表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
60/73

60 灰と化した仮面

誤字や不自然な表現などがありましたら、教えていただけると助かります。

エマの足はついに持ちこたえられなくなり、膝ががくっと折れて、地面にひざまずいた。

しかし、彼女は依然として頭を上げていた。顔を上げ、あの金色の姿を見つめていた。


「私はエマよ。 私を守るって言ったじゃない? 『もし戦争が起きたら、必ずエマさんの前に立ちはだかる』って……」


チャールズの瞳に、一瞬の葛藤がよぎった。

金色の縦瞳に細い隙間が開き、そこから琥珀色の光が漏れ出した。しかし次の瞬間、金色の炎が再び湧き上がり、その光を飲み込んでしまった。

彼はまるで体内で何かが引き裂かれているかのような、獣のような低い呻き声を上げた。


「俺は……怪物だ。妖獣なんだ……」


エマは一瞬呆気にとられたが、やがて涙と切なさを帯びた笑みを浮かべた。

「バカね……あなたが教えてくれたことなのに、どうして自分では忘れてしまったの?」


エマはよろめきながら立ち上がり、金色の炎に包まれたその姿へと歩み寄った。

肌は焼けるように痛み、呼吸さえも燃え上がるようだったが、彼女は歩みを止めなかった。

なぜなら、彼女はチャールズの金色の瞳の中に恐怖を見たからだ。自分自身に対する恐怖を。


エマはその恐怖をあまりにもよく知っていた。

この何年もの間、彼女は毎日を恐怖の中で過ごしてきた。

自分の赤い瞳が他人を怖がらせるのではないかと、自分の存在自体が間違いなのではないかと、「赤い瞳の魔物」という呪いが本当なのではないかと恐れてきた。

彼女は恐怖のあまり仮面を被り、鏡を見ることもできず、「愛されること」さえも贅沢だと感じるほどだった。


そして今、チャールズも同じ崖っぷちに立っている。


「チャールズ、あなたは怪物なんかじゃない。 怪物なのは私の方でしょう? ほら、皆はずっと、そう呼んできたじゃない」

エマは手を伸ばし、顔からあの白い仮面を外した。

彼女が数年間も身につけていた赤い瞳を隠し、劣等感を覆い隠すための仮面だ。

彼女はそれを掲げ、手を離した。


仮面は金色の炎の中に落ち、瞬く間にゆがみ、焦げて黒くなり、灰と化した。

風が吹くと、灰は散っていった。

陽光がまっすぐにエマの顔に、その赤い瞳に降り注いだ。


赤い瞳と金色の瞳が向き合う。

「私たちは同じなんだよ」


数え切れないほどの人々に嘲笑され、嫌われ、「魔物」と呼ばれてきたその瞳が今、金色の炎の中で輝いていた。

エマは顔を上げ、自分の赤い瞳をチャールズの金色の視線に完全にさらした。

目をそらすことも、震えることもなかった。


「チャールズ、あなたは私に言ったわ。 『誰もが愛される価値がある』って。

あなたが教えてくれたこと、あなた自身は忘れてしまったの?」


チャールズは空中に浮かんでいた。

彼の手はまだ上げられたままで、鋭い爪も露わになり、魔物の血が指先から絶え間なく滴り落ち、九本の尾は背後で激しく舞い続けていた。しかし、彼の動きは止まった。

「……エマ……さん……怪物なんかじゃない……」

かすかで、ほとんど聞こえないほどの声が、あの金色の炎の奥深くから響いてきた。


「そうじゃないの? でも私はバカで、いつも忘れてしまうの。 誰かがずっと私に思い出させてくれないと。

チャールズ、私を守ると約束したじゃない」

「君はチャールズだ。047でも、妖狐でも、兵器でもない。

私のチャールズよ。 戻ってきてチャールズ、戻ってきて」


涙が彼女の赤い瞳からこぼれ落ちた。

一滴、また一滴と。

灼熱の地面に落ち、ジュージューという音を立てて、白い蒸気に変わった。

しかし、彼女の視線は決して逸らされなかった。

ただひたすらにチャールズを見つめ続けていた。


すると、誰もがそれを見た。

狂ったように舞っていた九本の尾が、次第に静まり返った。全身を包む金色の炎が少しずつ収まっていく。

瞳の奥に、一筋の琥珀色の光が現れた。

そしてその光はゆっくりと広がり、金色を飲み込み、ついに彼の瞳は、再び琥珀色へと戻った。

涙を帯び、疲れ切った、優しい、チャールズならではの琥珀色。


彼は空から落下した。

エマは両腕を広げ、彼を受け止めた。

しかし彼は重すぎて、彼女は再び押しつぶされそうになり、背中を砕石の地面に打ちつけ、痛みのあまり目の前が真っ暗になった。それでも彼女は彼を必死に抱きしめ、手を離さなかった。


「エマ……さん……」

チャールズの声は、かろうじて聞こえるほど弱々しかった。

「僕……さっき……誰かを……傷つけたり……しなかった……?」


「いいえ」

エマは彼の頭を自分の肩に押し当て、声を詰まらせた。

「あなたは誰も傷つけていないわ。みんなを守ってくれたのよ」


「……本当?」


「本当よ。ほら見て――」


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

評価や感想、ブックマークなどいただけると、とても励みになります!

明日も更新予定ですので、また読みに来ていただけると嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ