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【連載版】王の猫に転生したっぽいので、とりあえず寝る。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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13/16

13:何か問題があるらしい

 



 兄姉たちと全力で遊んで、幸せいっぱいで部屋に戻った。

 エキゾチックな兄は、ハルさんにメテオと名付けられていた。

 ハルさんは、なんかどえらいことをやらかして、竜王国を追放されたのだとか。今は地上にある人間の国で暮らしているとのこと。


「僕についてきてくれるかな? ……嫌って言っても連れてくけど」


 うっわー。メンヘラ感がどえらい! なんて、流石に本人にはいえないけども。

 兄は美味い飯食わせるなら、お前に飼われてやってもいいぞと、完璧に猫の思考回路だった。

 番って、なんかペットと違いそうな雰囲気だけど、まぁ種族が違うから越えられない壁があるわけで……あれだ、たぶんプラトニックラブとかいうやつだろう。

 兄の貞操は守られた。うん。よし!




 陛下の人改め、ヴァルの寝室に戻って、ベッドにダイブ。

 程よい疲れもあって、ふかふかのベッドの真ん中でうつらうつらとしていた。


「ルナ、カゴで寝ろ」

『やだ。ここがいい』

「……はぁ」


 首根っこを掴まれて、カゴにペイッと捨てられた。

 なんというか、ハルさんがメテオ兄にメロメロなのに、ヴァルはそこまでない気がする。


『むーっ。私、本当に番なの? 扱い雑じゃない?』

「…………本気で、愛されたいなら、そうするが? 覚悟はあるのか? 今はまだ、子どもとして扱っていたが。そうだな、猫は二歳で成年期に入るな?」


 あ、なんか駄目なとこに足突っ込んだらしい。


『今のままでお願いしやっす!』

「ん」


 ヴァルがいつものように、優しくゆっくりと撫でてくれた。

 うん、そうなんだよね。

 雑に扱われているようで、しっかりと見守るように愛されてはいるんだよね。それが、凄く心地良い。

 だから、もうしばらくはこのままがいいなぁ。


 撫で撫でしてもらっているうちに、寝てしまっていたらしい。

 夢現だったんだけど、寝室に誰かが来て、番がなんとかとか、問題がありすぎるとか何かを話していた気がする――――。




■■■




 イェールハルの神託は、やはり厩舎にいる生まれたばかりの猫だったらしい。流石に同じ相手ではないだろうとは思っていたが、まさかのオス猫とは…………なんというか、複雑だった。


 番との引合せを終えて部屋に戻り、プスプスと変な寝息を立てているルナを撫でていると、宰相のフェアドが血相を変えてやってきた。


「陛下っ、その猫が番だなんて、嘘ですよね……」


 イェールハルドが勘付いて、警備の者たちの前で言ってしまったからな。事情を何も知らなかったし、教えてもいなかったので弟が悪いわけではない。

 むしろ俺が一番悪い。


「ルナが、俺の番だ」

「っ、そんな…………!」


 フェアドが膝から崩れ落ち、床で打ち震えていた。

 こうなるから、知らせないようにしていたんだがな。

 

「陛下、番とは、一生に一人だけです」 

「ああ」

「番を失えば、心が壊れます」

「そうだな」


 番を失えば、片割れは後を追う。それほどに番とは人生においての全てなのだ。


「猫の一生なんて、我ら竜人にとって……一瞬ですよ」


 考えなかったわけではない。だが、俺はもうルナを見つけてしまったし、愛してしまった。

 残りの時間がどれだけ短かろうと、一生を掛けて愛すると決めている。


「そうだな」

「…………陛下っ」

「泣くな。お前はお前の仕事をしろ」


 嘆くほどに慕われているのは悪い気はしないが、俺は何も後悔していないし、ルナが番で幸せだと思っている。

 いまだプスプスいっているルナの頭をそっと撫でながら、自然と笑みが溢れた。


 ――――俺は、幸せだな。




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