第24話 秘密特戦隊
ノックの音で目覚める。ヘルザの声が聞こえてきた。
「入るわよ。もう仕事の時間でしょ。カゲト、疲れがたまっているようだけど、悩みごとがあるようだったら、上司の私に遠慮なく――」
「すまない。いつの間にか寝ていたようだ」
上半身を起こすと毛布がはだけた。何で裸なんだ?
隣で大きくミュウミュウが伸びをすると目の前で大きな胸が揺れた。
「ふわあー、おはよ、お兄ちゃん。まだおっぱい欲しい?」
「ああー、そういう疲れだったのね! お邪魔しました。さっさと作戦室に来なさい! 心配して損したわ!」
ヘルザが荒々しく扉を閉めて出て行った。
ミュウミュウは薬草をつけるために裸にした。でもなんで俺まで裸なんだ。
「鎧を着たまま寝てて苦しそうだったから、ミュウが脱がしちゃった。そしたら、お兄ちゃんってば、ずっとミュウのおっぱいを離さないんだよ。ミュウもそのまま寝ちゃった」
口をぬぐうと手の甲にミルクがついた。顔が赤くなる。
俺にそんな性癖があったのか?
「ミュウミュウ。このことは誰にも言うな」
「なんでー。ミュウも嫌じゃなかったよ」
「いいから! 二人だけの秘密だ!」
作戦室に行くと、ヘルザが白い目で俺を見た。
おっぱいを吸っていて遅刻したのだから当然か。
階段から作戦室室長のドビアスが降りてきた。作戦室唯一のオッサンのナーガだ。メデューサの腰巾着で、メデューサの髪蛇が無くなったとき以来、自分の髪を剃って忠誠を示している。
「ヘルザ! この作戦計画は何だ。なぜ、ランベルト領にオークを移動させる」
「偵察を出したところ、カールの兵は親衛隊だけが強くて、後は烏合の衆とわかりました。簡単に領土を奪うことが可能です」
ドビアスがボリボリと太鼓腹を掻く。
「カールの兵は強く、戦えば大損害を出す。これは私の判断だ。ナーガでは男のほうが頭がいいと昔から決まっている。貴様ごときが判断するなぁ!」
「申し訳ありません。ですが、手ごわいリーンハルト領を攻めるよりは――」
「聞こえなかったのかブス? 少しばかり賢いからってうぬぼれるなよ。明日までに新しい作戦計画を出せ! いいな!」
唇を噛んで黙るヘルザに、書類の束を投げつけると、ドビアスは階段を上っていった。
俺はヘルザにホットティーを持っていく。
「遅刻して悪かった」
「もういいわ。私は今それどころじゃないの」
「行動で詫びたい。休みを3日くれ」
「休み? それって、お詫びじゃなく、褒美じゃない」
「お前の作戦が間違っていないことを証明する。ドビアスにムカついているんだろう? 俺がやつの鼻を明かしてやる」
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宿舎に戻ると、ドーザとミュウミュウを前に地図を拡げる。
「毒蛇の錠前が発動しない3日間で最大の戦果をあげる。ドーザ、ここから2日で往復できる範囲を教えてくれ」
ドーザが地図に円を描く。
「おぬしら二人を乗せて走るとなると、ここまでぐらいか」
「範囲は狭いが仕方ない。みんなカールの兵を多く殺すことだけ考えろ」
「嬢ちゃんがいなくて良かったのう」
「ああ、きっと反対しただろうな……」
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門の前で覆面をつける俺たちを、ケルベロスがからかってくる。
「やっとブサイク集団だと気づいたのか?」
「口が悪くてごめんなさいね」
「兄貴ぃ、姉貴ぃー。ヒマだぁー! ヒマだよぉー!」
「魔王軍秘密特戦隊だ。3日間だけのな」
「……3日間? 命令書の制限内だな」
「楽しそうな顔。何かイタズラを考えてるみたい」
「連れてけぇー! 連れてけぇー!」
「お前らもくるか? ドーザとお前らに一人ずつ乗れば、暴れられる時間が増える」
「牛女じゃ物足りなかったからな」
「ボスに怒られたら、弟が石化の罰を受けてね」
「姉貴ぃ! ヒデェー! ヒデェーよー! でもいぎたいぃー!」
「これで決まりだな」




