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覇射の衝突

静まり返った場内に、無骨な軍靴の音が響く。


「アレクセイ……! てめぇ、何の真似だ!」


客席の一人が立ち上がり、怒声を上げた。だが、その声が響き終わるより速く――。


ドシュッ!!


立ち上がった男の首が、噴水のように鮮血を撒き散らしながら宙を舞った。


「……『様』をつけろ、ゴミ虫が」


いつ剣を抜き、いつ納めたのか。残像すら見せない神速の一閃。


アレクセイ王子は、紅蓮の鎧をギラつかせ、悠然とステージに向かって歩き出す。


「ひ、ひぃぃぃっ! 逃げろ! 人殺しだ!」


血の惨状にパニックを起こした観客たちが、蜘蛛の子を散らすように出口へと殺到する。


だが、アレクセイはその背中に目もくれず、ステージ上のアドルフを見据えた。


「ア、アレクセイ様!? これが公になれば、我が国とヴェルドラ共和国の外交問題になりますぞ!」


アドルフが脂汗を流しながら叫ぶが、アレクセイは鼻で笑った。


「奴隷商人の分際で、国家を語るな。不愉快だ」


キィィン――ッ!


「あ……」


アドルフの首が、抗議の言葉もろとも転がり落ちた。


それと同時に、背後の巨大な鉄檻が、まるで紙細工のように無数に切断され、砕け散る。


「……ほう。極上の女が二人もいるな」


アレクセイが、逃げ惑う女たちの中から、アイナの手首とガリアの髪を強引に掴み上げた。


「や、やめてっ! 放してくださいっ!」


「……っ、ふざけんじゃないわよ、このクソ王子がッ!」


あべみお似のベビーフェイスを怒りに染め、ガリアがアレクセイの股間を目掛けて鋭い蹴りを放つ。


だが、アレクセイは避けることすらしない。


「身の程を知れ、雌犬が」


アレクセイの重厚な鎧に包まれた脚が、ガリアの腹部にめり込んだ。


「ガハッ……!?」


内臓を潰すような鈍い音。


Fカップの爆乳を激しく揺らし、ガリアの身体がステージの端まで吹き飛んだ。


壁に叩きつけられ、ガリアは血を吐いて崩れ落ちる。


「 ……貴方、なんてことをっ!」


震えるアイナの細い腰を引き寄せ、アレクセイはその頬を、下卑た舌使いでねっとりと舐め上げた。


「いい鳴き声だ。このGカップ……俺様がじっくりと可愛がってやる」


「……その汚ねぇ面を、アイナから離せッ!!」


怒髪天を突く怒りとともに、俺は客席を蹴って跳躍した。


渾身の一撃。だが、アレクセイは俺の方を見ることすらしない。


ガキィィンッ!!


「なっ……!?」


俺の全力の斬撃が、アレクセイが背負った派手な装飾の剣の鞘によって、片手で受け止められていた。


「ほぅ……威勢がいいな。だが、邪魔をするなよ。今、俺様はこの乳をどう揉みしだくか考えている最中だ」


「……テメェッ!!」


俺の怒号が地下施設に響き渡る。


そこでようやく、アレクセイはアイナから目を離し、俺の顔を正面から捉えた。


「……あァ? 貴様……」


アレクセイが、獲物を見つけた獣のようにニヤリと笑った。


「テメーも『覇射使い』か。……面白い」


アレクセイはアイナの腕を離さず、俺に問いかける。


「こいつは、お前の女か?」


「……仲間だ! 大事な、俺の仲間だッ!!」


「ハッ! ならば奪いがいがある。貴様を殺し、絶望の中でこの爆乳を頂いてやる」


アレクセイの紅蓮の鎧が、凄まじい熱量を持って輝き出す。


「来いよ、同類。どちらが上か、死をもって証明させてやる!」

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