↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/35

第20話 勤務評価

霧の城・メデューサの部屋。

大机に肘をついたメデューサの前に、俺たちは立たされていた。


「一体、どういうことですか! なぜグスタフじゃなく、騎士団長が守護砦を落としているのです! 説明しなさい」


俺たちは揃って首を傾げる。

「「「さあ……」」」


「とぼけるんじゃありません! またアナタが邪魔をしたに決まっています!」

「俺たちは命令通り、戻ってきただけだ。グスタフのことは知らない」

「嘘おっしゃい! ドーザに聞きます。守護砦で何がありましたか?」

「うむ。正直に話そう」

「いい心がけです」

「土の中でずっとサボっていた。誠にすまぬ」

「ふざけるんじゃなあぁぁい!」


フードから無数の蛇が突き出す。2年の間にメデューサの髪は元通りに戻っていた。


「アタクシをおちょくるなんて、よっぽど死にたいのですね」


「ボスこそ言いがかりはやめてくれ。証拠はあるのか」

「そうですよ。カゲト様は守護砦を守りつづけました。少しはほめてくれてもいいんじゃないですか」

「ミュウミュウのミルク飲む? イライラが収まるよー」

「ううむ。任務を果たしたのに罪に問われては、魔王軍は誰も従わなくなるのう」


「シャ――――! ラップ!」

頭の蛇が威嚇し、メデューサが机を叩いて立ち上がる。


「誰に物を言っているつもり! 下僕のみなさんは使われてればいいんです! 任務の評価が欲しいのならしてあげましょう。牛の森の任務はプラス10ポイント、守護砦でプラス100ポイント――アタクシに攻撃を仕掛けたのでマイナス1000ポインツッ! 殺してくれやがりましたので、マイナス10000ポーインツッ!!! しめてマイナス10890ポイント。これがアナタの評価ですっ!」


「ゴブリンになる前のことも入ってないか?」

「それが、な・に・か! アタクシは恩も恨みも一生忘れないのが自慢です!」

「ちなみに何をしたら、マイナスを全部返せるんだ?」

「すべての大陸の王を殺せば、2万ポイントあげます」

「聞くだけ無駄ですよ。カゲト様。メデューサ様はいびりたいだけなんですから」

「他に匹敵するものがあるとしたら――魔王様のお命」

「本気か? ボス」

「もちろん、冗談です」


メデューサの目の奥が光ったような気がした。


「ふぅ。アナタをからかったら、気持ちが落ち着きました。さてと、どこに配属したら、一番苦しむかしら――」

メデューサは座ると大机の上の書類を読みだした。


「とんでもない選び方をしてますね……」

エレーナがげんなりした声でささやく。


「ああーっ、もう! アナタはどこに配属したって、問題を起こしそう。戦闘力が高くても苦戦しそうところは――」


メデューサがニヤリと笑うと書類の束を放り投げた。

命令書に何かを書き始める。


「アタクシったら何で気づかなかったのかしら、イライラはよくありませんね」


俺の知らない恐ろしい敵がいるのか? 別に構わない。強い敵と戦ってこそ、成長できる。


「ここで己の無力さを味わいなさい!」


しかし、メデューサが出した命令書を見て愕然とした。

俺の実力でこの任務をこなせるのだろうか――。


『霧の城・事務員を命ずる』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。