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大切なものは  作者:
13/13

13 旅は道連れ?⑩

大変お待たせ致しました。

読んで下さる方々に感謝致します。

「何か用か?俺達はそろそろお暇させて頂こうと思ってるんだがなぁ」


ゼスは男に剣を突きつけながら言った。

・・・オイ、いつの間に剣なんぞ持った!?と突っ込みたいが、この雰囲気ではそれも難しい。

てか、おのオジさんはなぜに私を見てるんでしょ。

ゼスも自分を無視して、後ろの私を凝視しているオジさんに「何?お前の知り合い??」てな目線を私にちらっと向けてくるが、ヒキガエルのお供って認識しか無い私は、首を横に振った。


「・・・そこの女を置いていけ。そうすれば見逃してやる」


低ーい声でオジさんは私から視線を外さず、ゼスにそう告げる。怖っ!


「・・・だ、そうですけど。どうする?」


今度はゼスが私に視線を送る。


「いやいやいや。ご遠慮させて頂きますよ!さあ、ゼス!何をやっているの!か弱き女を置いていくなんて、紳士の貴方には出来ないでしょう!ならばあの方にお相手をして頂きなよ!!」


こんなとこにあんな怖いオジさんと二人で残るなんてぜーーーーったい嫌だ!

魔術を使えば、私一人でも逃げれるかもしれない。だけど封印を解いたばかりの自分では暴走する可能性もある。別にここを吹き飛ばしても、このオジさんがどうなろうとも、良心は痛まない。だが今この場所には突入してきた人達がまだいるだろう。

後々ここで起こしたことが問題となって、余計な重荷を背負うのはごめんこうむる。ならばゼスという頼もしいおにーさんを利用しない

手はないだろう。ゼスが私を置いていこうとしたら、ゼスごと魔術でどうにかしよう。うん。か弱い女性なのだからしょうがない。か弱い女性を置いて、自分だけ助かろうとする奴なんて、下種だからな!



「なーんか嫌なこと考えてんな、お前。まあ、イイケド。おっさん、俺はこいつを置いていく気はねーよ。だけどアンタと遊ぶのも御免こうむる。つーわけで、引いてくんねぇかな?」


「お前はその女がなんなのか、知っているのか?知らないならば、関わらない方が身のためだが?」


「知らねーけど気に入ったから、アンタにやるのは惜しい」


「そうか・・・。ならばしょうがない」


そう言った直後、オジさんの姿は消えた。と思ったら、ガキィン!と音がしてゼスと剣を交えていた。

私には何が起こっているか全く分からない。彼らは消えたり、現われたりを繰り返しながら剣を交えていた。どっちが優勢かなんて分からない。

剣戟による音が十数回と起こっただろう。私は動けず、ただぼーっと見ているだけだった。


そうこうしているうちに数人の制服を来た男達が来た。


「お前達!そこを動くな!!!剣を下ろせ!」


彼らが剣を交えていたゼスとオジさんに声を掛ると二人はばっと離れ、私をじっと見たかと思うとオジさんは身を翻し逃走した。

ゼスは油断無く、オジさんが走り去った方向を見据えていたが、大丈夫だと判断したのか、剣を下ろした。

制服の男達は私たちを取り囲むようにして警戒する。ゼスが手にしていた剣を捨て、両手を挙げた途端、わっと男達にもみくちゃにされながら拘束されてしまった。

あーあ、どうなっちゃうんだろ。これから・・・とため息をつく私の腕が後ろからぐいっと引っ張られる。

痛ったいんだよ!女の扱いもしらんのか!?と睨みつけようとして後ろを振り返った私が目にしたのは・・・・



あら、カイル将軍でいらっしゃいますね。なぜここに?



眉間に皺をよせ怒りをあわらにしたカイル将軍を見ながら、それでも綺麗だねーと現実逃避をした私を誰が責められようか・・・。


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