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【連載版】王の猫に転生したっぽいので、とりあえず寝る。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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15/17

15:よく寝た

 



 ふぁぁぁぁ、よく寝た。

 伸びをしようとして、すっごく狭いところにいたことを思い出して這い出る。

 いつの間にやら辺りは暗くなっていて、お腹もペコペコだ。

 そろそろヴァルの部屋に戻ろうかなぁと思ったものの、ここどこ? ヴァルの部屋ってどこだっけ?

 あと、周囲が妙に騒がし――――。


「いたぞ! あそこだ!」

『ひょえっ』


 騎士さんとかいろんな人たちが、バタバタと走って私の方に向かってくる。

 めっちゃ怖いんですけどぉ!?

 

 慌てて棚の裏の隙間に入り込む。

 出ておいでとか色々と言われるものの、誰か知らないので、なんとなく出て行き辛いし、捕まった何かされるのかもしれないし。

 どうしようかと迷っていたら、聞き覚えのある声が響いた。


「ルナ」


 ――――ん?


「出てこい、ルナ」


 あ、ヴァルだ。


 棚の隙間からそっと覗いてみると、困ったような顔のヴァルが床に膝をついて、こちらを見つめていた。

 目が合った瞬間、ヴァルの表情がふわりと柔らかくなった。


「ルナ、ケガはないか?」

『……ないよ』

「お腹は?」

『減ってる』

「ん。部屋に戻るぞ」

『うん』


 隙間から出て、ヴァルにそっと近付く。

 ヴァルの差し出してきた手に顔をスリッと寄せると、何度も頭を撫でられた。

 部屋を勝手に抜け出したし、怒られるかなと思ったけど、怒られなかった。

 でも、凄く小さな声で「無事で良かった」と言われて、心臓がギュッとなった。


『ヴァル、あのね…………あのねっ』

「ん?」

『……ごめん、なさい』


 どうしてか目を見れなくて俯いて謝ると、ヴァルにそっと抱き上げられた。

 そして、おでこに柔らかなキス。


「怒ってない。泣くな」


 そう言われて、自分が泣いていることに気が付いた。

 なんで泣いているんだろう?

 猫って、涙出るの?

 よく分かんない。

 こぼれ落ち続ける涙をどうにか止めたくて、手で顔をクシクシと擦るけど、止まってくれなかった。


 ヴァルに抱きしめられて部屋に帰る間に、泣き疲れてしまったのか、また寝てしまっていたらしい。

 目覚めたら真夜中っぽくて、ヴァルの枕の横にある私専用のカゴの中だった。

 

 カゴから抜け出して、ヴァルの身体をよじよじとよじ登り、胸の上に座る。

 穏やかに寝ているのかと思ったけど、眉間にどえらく皺が寄っていた。


 怒ってないって言ったけど、怒ってるよね? 心配させたよね?


『……ごめんなさい』


 寝てるから言っても意味はない。

 ヴァルが起きたらもう一回謝ろうと決めて、胸の上で丸まる。ここ、寝心地良さそうだし、起きたらすぐ分かるだろうから――――。




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― 新着の感想 ―
猫が見つからなくて青くなって探し回るやつ。猫は「何してんの〜?」って感じてヌルッと出て来る笑
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