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円卓会議

王都近郊の荒野。俺は一人、己の限界を叩き壊していた。


シオンとの1週間に及ぶ「濃厚な特訓(手コキ・パイズリ)」を経て、俺の体内にある覇射は数倍に跳ね上がり、一振りごとに真空の刃が闇の者達シャドウレヴナンツを切り裂く。


修行を終え、街へ戻ると、ヴィクトリアとシオン、そして見慣れぬ「爆乳」が待っていた。


「刃さん、お帰りなさい! お疲れ様ですっ!」


駆け寄ってきたのは、身長152センチほどの小柄な少女だった。だが、その視覚情報はあまりに暴力的だ。


ブロンドのサイドポニーを振り乱し、青い瞳をキラキラと輝かせるその顔立ちは、まさに七瀬アリスちゃんそのもの。


「アリスちゃんだ!!」


鎧の隙間から「ドゥルンッ」とはち切れんばかりに主張する、超重量級のGカップが、彼女の元気なステップに合わせて激しく上下している。


「紹介しよう。我が薔薇騎士団ラピスラズリローズナイツ第3番隊副長だ」


「はいっ! アイナ・ヘイルフェルトです! 刃さんの噂、ずっと聞いてました! お会いできて光栄ですっ!」


アイナが元気よく一礼した……その瞬間。


ガシャーンッ!!


背負っていた、自分の身の丈ほどもある巨大な大剣が重心を崩し、彼女は前のめりに転びそうになった。


「わわわっ! す、すみませんっ、刃さん! 私、ちょっと胸が重くて、たまにバランスを……えへへ」


照れ笑いしながら、むぎゅっとGカップのおっぱいを腕で支え直す彼女。


その圧力で柔らかそうな肉が盛り上がる光景に、俺の理性が悲鳴を上げる。


「……アリスちゃん! マジで恋鐘ももちゃんとの共演作、『時間よ止まれ』のコンビニバイト姿、俺のバイブルなんだよ!!後ろから突かれてるのにあの無表情、ほんとに時間が止まってると思ったぜ」


「……え? 刃さん、何を仰ってるんですか……?」


アイナは首を傾げてキョトンとしている。


またやってしまった。


ふと横を見ると、シオンが無表情のまま、絶対零度の視線を俺に突き刺していた。


「場所を変えよう。報告は食事をしながらだ」


ヴィクトリアに連れられ、大通りに面した看板にデカデカと『肉棒亭』と書かれた店に入る。


(……ネーミングセンスが絶望的にAVなんだよな、この世界!)


だが、中に入るとそこは本格的な中華料理店だった。


円卓の中央には回転する丸いテーブルがあり、パラパラの黄金チャーハンや、豆板醤の香りが食欲をそそるエビチリ、油の乗った回鍋肉が次々と運ばれてくる。


「詳細を報告します。標的は、奴隷商人のアドルフ・ヒューキン」


シオンが円卓をゆっくり回し、俺の前に回鍋肉を送り届けながら、これまでの調査結果を淡々と語り出した。


「アドルフは表向きは商人を装っていますが、本性は王国内で若い女を攫い、国外へ売り飛ばす組織の幹部です」


シオンはひと息つく。


「拠点は『ホテル・バリアンリゾート』。現在、彼は協力者を探すため、夜な夜なバーや食堂をハシゴして情報を集めていました。昨晩、協力すると名乗り出た男をヴィクトリア様が確保し、現在は我々の監視下で『二重スパイ』として作戦に参加させています」


(……バリアンリゾート、やっぱりラブホみたいな名前ばっかりだな……)


シオンが一通りの報告を終え、ふぅと小さく息を吐いた。


そこで俺は、彼女の目を真っ直ぐに見つめて口を開いた。


「シオン。……ありがとう。お前、あの男の姿を見ただけで過呼吸になるほど傷ついてたのに。俺たちのために、アドルフの動向を探ってくれたんだよな。……無理させて、本当に悪かった。感謝してる」


「……ッ、刃様……」


シオンの瞳が微かに揺れ、頬が朱に染まる。


「……で、作戦はどうするんだ?」


ヴィクトリアが紹興酒を煽りながら、アイナを指差す。


「その二重スパイからアドルフへ、『極上の女が、療養のために隠れ住んでいる』という情報を流させた。奴はこの獲物を独占するため、必ず少数の精鋭で隠れダミーハウスを襲撃するはずだ。アイナが攫われた後、我々がすぐ後ろを追う」


「はいっ! 刃さん、私、しっかり捕まったフリをしてみせます! 悪党ども、まとめて私の大剣フツノミタマでぶっ飛ばしてやりますからっ!」


アイナは力強く頷いた。


その拍子にGカップの果実がプルンと揺れ、俺は思わず回鍋肉を吹き出しそうになった。


それを横目で見ていたシオンが、俺の皿に無言で山盛りの唐辛子を置いたのを、俺は見逃さなかった。


「……アイナ殿。貴女はあくまで囮です。制圧は、影に潜む私達が行います」


シオンの冷ややかな釘刺しに、アイナは「はぅっ」と縮こまった。


嵐の予感を感じながら、俺は激辛のチャーハンを口に運んだ。

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