなかったら、何もしなさそうだし、ちょっとした気分転換ぐらいで考えればいいんだよ。』
『お前ら……バカにしやがって!!』
……もう朝か。なんかすごい懐かしい夢を見た気がする。
隣を見るとパーシアンはまだ眠っていた。
本当にまた会えたんだな。
まだ実感がわかない。
嬉しいはずなのに、一緒にいることが当たり前で、自然なことだったからかな。
パーシアンを起こさないようにベランダに出る。
前世の時から、こうやって朝日を見るのが好きだった。
風がスカイグレーの長髪をなびかせる。
『綺麗だねー。こういう景色、一回見て見たかったんだ。』
表裏のない笑顔は、どれだけ時間が経っても、俺の記憶から色褪せることがなかった。
……あいつがいたんだからだから、きっと君もこの世界にいるんだよね。
生まれ変わったって、三人で一緒にいたい、とずっと願っていた。
だから、探すよ。君のこと。
今度はもっと一緒にいられるように、次は、もっと長く三人で笑っていられるように。
でも……
「……会いたいよ、早く。」
ただただ、そう願ってしまう。
記憶を辿ることでしか、会えないのは辛いな。
……俺が言えたことでは、ないのかもしれないけど。
当たり前が当たり前でないことの苦しみを、今になって実感する。
だからこそ、俺は強くなりたい。
もっとたくさんの思い出を、二人と、大切な人とつくりたいんだ。
そうやって自分の感情を整理し、部屋に戻った。




